2008年10月26日

実態に合わない生活保護基準への怒り

事例からの告発10
 家屋が売却できずに生活保護を受けることができない患者さんに「無料・低額診療制度」を活用した事例について斉藤勝己さん(勤医協月寒員事務員)に寄稿してもらいました。

 ?月寒医院の周辺は、長くこの地域で暮らしてきた方が多く高齢化が進んでいます。年々、通院患者さんからの生活相談も増えています。相談者は失業や低年金者など生活保護基準以下で暮らしている人がほとんどで、保険証があっても病院にかかれない事態が多くなってきています。

 独り暮らしのAさん (76歳・男性)は、月に年金7万8千円で生活しています。先日、診療所にしばらく来ていなかったので電話をかけたところ、病院にかかるお金がなく、薬を2?3日に1回の割合で飲んでいたことがわかりました。まずは受診をするようにすすめ、その後一緒に区役所の保護課に相談に行きました。

 しかし、「持ち家があり、生活保護基準よりわずか6千円多く年金が出ている」 という理由で生活保護を受けることはできませんでした。「生活が苦しいことは理解しているが、制度上どうしようもない」 と説明する保護課の職員も「本当に困っている人のための制度になっていない」 と複雑な胸の内を語りました。その帰り道、Aさんは、「こんな家でも固定資産税だけは取られるのに、困っているときは助けてくれない。いっそのこと税金の代わりに家を差し押さえてくれた方が楽になる」 と怒りを隠せない様子でした。

 Aさんの家は、幅1,8メートルの道を通らないとたどり着けない中小路にあります。屋根もぼろぼろで雨漏りがひどく、床には常にバケツを置いている状態です。そのため、家を売ろうと数件の不動産会社に足を運びましたが無理だと断られたそうです。

 夏場は食費を切り詰め何とか生活していますが、灯油の高騰で大変だった昨年の冬は、灯油代だけでも節約できればと、物置を少しずつ壊し薪にして過ごしたといいます。今回の相談では、「無料・低額診療制度」を使うことにして、医療費のことは心配しないできちんと通院することを約束してくれました。しかし、また厳しい冬がやってきます。Aさんの状態はまったなしなので、市とも交渉しながら対応を検討している最中です。

 私たちの院所をとりまく地域には、Aさんのように困っている人はたくさんいます。無料・低額診療制度の活用をすすめながら、国民の暮らしを中心にすえた政治へ転換させるとりくみが切実に求められています。

(勤医協新聞2008年10月11日号より)
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2008年08月22日

無料・低額診療制度で目の手術を決意

事例からの告発<9>

 無料・低額診療制度の活用が各院所ですすめられています。今年4月、札幌病院の相談室を訪れた男性は収入が低く、ぎりぎりの生活の中で治療をためらっていましたが、同制度の活用で今後の生活の目処が立ち、目の手術を受ける決意をしました。男性の相談にあたったソーシャルワーカーの高野和美さん(札幌病院)に寄稿してもらいました。

◆医師から治療をすすめられたが

 竹川さん(仮名・58歳男性)は、長年糖尿病の治療を続けながらタクシーの運転手をされていました。
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2008年08月03日

流浪した地で生保申請断られ、苫小牧病院へ
「自立支援」語る“たらい回し”許せない

事例からの告発<8>

 今年、一人の路上生活者(男性=Aさん)が勤医協苫小牧病院を訪ねてきました。「いくつもの自治体を流浪し、生保を申請したが全て断られた」と話すAさんは3日間、飲まず食わずでいました。ホームレス自立支援実施計画の裏側で行われていた人権無視の事例を紹介します。(桜井亨弘・苫小牧病院ソーシャルワーカー)

◆仕事求め北海道に

 Aさんは今年、本州から仕事を求め、函館市に移って来ました。しかし、仕事は見つからず、札幌市に来ました。「オホーツクのたまねぎ農家で住み込みの仕事がある」との知人の紹介を頼りに玉ねぎ産地で有名なオホーツクのある市へ向かいました。

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2008年07月14日

無料・低額診療制度で救われた青年の事例
「これで安心して外来にかかれます」

事例からの告発(7)
 生活の困窮により医療費の支払いが困難な患者さんに対し医療費を一部減額または免除する北海道勤医協の無料・低額診療制度が、困難を抱える人々から喜ばれています。今年2月、昏睡状態で札幌病院に搬送され緊急入院した青年も同制度によって療養の保障につながり、救われた一人でした。

日雇い労働者の青年

 今年2月、建設会社で働くAさん(30代)が自宅で昏睡状態に陥っていたところを家族に発見され、札幌病院に救急搬送されてきました。診断の結果、Aさんの昏睡はI型糖尿病によって発生したものでしたが、本人はそれまで自分が糖尿病であることを知りませんでした。
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2008年06月10日

高齢者襲う負担増 「夫を介護してあげたいが…」

事例からの告発6

 政府による社会保障費の削減政策によっ高齢者世帯の家計負担が増大し、「必要なサービスが受けられない」深刻な事態が広がっています。札幌病院の相談室を訪れたB子さんもその一人でした。

■恥ずかしい話ですが

 2007年9月某日、おりからの雨の中、「大粒の雨ですね。相談したいのですが、いいでしょうか」と高齢の女性が相談室を訪れました。応対に出た福原宏課長(現=余市診療所)にその女性はおもむろに話しはじめました。
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2008年04月24日

「資格証」の発行 直ちに止めて 後が絶えない「手遅れ」事例

事例からの告発その5

 昨年10月、国保資格証が交付されていた男性(51歳)が腹痛を訴え、勤医協中央病院の救急外来を受診しました。その後の検査で「末期の肝癌」が判明したこの男性は今年1月、静かに息を引き取りました。後を絶たない国保資格証関連の死亡事例。男性の相談にあたったSWの曽山響子さんと事例をふり返りました。

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タグ:国保資格証
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2008年04月07日

患者の受療権を支える 無料低額診療制度

事例からの告発4

 北海道勤医協では公益法人の事業のひとつとして、医療が必要にもかかわらず、生活の困窮を理由に医療費の支払いが困難な方に対して医療費の一部減額または免除を行う無料低額診療制度を実施しています。日本の社会保障には生活困窮者が医療費の減額や免除を受けられる制度が乏しく、無料低額診療制度によって患者さんが安心して治療を受けられるケースが少なくありません。

■10万円の収入から7万円の寮費が

 西区病院の医療福祉課では、医療費の支払いに関する相談が毎月平均30件程あります。

 昨年10月、ある男性が「吐き気がひどく受診したいがお金がない」と相談室を訪れました。
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2008年03月15日

仕事は船が来たときだけ
増大するワーキング・プア 全労働者の25%

事例からの告発

ワーキング・プア。働いても働いても生活保護基準以下の収入しか得られない。労働者の25%が今、そのような状況に置かれていると言われています。昨年10月、外来師長から相談依頼があったAさんもその一人でした。

■保護基準以下の生活

 「医療費の支払いが困難」とのことで相談室を訪れたAさん(50代、男性)は妻子と3人暮らしをしています。

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2008年01月29日

増える「分割納入」相談 困難に寄り添う活動は勤医協の原点
  中病入院事務課

事例からの告発2
 病院窓口での患者負担の未払いが全国的に増えています。四病院団体協議会(全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、日本病院会)の調査によると、同協議会に加盟している施設の患者負担の未払いは、年間373億円にのぼります。中央病院でも入院医療費の支払いが困難となった患者さんの相談が急増しています。入院事務課の松崎彰係長に相談を通して見える患者さんをとりまく状況について聞きました。

分割の相談が急増

 中央病院入院事務課の統計では、入院費の分割納入の相談は、07年1月から9月までで06年1年間分に匹敵する30件(月平均3件程)に達し、さらに冬場にさしかかる11、12月の2ヵ月間で10件(月平均5件)と急増してきています。
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2007年12月21日

病気になっても患者になれない 患者の受療権守るとりくみを

事例からの告発(1)

 「低所得世帯」「不安定雇用」が拡大する中、国民健康保険の保険料を滞納する世帯が急増しています。保険料を1年以上滞納した場合、資格証明書(以後、資格証)が交付されると医療費の10割全額を一度窓口で支払わなければならず、受診を控え「手遅れ」となる事例が後を絶ちません。

■保険ないが診てほしい

 「歯が痛くてがまんできない。保険料を払えず保険証がないが診てもらえるのか・・・」昨年11月、勤医協札幌歯科にある男性が歯痛を訴え、飛び込んできました。
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2007年11月18日

福祉関連職員の賃金・労働条件の改善を

打ち破れ格差貧困(6)
福祉の担い手はワーキングプア
北海道民医連新聞2007年10月25日号より。2.47MB(5:23)

福祉関係職員の賃金月額
 「福祉のにない手≒(ほぼ)ワーキングプア」 「心かよいあう福祉のために福祉労働者の賃金・労働条件の改善を」―福祉保育労(全国福祉保育労働組合)が、「福祉人材確保」対策の確立を求める請願・署名運動に取り組んでいます。

 福祉保育労は今年6月、組合員を対象に労働と生活についての実態調査を実施し、9月の定期全国大会で報告しました。

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2007年08月20日

ホームレスが売る雑誌「ビックイシュー」9月から札幌で販売開始

ホームレスが売る雑誌ビックイシュー9月から札幌で販売
北海道民医連新聞2007年8月9日号より。916KB(01:57)

 ホームレスの人しか売り手になれない雑誌『ビッグイシュー日本版』の販売を札幌で開始する計画が進んでいます。続きを読む
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2007年08月19日

貧困と闘う「街の法律家」札幌司法書士会

打ち破れ格差貧困(5)

北海道民医連新聞2007年8月9日号より。3.06MB(06:41)


ホームレス支援炊き出し・法律相談会  多重債務解決に力

 ホームレス支援活動に取り組んでいる司法書士会があります。個人で支援活動をする司法書士は少なくありませんが、組織として取り組んでいる司法書士会は、全国的にもあまり例がありません。 
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2007年07月23日

地域から高校が消える「募集停止」に揺れる浜益

打ち破れ格差貧困(4)
北海道民医連新聞2007年7月12日号より。4.02MB(08:47)

進学断念する家庭も。自治の再生にこそ未来。

 「浜益高校がなくなる」 道教委が6月に発表した「公立高校配置計画案」に地域が揺れています。
 札幌まで約80キロ、路線バスは1日1往復だけ。かつて「陸の孤島」と言われ、外部との交通は船が頼りの時代もありました。

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2007年07月19日

退職後も仕事に就けず、路上生活した元タクシー運転手

相談室からの告発

勤医協新聞2007年7月11日号より。1.43MB(03:07)


国民生活と健康を破壊する安倍内閣の「美しい国」づくりに厳しい審判を!

苫小牧病院では最近、40歳以下の働き盛りの方の医療費相談が増えてきています。不況で「仕事が見つからない]方や非正規雇用の方がほとんどでした。今年に入り無保険で受診したAさん(30代、男性)の事例を紹介します。続きを読む
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2007年06月18日

“年金依存型”自営業者 年金では暮らせない

打ち破れ格差貧困(3)
北海道民医連新聞2007年6月14日号より。3.14MB(06:51)

引退できない高齢業者
 「年金依存型」自営業者=年金だけでは生活できず、引退できない業者が増えています。北海道商工団体連合会(北商連)事務局の和田香織さん、札幌北部民主商工会の野沢英勝副会長に聞きました。
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2007年06月14日

任意継続の傷病手当廃止で不安を抱える労働者

相談室からの告発

勤医協新聞2007年6月11日号より。1.58MB(03:27)

必死に求人を探す頚髄症のAさん 「資格があっても仕事がない」

 札幌近郊のある市に住むAさん(30歳代・男性)は、5年前に頚髄症のために入院してリハビリ治療を行っていましたが、今年に入り症状が再発して通院治療を行っています。
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2007年06月09日

最低賃金・ワーキングプア 働いても報われない

時給1000円は国民的な合意
打ち破れ格差貧困(2)タイトル

北海道民医連新聞2007年5月31日号より。2.93MB(06:24)

先進国で最も低い日本の最低賃金

 まじめに働いても生活保護水準の収入さえ得られない ワーキングプア(働く貧困層)が広がっています。北海道、春闘、共闘委員会と道労連は25日、先進国で最低水準となっている「最低賃金」をせめて1000円に引き上げることを求め、終日、街頭宣伝や職場訪問などの「最低賃金デー」行動を繰り広げました。

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2007年05月31日

生活保護・母子加算の廃止が母子家庭を痛撃

格差貧困
安倍・自公政権のもとで格差と貧困に喘ぐ人々の実態をシリーズで紹介します。

北海道民医連新聞2007年5月17日号より。2.8MB(06:07)


 生活保護基準引き下げ、各種加算の削減・廃止が、人々のつつましい希望さえ奪っています。

■夫の暴力

 佐賀光江さん(40)は、中学2年の長男、小学6年の二男、同4年の長女の4人家族。8年前に離婚し、埼玉県から実家のある小樽に戻って生活保護を受け始めました。続きを読む
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2007年05月29日

所得制限導入で適用から除外された重度心身障害者

相談室からの告発

勤医協2007年5月15日号より。1.88MB(04:06)


改悪で入院費5万円増となったAさん「なんとかならないものか」

2004年10月、「改革には痛みをともなう」と小泉・自公政府によって重度障害者医療に所得による一部負担制度が導入されました。障害者の生きる権利をも蝕む「所得制限導入」によって入院費用が5万円もの負担増となった事例です。

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