2010年07月10日

健康ウォッチ 五月病(六月病)のはなし

健康ウォッチ 5月病の話

春は入学や入社、人事異動など大きく環境が変わる季節です。 
この春から新たな環境でスタートをきった方もいらっしやるのではないでしょうか?この時期にかかってしまいがちなのが、俗にいう「五月病」です。

◆五月病とは?

五月病は、正式な医療用語(診断名) ではありません。特に決まった定義や概念があるわけではありませんが、あえて病名をつけるのであれば「適応障害」に該当します。

 日本では70年代頃から「自分がやりたいことが分からない」という訴えをする学生がゴールデンウィーク明けに増え、五月病といわれはじめました。

 近年では、学生の五月病は減少しているようです。

◆六月病とも呼ばれる
代わって新社会人に五月病と同様の症状が見られるようになってきました。
新社会人の場合、研修が終わって実際の仕事を始めるようになった6月頃に症状が出ることが多いので「新五月病」たは「六月病」とも呼ばれています。

諸外国では、現実に直面して幻滅・挫折することから「リアリティ・ショック」と呼ばれます。

生活スタイルが多種多様となっている現代では、新入生・新社会人だけが、かかる病気ではなくなっています。新たな環境に飛び込む経験は、誰もが何回も経験するからです。中堅やベテラン社員、そしてその家族も、転勤や引っ越しなどの環境変化を引き金に、五月病と似たような症状を訴える方が増えてきています。

◆こんな症状にご用心

新しい仕事・生活に夢中になっている間は気づきませんが、それらがひと段落する頃に、気づかないうちに蓄積されていた心身の疲れが急に出たり、新しい環境になかなか慣れることができないストレスが貯まり、次のような症状が現われます。

●身体的症状
疲れやすい・朝起きられない・食欲がわかない・めまい・動悸・不眠・頭痛・腹痛・便秘など

●精神的症状
やる気が出ない・イライラする・落ち込んでいる・不安や焦りを感じるなど

●行動面の変化
お酒、タバコの量が増える・食べ過ぎる・遅刻する・事故にあうなど

◆五月病にならないためには

一番大切なことは、ストレスを一人で溜め込まないことです。その点をふまえて、次の点に気をつけてみてください。

●会話をしよう
誰でもいいので会話することを心がけましょう。悩みを聞いてもらうだけでも、貯まったストレスは減っていきます。

●気分転換をしよう
仕事や学校とは関係ない楽しみを見つけることによって、気持ちをリセットする時間を作りましょう。

●生活のリズムを取り戻す
GWなどの長い休みが続くと、生活のリズムが崩れてしまいがちです。十分な睡眠とバランスの取れた食事、規則正しい生活を心がけましょう。

●新たな目標の設定を
目標を達成してしまった人や、または見失ってしまった人は五月病にかかりやすいといわれています。「週末は1冊読書をしよう」「朝15分早く起きてストレッチをしよう」など、具体的で身近な目標を設定して、実行しましょう。

◆もしかして五月病と思ったら

五月病の症状がでてきたら、まずは前の4点を試してみましょう。

それができないほど進行していた場合は、一人で抱え込まず、周囲に助けを求めましょう。けっして恥ずかしいことではありません。

身近に五月病の疑いがある人がいるときは、励ましたり、焦らしたりは禁物です。本人が一番辛い状況にあります。本人の話にじっくりと耳を傾けて、温かく見守ってください。

生きていくうえで何度も経験する、新たな環境。それを乗り越えていくことは、人間的な成長にもつながります。

不調が2週間以上続くときや、対応に迷ったときは、専門家へ相談してみてください。無理をして長引くとうつになってしまう恐れもあります。話を聞いてもらうだけでも、早めの改善につながります。

まずはかかりつけの先生に相談してみましょう。

(北海道勤医協友の会新聞 2010年6月1日号より)
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2010年05月20日

Field-note 北の自然 バイケイソウ

field-note 254 バイケイソウ

遅かった春がようやく訪れ、林床にはカタクリ、エゾエンゴサク、アズマイチゲなどの花々が咲き乱れています。そんな中、幾何学的な葉の形で存在感を誇っているのが写真のバイケイソウです。

湿り気のある土地に群生するこのユリ科の植物は、早春は写真のような形をしていますが、初夏に向けてぐんぐん背を伸ばし、大きなものでは高さ1.5メートルにもなります。とても大柄な植物ですが、ここまで大きくなるのには、順調に育ったとしても少なくとも90年はかかるそうです。葉が一枚の期間だけでも約40年にもなるというのですから気の遠くなりそうな話です。

バイケイソウは見た目とは裏腹に、花、葉、茎、根など全草にアルカロイド系の強い毒を持っています。特に根の毒は強く、殺虫剤として農薬に使われていたほどです。

芽出しの頃は山菜として食べられるギボウシに似ているので注意が必要です。

(北海道民医連新聞 2010年5月13日号より)
ラベル:バイケイソウ
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新刊紹介 「分かち合い」の経済学 神野直彦 著

wakatiai.jpg新しい社会のビジョン

「生き残り」という言葉が普通に使われる時代です。曰く「国際競争に生き残れ」「生き残る病院になるために」…。著者はいいます。「1929年の世界恐慌からの回復過程で、生き残りをかけた競争があおられ、結局は世界大戦という破局を招いた」 (「はじめに」)。

この 「生き残り」 に対する言葉として著者が提案するのが「分かち合い」です。「幸福は奪い取るものではなく、分かち合うものだから」 と。

新しい社会のビジョンとして、「分かち合い」を提案する著者が、それを現実のものとするための財政と社会保障のあり方を提示したのが本書です。「社会の中での分かち合い」「コミュニティの中での分かち合い」「家庭内での分かち合い」 −それぞれが、スウェーデンなどの例を引きながら、具体的に提案されています。

「分かち合い」は、上から作られるものではなく、その社会の構成員全体が行動を共有しなければすすみません。「孤立・分断から、連帯・共同へ」、そして、「奪い合い」を「分かち合い」 へ。私たちがすすむべき道を考えるうえで、多くのヒントを与えてくれる1冊です。(晃)(岩波新書・720円+税)

(北海道民医連新聞 2010年5月13日号より)
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「最期まで家にいたい」の願いに応えて

看護現場からの発信
勤医協月寒診療所の看護スタッフ

月寒医院は、07年に在宅支援診療所として認可され、現在約60人の訪問診療を行っています。最初の1年に自宅で最期を迎えられたのは1人でした。08年が3人と少しずつ増えて、09年に亡くなられたのは6人でした。がん末期の患者さんや老衰による自然死の人たちです。

◇ ◇ ◇

Aさん (77歳・女性) は糖尿病、C型肝炎などで定期的に通院されていましたが、08年に肝臓がんを発病しました。6回にわたり入院治療を行いましたが、進行を止めることはできませんでした。がんの進行により、積極的な治療が困難となってからは、当院での看取りをふまえてのかかわりとなりました。Aさんの夫も08年より入院中で、同じ敷地内に住む娘さんが身の回りの世話をしています。週2,3回の点滴治療で肝不全の防止を行っていましたが、腰椎圧迫骨折を発症し、入院での安静治療後、訪問診療開始となりました。

「もう入院したくない」「家にずっといたい」とAさんから意思表示があり、娘さんは本人の希望をかなえてあげたいと話されました。訪問診療だけでなく、訪問看護の導入や介護保険でのベッドのレンタル、歩行器のレンタルなども行いました。肝性脳症の悪化や、排便コントロールがうまくいかず脱水になることもありましたが、臨時の訪問診療も頻回に行いながら在宅療養を支えていました。

病状が悪化するとともに、娘さんにかかる負担がしだいに大きくなり、孤軍奮闘の毎日となりました。

Aさんは緩和ケア病棟への入院も何度か口にしましたが、「やっぱり家に…」 と入院を望まず、娘さんも本人の意思を尊重する結果となりました。亡くなる1週間前には、毎日の往診、訪問看護、外来看護師の訪問を繰り返しながら、娘さんご夫婦に看取られて最期を迎えられました。

後日、ご自宅を訪問すると娘さんは、「入院も考えましたが、母が願っていたように自宅で最期を迎えることができ、私もやってあげられることをやれたので、良かったです。本当にたくさんお世話をかけました」と話してくれました。

在宅で最期を迎える家族の方がたは、「入院したほうが手厚い看護が受けられるのではないか」 「いろいろな症状が出たときに、自分たちではどうしていいのかわからない」 など不安を抱えています。すべての不安をとりはらうことはできませんが、患者さんや家族にとって、どうすることが良いのか、私たちにできることをお知らせしながら、患者さんや家族の願いに応えられるように今後も対応していきたいと思います。(勤医協 月寒医院 看護師 青柳 真弓)

(勤医協新聞2010年5月11日号より)
ラベル:自宅で最期
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2010年05月04日

健康ウォッチ 子宮頸がんワクチンのはなし

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子宮頸がん(図1)は妊娠する世代に多く、20〜30代の女性に最も多く発症します。初期症状は無く、ゆっくり進行するので定期的にがん検診を受けることが大切です。不正出血が出現する時期では進行状態のため子宮切除が避けられなくなり、命までが脅かされます。この子宮頸がんを予防できるワクチンが開発され、病院で接種できるようになりました。

HPV-pic1.gif

◆子宮頸がんの99%はヒト・パピローマウイルス (HPV) の感染が原因

以前より子宮頸がんの原因は性交で感染するウイルスであるとわかっていました。性交経験のある女性なら、誰でも頸がんになるリスクがあると言えます。

(図2)のように性的接触により、がんをひきおこす高リスクHPVが子宮の入り口の正常細胞に感染します。

この感染はまれではありません。性交開始から数年以内に感染するとされ、80%の女性が一生の間に一回以上は感染するといわれます。幸いなことに、HPV感染の90%は自然に治ります。しかし、持続感染状態となったときに、前がん病変から子宮頸がんに移行する可能性が出てきます。

HPV-pic2.gif

◆性的接触の始まる前にHPV予防ワクチン接種が望ましい

発がん性HPVは15種類はどありますが、子宮頸がんの原因の60%は16型と18型であることが解明されています。現在、この2タイプに対する予防ワクチンの接種が可能です。

性行動の開始が早くなっていることも考慮すると中学生ぐらいで接種しておくことが望ましいでしょう。

すでに性交経験のある人も、2タイプの感染がないとわかっていれば予防のために接種しておくといいでしょう。

感染有無の検査は婦人科外来で行えるので相談して下さい。

◆ワクチン接種は「こども診療所」「産婦人科外来」で

中学生にとって産婦人科外来は受診しずらいかも知れません。

こども診療所でもがん予防ワクチンは受けられます。どの年代でも、すでに性交経験がある場合は、産婦人科であらかじめ子宮頸がんの検査を受けることをお勧めします。

すでに16型と18型に持続感染している場合、ワクチンに治療効果はありません。

◆ワクチン接種の回数と費用

半年の間に3回のワクチン接種をします。接種は上腕への筋肉注射で、副作用ははとんどが注射部位の発赤・かゆみぐらいです。

費用は、自費医療のため3回分で約4万5千円かかります。本来は公費で接種したいワクチンなので、女性の健康を推進する各種団体から署名活動が始まっています。

◆ワクチン接種後も定期的に子宮頸がん検診を

ワクチンを接種したことで、60%は子宮頸がん予防ができますが完全ではありません。他のタイプによるがん発症もあり得るので、性行動が始まったらがん検診を1年に1回は受診することを勧めます。(図3)

妊娠してから初めてがん検診を受ける方が多いですが、HPV持続感染状態となっている人がいます。特に10代の妊婦さんで多いことが問題になっています。

思春期の子どもたちに、性行動でおこり得ることの中に子宮頸がんもあることを話していただきたいと思います。

HPV-pic3.gif

*子宮頸がん予防ワクチンは、勤医協札幌病院と菊水こども診療所で予約を受け付けています。
(問合せ先)
勤医協札幌病院я纒\(011)811−2246
菊水こども診療所я纒\(011)833−3633

(北海道勤医協友の会新聞2010年5月1日号より)
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Field note 北の自然 ヨモギ

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待ちに待った山菜のシーズンがやってきました。みなさんは、どの山菜がお好きですか? 私はダントツにヨモギです。これを食べないと春が来ないと思うくらいに大好き! 家の近くにはヨモギのたくさん摘める場所をしっかりと押さえてあります。そこはヨモギ畑とも呼べるほど一面に生え広がっていて、10分もあればカゴいっぱいに摘むことができます。これは、他の植物が発芽できないように、ヨモギが地下茎から化学物質を出しているためです。人間はその恩恵を受けているのですね。

ところで、以前沖縄旅行に行ったとき、スーパーの野菜コーナーに茎のすっかり伸びきったヨモギが並べてあるのを発見してびっくりしたことがあります。北海道では新芽しか食べないので、一体どうやって食べるのか不思議で仕方なかったのですが、葉を炊き込みご飯にきざんで入れたり、沖縄そばのトッピングにしたり、ヤギ肉を煮るときの臭み消しに使うことを後で知りました。ヨモギはとても栄養価が高く、特に鉄分はなんとホウレンソウの3倍もあります。沖縄の人に見習って、たくさん食べたいものですね。

(北海道民医連新聞 2010年4月22日号より)
ラベル:ヨモギ
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新刊紹介 オバマの戦争 西谷文和著

obama_war.gif戦争に大義などない

イラク戦争に反対して当選したオバマ米大統領。国連を無視した単独行動主義を改め、「核兵器のない世界」 を口にするなど前向きの変化を示す一方で、軍事覇権主義への固執は根深いものがあります。

国内外の反対の声を抑えてアフガン増派を決め、駐留米軍は年内に約10万人にも膨れあがろうとしています。アフガン戦争はまさに「オバマの戦争」 です。

著者は、イラクやアフガニスタンを取材し、現地の子どもたちを救う活動にとりくんできたフリージャーナリスト。アフガン南部のカンダハールに取材し、多くの市民が米軍の 「誤爆」で殺され、傷ついている惨状や、腐敗した政権が国民の苦しみを放置している現状を伝え、「だまされてはいけない。私たちはもっと『オバマの戦争』に敏感になるべきだ」と警鐘を鳴らしています。

「国際テロ組織」アルカイダが米国に”育成”されてきた経過も簡潔に説明し、「オバマの戦争」 は 「偽善的な自作自演の戦争」だと痛烈に批判、日本はこの戦争に手を貸してはいけないと訴えています。カンダハー ル市内の病院で国際赤十字から派遣された3人の日本人看護師が働いていることも紹介しています。(む)(せせらぎ出版・定価600円)

(北海道民医連新聞 2010年4月22日号より)
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マリファナ

オーティスあゆみアメリカ通信

マリファナ(乾燥大麻)というと若者が手を出すドラッグのイメージがありますが、アメリカでは大人も使用しています。最近ではべービープーマ一世代や、1960年代から70年代生まれの世代(私の世代ですが)に多く使用されています。50歳以上の年代でマリファナを愛用(?) している人は2002年から2008年の6年間で3%近くも上昇しているそうです。

アメリカではマリファナは医療用に限り、多くの州で合法化されています。「痛み止めより効果的に痛みを除去できる」「どんな睡眠導入剤も効果が無かったのに、マリファナを吸引するとリラックスして夜眠れるようになる」などの理由から、一応、医療目的で認められているのです。末期がんの患者、慢性的疼痛を伴う疾患には、マリファナが処方されます。この医療用マリファナについても、患者による販売(転売)や配布は、どの州でも違法行為です。しかし医療目的以外でも、少量の所持ならいくつかの州では「微罪」扱いです。私の頭の中では、どんな理由をあげられてもマリファナは所詮、違法なドラッグとしか思えないんですが…。

たとえば家族の集まるパーティーに行くと、飲んで盛り上がってどこからとも無くマリファナが…ということがよくあります。タバコと違う独特な甘い匂いがするので、誰かが吸っているとすぐわかるんですよね。そういう集まりのところに、やはり子どもをつれていきたくないので、必然的に 「あ、そういう人たちなんだ」と、一線を引いてしまったりします。でも、アメリカ人に言わせると、「肺がんになるのに平気でタバコを吸うほうが信じられない」とか、「タバコは吸うとやめられなくなるけれどマリファナは中毒性がない」とか、「マリファナを吸うと食べ物もおいしく食べられ、音楽も楽しく聞け、セックスも楽しめる」とか…。吸ったことが無いからわからないのでしょうか?

医療目的で末期がんや疼痛対策といわれると、全面的に否定できない部分もたしかにあるのはわかるのですが、合法と違法の境目が微妙なところが、みなさん勝手な理由でマリファナを吸うことにつながっていると思うんですけどね。

※オーティスさん  米カリフォルニア州サンタローザ市在住。かつて北海道勤医協で看護師として勤務。

(北海道民医連新聞2010年4月22日号より)

認知症の独居高齢者をともに支えて

看護現場からの発信
kamisunagawa_nurse_staff.jpg

Aさん(79歳・男性)は、2008年10月、上砂川町外の医院より地域包括支援センター(以下包括)を通して当診療所に紹介された患者さんです。病名は糖尿病、高血圧症、認知症です。

前医では、処方されたインスリンを5日間で使いきるなど、低血糖による昏睡で救急搬送をくり返し、内服治療に変更となりました。認知症もあり車の運転が危険なことから、町内の当診療所へ通院することになりました。

09年8月頃から、しだいに内服薬の管理もできなくなり1日に朝の薬を4〜5回服用してしまうことをくり返すようになるなど、認知症の進行が懸念されました。生活状況を確認するため何度か訪問をするうちに、わかってきたことがありました。Aさんは持家にひとり暮らしです。子どもたちとは疎遠で、友人や近所の方に相談ごとを聞いてもらったり、食事の差し入れを受けていました。多額の借金があり、介護保険料も滞納していたためペナルティを課せられ、介護サービスは3割負担でないと利用できない状況であることもわかりました。

冬を迎える季節となり、早急にAさんの生活を立て直す必要がありました。経済的な問題もあることから、包括と合同のカンファレンスを行うなど、共に支援していくことになりました。介護申請を行い、11月には町内のショートステイに入所することができました。

私たちが考えたAさんにとっての最良の選択は、ショートステイに春まで入所してもらい、その後は、当診療所の2階部分に5月から稼動する有料老人ホームヘの入所をめざすというものでした。しかし、Aさんは無断外出をしてしまい、継続入所を断られ、今後の生活の場を再度探すことになりました。

Aさんは自宅へ戻ることは希望せず、入居施設が見つからない場合は、精神科に入院する意向でした。包括を中心に、可能な限りグループホームやその他の介護施設を探しましたが受け入れ先がなく、12月に町外の精神科へ長期入院となりました。

Aさんの事例は、行政との連携で困難な局面を乗り切ることができましたが、私たちが当初考えた「有料老人ホームヘの入所」 とはなりませんでした。しかし、様ざまな経過のなかで、Aさんの思いに寄り添って援助していけたのではないかと思っています。民医連の看護を実践していくには、患者さんに寄り添い、ともに闘病や療養、生活を援助するために、足を使い訪問することが基本にあると思います。これからも地域の方の健康と生活を守れるよう、努めていきたいと思います。(上砂川診療所 看護師 吉成 ルミ)

(勤医協新聞2010年4月11日号より)
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Field-note 北の自然 テントウムシとアブラムシ

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春が近づくと、花屋さんの店先には、たくさんの鉢植えが並ぶようになりますね。先日かわいい四つ葉のクローバーの鉢植えがあったので、ひとつ買ってきて窓辺に飾りました。春らしいのが嬉しくて毎日眺めていたのですが、ある日、ヒメカメノコテントウという小さなテントウムシがついているのを見つけました。こんなところにいても餌は捕れないだろうし、このままお腹が空いて死んでしまうのかな、可哀想だな、と思っていました。すると数日後、今度は1本の茎にアブラムシが何匹もついているのを見つけたのです。テントウムシの好物はアブラムシです。アブラムシがいたからテントウムシはこの鉢植えに住み着いていたのだと納得。こんな小さな鉢植えの中で、ひとつの生態系ができあがっていることにちょっぴり感動しました。

でも困ったことに、一昨日からテントウムシがお出かけしたきり戻ってこないのです。このままでは鉢植えはアブラムシに占拠されてしまうので、道草を食ってないで早く戻ってきて欲しいものです。

(北海道民医連新聞2010年4月8日号より)
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