2007年11月14日

オーティスあゆみアメリカ通信 乳がん撲滅キャンペーン

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年11月8日号より。1.38MB(03:01)


 ここのところカリフォルニア州では乳がん撲滅キャンペーンを行っています。ピンクのリボンがその目印で、車につけたりお店についていたりと、あちこちでピンクのリボンを見かけます。もちろん募金運動も行っていて、買い物に行くと「今キャンペーン中ですが、募金はいかがですか?」ときかれます。行く店行く店で聞かれるので必然的に断る回数も増えるのですが、なんだか断ってばかりでいやな感じがするな・・・と思うこともあります。

 アメリカでは女性がかかるがんの約3分の1は乳がんです。毎年41000人の乳がん患者が発生しているといわれ、その80%は50歳以上の女性といわれています。さらに白人女性はアジア人や黒人女性よりも罹患率が高いといわれています。40歳以上の女性は1年に1回無料でマンモグラムを受けるように設定されています。私も先日婦人科検診に行ってきました。20ドル払って子宮がん検診と乳がん検診、もちろん40歳以上なのでマンモグラムもセットでした。今回はキャンペーン中だったこともありマンモグラムに無料コーヒーチケットがついてきましたよ! 

 マンモグラムでは撮影が終わったあと「あゆみー、ちょっと中にきてくれる?」なんていわれ、一気に心拍数が上がり、頭の中は抗がん剤治療をしている自分の姿がよぎったんですが、機械の調子が悪いのでもう1回撮らせて・・・ということでした。あせった!

 いろいろキャンペーンをして乳がんの早期発見に力を入れていますが、「保険がないのでかかれない」という、圧倒的な数字を占める無保険者への対応は、まだまだ遅れているアメリカです。そして肝心の保険は「早期発見」という視点に立ってはいないので、「診断されないと保険の適応にはならない」ということが山ほどあり、キャンペーンと現実のギャップがとても目立ちます。これは乳がんに限らずすべての疾患に言えることなのですが。

 ところで不思議なことですが、私が加入している保険の病院は、異常がなければ子宮がん検診は3年に1回でよいといいます。子宮がん検診の細胞診は1年に1回するものと思っていたので疑問でした。今回の検診でも「今回は乳がん検診だけ」といわれました。「来年、忘れずに検診に来てねー」と明るくいわれましたが、来年、なんかあったらえらいことですよねー。

2007年11月12日

オーティスあゆみアメリカ通信 ハロウィーンのキャンディー

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年10月25日号より。1.32MB(02:53)


 紅葉がきれいな季節になって来ましたね。北海道はいろいろと楽しめる季節ですね。

 ここサンタローザで秋を楽しむ? といっても、サンマを焼いて食べるわけでもなく。紅葉と言っても車の移動中にいつも見かけるものだし・・・などと思ってしまいますが、やっぱりアメリカの秋はこれ! ハロウィーンしかないんですよね。

 毎年10月の最後の日はハロウィーンです。早いところだと10月にはいると早々にデコレーションが始まります。一番はやはりクリスマスですが、ハロウィーンのデコレーションもなかなか凝っています。基本はオレンジと黒。私もこの日はオレンジと黒の服を重ね着して、一応ハロウィーンらしくします。

 老人ホームも季節感を出すように、ハロウィーンの飾り付けをしています。廊下のあちらこちらに、かぼちゃの置き物や、お化けの置き物を飾っています。夜のシフトで働く私には、ちょっと迷惑な話なんですがね・・・。

 子どもたちは学校で仮装パレードがあるので、毎年コスチュームを買ってきていました。でも昨年ぐらいから「何も着たくない」と言い出して、2人とも素のままで登校しました。海ぐらいの年齢になると、さすがに仮装する人としない人の比率は半々でしょうか。陸の年、小学生では大半が仮装するので、仮装していない方がかえって目立つというものです。その年その年で流行のキャラがあるようですが、一般的に多いのは、スパイダーマン、バットマン、消防士、警察、スケルトン(骸骨)などでしょうか。女の子は男の子より数倍楽しめるようです。うらやましいです。

 子どもにはうれしいハロウィーンも、大人にはフトコロ厳しいハロウィーンです。キャンディーを大量に買って用意をしないといけないのです。

 そこで私はキャンディーのリサイクルを考えました。子どもたちがもらってきた大量のキャンディーから好きなのだけとらせて、あとは家に来た子どもたちにあげてしまうんです。

 超貧乏くさいですが、こっちにはなんだか色とかがすごくて、「絶対口に入れたくない!」と思う代物が結構あるんですよ。それを家のバスケットに入れておくと、他の子どもたちが喜んでもって行きます。素晴らしいアイデアではないでしょうか・・・?

2007年11月01日

オーティスあゆみアメリカ通信 大統領選挙の話題

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年10月11日号より。1.42MB(03:06)


 いよいよ来年はアメリカ大統領選が行われます。

 共和党のブッシュ大統領で国民は大変苦労して来ました。余計な戦争、オイルの高騰、所得格差の広がりなどなど。

 来年の大統領選に多くの国民の期待がかかっています。今回は民主党のバラック・オバマ氏とヒラリー・クリントン氏の対立が最大の話題です。初の黒人大統領か、初の女性大統領か。多くの国民は、どちらであってもブッシュ大統領よりは国民を支えてくれるはずだと考えています。ただ、保守色の強い内陸では、いまだに黒人も女性も大統領としては受け入れられない州があります。その州民が誰を選ぶのかも大きな話題となっています。

 さて、私はもちろん選挙権はありませんが、老人ホームでこの話題になると、誰を支援するのか聞いてみたりしています。

 「全然気にしてない人」の方が多いような気もしますが、ちゃんと情勢を見ようとしている人は「オバマ」と言っていますね。私個人はオバマ氏とクリントン氏とでは、うーん、悩むところだなー、というのが正直なところ。クリントン氏は夫のビル・クリントン氏が大統領だったときに、初めて国民皆保険制度を導入しようとしました。今回もそのことに触れています。

 そしてオバマ氏は、「私が大統領になったら、最低賃金を、生活できる賃金に引き上げて見せる」と訴えています。この言葉には感動しました。

 最低賃金は生活できる賃金とは違うんです。まさしくそこです。格差のない生活の保障は、全国民が生活できる賃金をもらうことから始まるのではないですか。

 クリントン氏は今回ブッシュ大統領が行ってきた戦争を「彼が責任者であり、彼が戦争を始め、彼が処理を誤り、彼がエスカレートさせた。そして彼が戦争を止めるのを拒否している」と、ブッシュ政権を批判。自分のもつ豊富な経験を生かし、女性初の大統領を目指しています。

 一方、オバマ氏は白人の母親と黒人の父親を持ち、46歳の若さでアメリカンドリームを体現。イラク戦争に終始反対してきた自身の一貫性をアピールし、黒人初の大統領を目指しています。

 今までにない大統領選の加熱ぶりで、私はかなりわくわくして様子を見ています。

オーティスあゆみアメリカ通信 薬係テスト合格の巻

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年9月27日号より。1.52MB(03:20)


 数力月前から老人ホームの薬係もしています。バケーションに入る人のカバーが理由でしたが、相当きっつい仕事でした。

 ベースは薬の配薬、投薬、翌日の準備です。頭が真っ白になるのは薬が変更になったとき、新しい薬が処方されたとき、入所者が薬を希望したときです。薬を希望されたら担当医の指示をもらわなければなりません。薬が変更になったら薬局に連絡し、変更の指示、処方などを依頼しなければなりません。薬係は1シフトに1人しかいないので 「スペルがわからん!」なんて悩んでいる暇もなく、あれよこれよという間に時間は過ぎていきます。

 ここでは医者の指示がないものは「絶対」に投薬できません。風邪薬、鎮痛剤にいたるまで徹底しています。医者の指示なしでの投薬は違法なのです。痛くて苦しんでいても、咳で苦しんでいても、医者の指示がない限り何もできません。あくまで介助なので直接口に人れることも禁止です。インシュリン注射の人の手が震え、弱視でできそうになくても、その人が自分の手で自分の皮膚をつかむように援助し、薬液の注入も自分でできるように介助することしかできません。これが結構大変だったりするんです。自分でやった方がよっぽど楽なんですけどね。

 薬係は1年に最低8時間のトレーニングを受けるという州の決まりがあります。早速そのトレーニングを受けましたが、知らないでやっていたことがかなりあって驚きました。最後にテスト。90%以上じゃないと不合格ですって。まじですか。50問で2問しか間違っちゃいけないんですよ。1問目から冷や汗と動悸。問題の意味がわからん!まずい。50問中10問は英語の意味がよくわからない。こうなったら山勘?目の前で採点され、シャッシャッって、いっぱい線引かれてるし!不合格と諦める前に「異議あり!私には英語のハンディがあるんです!」と訴えてみると、さすがアメリカ。「そうよねー」と特別に口でいろいろ説明。間違ったいいわけとか、とにかくしやべりまくったら「じゃあ頭では理解できてるみたいだから合格ね!でも、本当はよくわからないのに知った振りしちやだめよー」。あら、ばれてました?というわけで無事、薬係のテストにも合格し、日々悪戦苦闘しながら薬係の仕事をこなしている私です。

2007年10月16日

オーティスあゆみ アメリカ通信 こちらの最近

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年9月13日号より。1.33MB(02:55)


 北海道からこちらに戻ってきてからというもの、毎日暑さとの戦いです。

 連日30度以上の日々が続いていますが、日本も毎日暑さが続いて熱中症の被害者が続出という記事を目にし、どちらも同じか・・・と思っているこの頃です。

 話はすこし違いますが最近こちらで話題になったのは、日系人の親が子どもを保育園におろすのを忘れて車に置き去りにしたまま仕事に出かけ、保育園からの連絡を受けてあわてて車を見に行ったらすでに心肺停止だったというニュースがありました。この炎天下、日本でも園児を乗せた車のなかで、ひとり置き去りにされた園児が死亡する事件がありましたよね。誰もが思うことは「どうして忘れる?」じゃないかと思うのですが。

 ちょうどこっちに戻った翌週に、レッドクロス(赤十字)が無料でCPR(心肺蘇生法)のクラスを開催していました。救急蘇生を多くの人に教えて一人でも多くの人が救われるなら・・・という思いを込めた無料クラスです。

 目標を500人に掲げ多くの人に広めていました。もちろん私も無料とあっては受けない理由がありません。普通に受けると5千円から8千円ほど取られます。私は3年前にクラスをとっていたんですが2年ごとに更新という決まりを無視したために資格証明を失っていました。なのでとてもタイムリーでラッキーだったんです。

 クラスはビデオを見て 実技レッスンがあって、最後にテストを受けるという流れで、大体4時間ほど。13歳以上の子どもも受講が可能なので来年はぜひとも海を連れて行こうと思っています。

 面白かったのは心臓マッサージと人工呼吸の割合です。レッドクロスの人は「どういうわけかわからないけれど、この数字の割合が変化するんです」といっていました。たとえば、前は心臓マッサージ15回で人工呼吸1回の割合だったんです。日本でもそう習った気がしますが。さまざまな状況の変化?で今は心臓マッサージ30回に人工呼吸が2回になりました。これを5サイクル2分をめどに行います。「とにかくトリプルCですよ!」と力説していました。トリプルCとはcheck、call、care。日本語にしなくてもわかりますね。こういうクラスを受けるのはとても楽しいものです。

2007年09月13日

オーティスあゆみアメリカ通信 里帰り後記

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年8月23日号より。1.38MB(03:01)


 今年も約5週間ほど日本に帰っていました。8月1目に泣く泣く、しぶしぶ、こちらに戻ってきました。

 今回子どもたちはスケートボードにはまっていたので、スケボー持参で帰り、実家苫小牧でも時々スケボーバークに出没していました。札幌に遊びに行ったときもスケボー持参で、アメリカの感覚で普通にスケボーで舗道を進んでいたので、人々の振り返ること振り返ること。よく考えたら日本じゃあまりない光景だったかもしれません。

 楽しいことはたくさんありましたが、毎年欠かせない温泉とプールに加え、今年は友人だちとニセコのロッジに泊まってラフティングを体験しました。食事は涙ものでしたが、あとはとても楽しかったです。北海道はいいなーなんて思ってしまう一コマでした。

 今回痛感したのは子どもたちが大きくなって、とても頼りになるということ。男の子2人で、荷物の持ち運びなども2人でやってくれたので、私は大変楽をさせてもらいました。13歳になった海はとうとうじーちゃんのの背を越してしまい、どんどん大人になっていきます。大人のほうが取り残されていく感じがします。

 日本に行くと漫画がたくさんありますよね。アメリカで漫画を読んでる子どもは、あまり身近で見たことないんですが、日本は漫画はどこにでもあります。大人も読んでいます。当然私も実家でごろごろ漫画を読んでいます。子どもたちが自分たちも読みたいといいはじめ、でも日本語が読めないので札幌に行ったときに紀伊国屋書店に行きました。英訳された漫画が結構あって驚きました。そして1冊1050円という金額でも驚かされましたね。子どもたちはもう読む気満々だったので、いまさら買わないとは言えず、陸には名探偵コナン、ハウルの動く城、ナルトを買い、海にはデスノートを買いました。2人ともどこに行くときも持ち歩いて読みふけっていました。もちろん全巻そろえて買う余裕がなかったので中途半端に買ってきましたが、こちらに戻ってインターネットで調べたところ、1冊600円ほどで売っていました!

 今年もおいしいものをたくさん食べてきました。子どもたちも「ほっけ」「あじ」を堪能しました。陸はおととし骨を喉に刺しているので秋刀魚は食べませんが。皆さんいろいろお世話になりました。また来年、お世話になりにいきます。

2007年08月18日

オーティス歩みアメリカ通信 成長を止められた少女

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年8月9日号より。1.44MB(03:09)


 今こちらで賛否両論の意見が交わされている出来事があります。生まれながらに身体障害児であった9歳の女の子、アッシュリ。アッシュリの両親は、大好きなアッシュリをいつでも一緒につれて歩けるようにと、成長発達をとめる決断をしました。

 2004年、彼女の両親は彼女がこれ以上大きくならないように、成長を止めてもらうことを医師に依頼。その後子宮と乳腺の一部を切除、摘出し、ホルモン療法を開始しました。両親がアッシュリのことをブログに紹介したことがきっかけで、あちらこちらで討論が交わされています。

 ある医師は、介護する家族の身体的負担を考えると介護される側の体が小さいに越したことはないとブログで意見を述べています。

 アッシュリは生まれながらに脳に障害があり、さまざまな医療機関を訪れて治療を依頼しましたがその方法はなく、自分で頭を上げることも、体の向きを変えることも、歩くことも、話すことも出来ません。アッシュリが6歳半のとき思春期に起こる発達、たとえば陰毛が生え始める、乳房が膨らみ始める、などの兆しが現れ、このまま身体的に成長してゆくと、彼女を連れてあちこちに旅行をするなどということが出来なくなると、彼女の両親が何とか成長を止められないかと考え始めました。その後シアトルの小児科、内分泌医と相談しホルモン治療を決意します。ブログの中でこの医師は「今まで試みたことのないこと。この治療がアッシュリにとって最良のことなのか、この年代の女の子は成長していくのが人間として当然のことなのに、彼女のライフはこれでいいのかという思いもある。さらにこの方法がほかの身体障害者に適応するのかどうかもわからない」とコメント。しかしある医療雑誌編集者は「両親の便利さだけのため以外の何ものでもない。人権侵害以外にコメントの仕様がない」と述べてもいる。

 私もこのニュースを聞いてとても驚いた。親のエゴ以外に何があるのか。自分の子供に置き換えて考えても、発達を止める手術やホルモン療法をしようとは思えない。けれども、アッシュリの両親のブログには、この治療はアッシュリにとっての「クオリティ・オブ・ライフ」と自信を持った意見と、それを読んで共感した人々からの励ましメールがたくさん届いているのも事実である。

※「growth-attenuation treatment」で検索すると関連する情報がたくさんヒットします。

オーティスあゆみアメリカ通信 日本から持ち込まれた麻疹

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年7月26日号より。1.04MB(02:16)

 この春、日本で麻疹感染が話題になっていましたよね。オレゴン州に住む21歳の男性が日本に旅行中にはしかに感染し、帰国後に発症したことで、同市内に2次感染が発症する騒ぎが起こりました。少なくても4人が感染、伝染を防ぐため、感染者4人は21日間、自宅で隔離されていると米メディアが伝えています。

 日本ではしかに感染した男性は6月22日に帰国、26日に熱と湿疹で不調になり、同市内の救急外来で診断を受けた結果、はしかに感染していることが判明しました。この男性が診察を受けたときに、同センターには約100人の患者や医師、看護師がいました。そのうち予防注射を受けていなかった3人には自宅で3週間の隔離指示が出ました。

 この感染した男性と22日に会って感染した別の男性は、28日に発症。病院の指示を無視して外出し、コンサート、バーレストランに出かけたことが判明しました。この男性から伝染している恐れも出ています。

 米国人の95%にははしかの免疫があると発表されています。ただ移民が多いため、きちんと予防接種などを受けてアメリカに来ているかどうかは疑問。特にメキシコからの移民者はいまだに結核への感染率も高く、子どものころにきちんとした予防接種を受けられる状況でないことも多いため、感染する病気がはやると、移民の多いカリフオルニアでは予防接種の重大性が話題になります。

 初めて聞いたのですが、日本は以前から「麻疹輸出国」と海外から問題視されていたそうです。今回の流行を機にさらに厳しい対策が求められています。

2007年08月03日

オーティス一家 道民医連来訪 がんばって「通信」続けます

オーティス一家が道民医連来訪

 「アメリカ通信」でおなじみのオーティスあゆみさんが7月13日午後、海君(12)、陸君(10)の2人の子息と北海道民医連事務局を訪れ、佐藤誠一事務局長らと懇談しました。年に一度の里帰りにあわせた訪問でした。

 北海道勤医協の看護師だったオーティスさんは米国人教師の男性と結婚し、渡米して約10年になります。サンフランシスコ近郊のサンタローザに居住し、アシスタントナースの資格をとって老人ホームに勤務する傍ら、知り合いの日系人の在宅介護もしています。

 懇談では、老人ホーム入居者の日常生活や費用、スタッフ構成、勤務の実態、老人ホームとナーシングホームの違い、貧困高齢者の介護の実際などについて話し合いました。

 「米国の医療・福祉はお金がすべて。それを日本がどんどん真似しているのが恐い」とオーティスさん。「米国のこんなことが知りたいという質問を寄せてもらえれば、がんばって通信を続けたい」と話していました。

(北海道民医連新聞2007年7月26日号より)

妙技を披露する陸くん

オーティスあゆみアメリカ通信 米ガソリンが最高値更新

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年7月12日号より。1.27MB(02:47)


 米エネルギー省が6月14日発表した最新の全米ガソリン平均小売価格は、1ガロン(約3.8リットル)あたり3.103ドルとなり、2005年9月の最高値を更新しました。わかりやすく言うとガソリンー1リッター、約102円くらいでしようか。私がここに来た当時は1リッター85円くらいだったんですが。

 トラブルや保守管理を理由とした石油精製施設の稼動休止が相次ぎ、ガソリン供給が不足しているのが主な原因だそうです。車社会での必需品の価格上昇は、米景気を支えてきた個人消費に悪影響を及ぼす可能性があると懸念されています。

 ガソリン高へ有効策を打ち出せないブッシュ政権や利益水準の高い石油業界に対し、消費者は不満を高めています。

 ブッシュ大統領は同日、自動車の燃費規制強化を指示しましたが、価格への即効性は期待できないとされています。更に、自動車から排出される温室効果ガスの削減を強化する施策を任期終盤の2008年末までにまとめるよう、環境保護局とエネルギー省、運輸省に指示する大統領命令に署名をし、環境保護にも触れましたが、方々から対応が遅すぎると批判の声が上がっています。

 ガソリン値上げは消費者に直接の打撃です。今年の年末には更なる値上がりが予想されており、通勤、学校への送り迎えなど、すべてに車が必要なアメリカ国民の懐はどんどん寂しくなると予想されています。

 ところで、このガソリンの値上がりにより、飛行機代にも大きな変化が起こっています。航空運賃のほかに燃料費というのが取られるようになりました。今年も里帰りのためにチケットを買ったのですが、燃料費だけで約3万6000円。チケットとあわせると12万円ほどです(1人分)。

 私はJALのマイレージがたまって無料航空券と交換したのですが、無料ですけど燃料費だけはいただきますってことで、3万6000円払っています。「無料じゃないやんけ!!」心の叫びでした。

オーティスあゆみアメリカ通信 おばーちゃんの入院その2

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年6月28日号より。1.44MB(03:09)


 前回の続きです。

 退院するおばーちゃんのために電動ベッドを購入することにしました。ペットは医師がサインすれば保険がカバーしてくれます。

 ところが保険会社が、退院を確かめてからでないとベッドを持ってこられないといい始めました。ベッドが家になければ帰れないのに、これまた変な話ですよね。家族も怒って「保険の意味がないじゃないか」と病院に訴えたりもしました。結局ナースが医師のサインをもらって保険会社に連絡を取り、退院の前日に持ってきてくれたので、家族はベッドを準備しておばーちゃんの退院を待つことが出来ました。

 退院が決まると退院をコーディネートする専門ナースが病室を訪れ、家族と時間や退院方法などを打ち合わせます。受診日、訪問看護の手続き、理学療法士の訪問などの手続きも退院コーディネーターのナースが行っていました。

 退院当初は痛みもあって家族での移動はなかなか大変でしたが、日々痛みが軽減してくるとすべてがスムーズに行くようになっています。私は朝9時から12時半までの勤務ですが、まだ一人で移動するには大変なので11時に来るおばーちゃんの娘とトイレ介助、車椅子への移動をします。そのあとご飯を食べて、昼過ぎにもう1人の娘が交替で来るので、残った娘2人がおばーちゃんのトイレ介助をし、夜になると3人目の娘が仕事から戻るので順番に娘たちが2人ペアになるようにスケジュールが出来ています。3人の娘が身近にいるおばーちゃんは本当に幸せものです。

 余談ですが、アメリカの病院の病室にはアラームが2種類あります。一つは普通に患者さんが使うナースコール。もう一つはTVドラマ「ER」など見たらわかりますが、ブルーコードといって医療従事者が緊急用に使うもの。心停止、呼吸停止、救急蘇生が必要なときに押すコードです。入院して2日目、おばーちゃんをポータブルトイレに移動したナースは、「終わったらナースコールで知らせて」と家族に説明して退室しました。娘は知らずにブルーコードを押してしまったんですね。大音量のアラームが鳴って、院内放送で「ブルーコード、ルーム104!」と聞こえた瞬間、ERの医師、ナース、救急カートがあっという間に駆けつけ、「あれ、どうしてトイレに座ってるんだ?」という騒ぎがあったそうです。

2007年06月21日

オーティスあゆみアメリカ通信 おばーちゃんの入院

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年6月14日号より。1.54MB(03:22)


 先日、毎朝世話をしている103歳のおばーちやんが入院しました。週末に自宅で転倒して骨盤骨折。経過観察のため数日の入院となり、私は通訳とお世話をかねて3日間、病院へ通いました。この間おばーちやんを診察したのはERの医師。入院後4日目に初めて主治医が来て退院の判断を下しました。

 右足は骨折の痛みで体重をかけられないため、ベッドからトイレヘ移動するときには2人の介護が必要と思われました。PTも何度か来て移動の仕方を家族に説明。昼間は私がいるので助けになりますが、夜間はどうするか、など家族間で話し合いました。日本だと一度転院し、リハビリ訓練をしてから自宅へ戻るという形が通常ですが、ここはアメリカ。転院するとお金がかかり、保険もどこまでカバーするかを調べたりするのも面倒だと、自宅へ。いったいどんな保険なんでしょう。結局家族が交代で面倒を見るということで4日目に退院になりました。実は入院した翌日から退院を勧められていたそうです。けれど家族の準備が出来ていないということで4日間入院できました。103歳の骨折で、歩けていないのに翌日に帰れなんて、本当に信じられないことです。

 さて、前にも触れたことがありますがアメリカの看護体制は日本とは違っています。正看護婦の下にLVNというライセンスナースがいて、その下にアシスタントナースがいます。下の世話はアシスタントナースの仕事です。正看護婦は注射、投薬、医師との連携をメインに患者をトータルにチェックします。

 入院中おばーちゃんが失禁してシーツ交換をしなくてはいけないことがありました。アシスタントナースがいなかったので正看護婦に依頼したのですが、なんとも手付きが怪しく、交換している先から新しいシーツを汚し、つい私が手を出して交換してしまいました。正看護婦は下の世話に全然慣れていないんですよ。役割が明確に分かれているので、同じ看護婦なのにこういうことが起こるんですよね。

 正看護婦の資格を取るのはこちらでは大変なこと。なので給料もかなり良いです。時給にすると3000円以上。片やアシスタントナースは2ヵ月の講習で資格が取れます。一番患者と身近で向き合う位置にいますが、給料は時給1200円ほど。頭脳酷使で高給取りか、肉体労働で安月給。こんな感じでしょうか。

オーティスあゆみアメリカ通信 バージニア工科大銃乱射事件

オーティスあゆみアメリカ通信 タイトル画像
北海道民医連新聞2007531日号より。1.5MB(03:16)

 32人が犠牲になったバージニアエ科大学の銃乱射事件(4月16日)。犯行後に自殺したチョ・スンヒ容疑者(23)は犯行直前、テレビ局に周囲への憎悪を語るビデオ映像や、2丁の銃を構える自らの写真を送るという異様な行動に出ていた。2005年末に女子学生へのストーカー行為で警察に通報されていたことも判明。米史上最悪の銃撃事件の背景には行動が問題視されている人物でも簡単に銃を購入できる「銃社会」の現状が影を落とす。

 学生寮と教室で使われたのはグロッグ社製の拳銃。今年3月13日、大学から約50キロ東の町の銃砲店で購入したものだ。チョ容疑者が店で提示したのは、永住権を示すグリーンカードとバージニア州の運転免許証のみ。店主が犯罪歴などを照会したが、司法当局からの回答は「問題なし」。ストーカー被害者の女子学生2人が告訴しなかったため、犯罪歴は無しとなっていた。

 バージニア州の裁判官は同年12月、同容疑者に対し 「精神疾患を患っており危険。入院の必要がある」との判断を下していたにもかかわらず、甘いチェック体制が裏目に出た。同容疑者は実弾50発とあわせた代金751ドル(約6万7千円)をクレジットカードで支払っていた。

 チョ容疑者は2月9日にも大学近くの質店で銃を人手している。これが教室でも犯罪に使われたもう1丁の銃と見られる。

 銃規制団体は「バットやナイフで今回のような事件は起こせない。簡単に銃を購入できることが問題」と警鐘を鳴らした。

 ここまでが事件について書かれた記事です。1999年にコロラド州のコロンバイン高校で銃乱射事件があったときも史上最悪と書き綴られ、マイケル・ムーア監督が映画にしたことでも有名です。今回の事件後、議会は「精神疾患歴がある人物の銃購入を厳格に規制する法の成立を目指す」ことを話し合ったそうです。事件のたびに討論はされるものの、かつて何か規制が出来たことはあったのでしょうか。精神疾患の有無にかかわらず、一般市民、ティーンエイジャーまでもが簡単に銃を手に出来るという異常な現状を阻止しない限り、銃による事件はなくなるはずがないのです。

 ハンティング、あるいは護衛用といって、普通の一般家庭に銃があるアメリカ。日本がそうならないことを祈っています。

2007年05月21日

オーティスあゆみアメリカ通信 Engrish ?

オーティス・あゆみ アメリカ通信
北海道民医連新聞2007年4月26日号より。1.64MB(03:35)


 こちらの新聞に、日本に遊びにいったアメリカ人が発見した数々の間違い英語のことが載っていました。とっても面白かったんで紹介しますね。
 タイトルにENGRISHと書いたので、気がついた人もいると思います。正しいスペルは〈ENGLISH〉。RとLの区別ができない日本人を皮肉った見出しです。

 確かにうなずけます。Vの音が日本語にはないのでこの音もBに発音されています。記事にはこう書かれています。

 日本では英才教育など教育にとても力が注がれていて、英語も中学高校と義務教育で6年も勉強しています。だからといって英語が話せる…ということではないようです。発音の違いも学校制度での教育では習うことがないようで、紙面上での英語はとても理解されているだろうに、会話を出来る人がいないのは悲しいところです。そして日本を訪れた英語間の人々を驚愕させる数々の看板、商品名などなど。

 「横文字を使えばいいってもんじやねーぞ」といいたくなるくらい、横文字がはんらんしているのに、どうして間違いに気がつかないのか:・恥ずかしくもなります。

 たとえばホテルのドアなどに書かれている「オートロック」。正しいスペルは 「AUTO LOCK」です。けれどよく見かけるのは「AUTO Rock」自動的にロックンロールでしようか? 森永チョコレートのブランドで「asse」。英語で「ASS」といえばお尻の穴。有名なところではカルピス。カルピスでこちらの人が思い浮かべるのは「COW PISS」で、牛のおしっこ。レストランの名前に「PUMPKINPOO」。パンプキンはいいとしても、そのあとのPOOは、もちろん「うんち」のことです。こうして日本を訪れる外国人を驚愕させる日本であります---と、新聞に載っていました。

 しかーし、私は前にも書いたように、間違った日本語の刺青(いれずみ)をしている入をたくさん見ています。お互い様じやないでしょうか?といいたいところです。最近、近所に住む19歳の女の子が「うた」を漢字でどう書くのか間いてきました。とにかく歌が好きで、漢字でどう書くのか知りたいと。「歌」と教えたら、次の日その漢字の刺青を首の後ろに入れていました。う…。

2007年04月19日

オーティスあゆみアメリカ通信 医療では苦労する米国

オーティス・あゆみ アメリカ通信
北海道民医連新聞2007年4月12号より。1.52MB(03:13)


 ご近所に日本人の女性が引っ越してきました。4ケ月ほど前から住んでいたらしいのですが、お互いに面識が無かったということなんですけど…。日本から越してきたそうです。ご主人はアメリカ人です。

 こちらに来てすぐ乳房のしこりに気がついて受診したところ多発性の乳がんと診断され、あっという間に両方の乳房を切除され、シリコンが人った胸で生活しています。

 来てまもなくの出来事でかなり心細かったようです。体調が落ち着くのを待って抗がん剤の治療を始めるそうです。ところが、こちらで加入した保険会社に治療費の支払いを拒否されました。「保険に加入する前から乳がんだとわかっていたはずだ。加入前からわかっていた病気には保険金は払わない」というのです。両方の乳房を切除して不安と絶望の中、保険金も出さないといわれ、抗がん剤の治療も始められない状態で「これ以上私にどうしろというのか」という心境だったそうです。当たり前ですよね。日本で治療を受けることも考えたそうですが、夫が日本で事故にあったときの病院の対応がひどいものだった…という、ちょっと中途半端な理由で却下され、途方にくれていました。 

 さて、アメリカにはたくさんの日本人がいて、いろいろなコミュニティーを作って助け合っています。そこヘ一人が不運な彼女のことを紹介したところ、さまざまな情報が寄せられてきました。驚いたのはみんないろいろなところで、驚くような経験をしているということです。同じように保険会社から支払い拒否された経験者が、「日本で最後にかかった医療機関に連絡を取って、乳がんは発見されていなかったという証明をしてもらう」と言えば、「議員を活用すべき。期限を過ぎても車の免許証が届かないので地方議員に手紙を書いたら、あっという間に届いた」などなど。

 彼女と夫は日本で最後にかかった医者に乳がんという診断はされていなかったことを証明してもらい、とにかく連日連夜保険会社と戦った結果、やっと治療費を負担すると言ってきたそうです。手術から3ケ月たっていました。その間どれだけ不安だったかと思うと抗がん剤治療が受けられる喜びもひとしおです。

 医療技術の発展と保険の適応力がかみ合っていないアメリカ。医療面では本当に苦労します。

2007年04月17日

オーティスあゆみアメリカ通信 カリフォルニア、寒波に泣く

オーティス・あゆみ アメリカ通信
北海道民医連新聞2007年3月15日号より。1.53MB(03:14)


 アル・ゴアの「不都合な真実」、ご覧になりましたか? 衝撃的でしたね。この冬、日本は記録的な暖冬だったようですが、地球環境をこれ以上壊さないために何ができるか、真剣に考えなければなりませんね。

 私が住む米カリフォルニア州は、1月中旬に数日間続いた寒波で、オレンジ、アボカドなどの農作物が深刻な被害を受けています。特に柑橘系果物は7割が霜被害を受け、全体では1998年の寒波被害を超える規模の損害が出ると見られています。
 米CNNによると、被害額は約4億8千万ドル(約580億円)と推定されています。同州は全米で販売されるネーブルオレンジの約95%、レモンの約98%を生産していて、日本などの海外への輸出も多くあります。寒波が来る前に収穫を終えていたネーブルオレンジは全体の約30%。アボカドはまだ5%しか収穫を終えていないとカリフォルニア州アボカド委員会(そのような委員会があるのを知って驚きました!)のスタッフは話しています。 
 カリフォルニア州食品農業局は被害地域を視察し、7億ドルの被害が出た1998年の寒波被害を越える恐れがあると述べています。ある地域では凍結注意が出されネーブルオレンジ1箱の値段が、通常8〜12ドルから29ドルに跳ね上ったところもあります。ここでいう1箱は約40ポンド(約20キログラム)です。
 ここで大変なのはこの果物やアボカドの収穫にあわせて、季節労働をする多くのメキシコ人労働者です。例年より仕事がなくなり、農園の持ち主同様、収入が減り、自分たちの生活をどうするのか…という危機に遭遇しています。

 さて、農場を持っていない私の被害といえば車でしょうか。朝の出勤、夜の帰り道、車にアイスがついているんですが、何せふだんは温暖な土地柄、「がりがり」ってアイスをよけるものがないんですよね。つめ、タオル、で頑張ってはみたんですが相当に寒かったです。エンジンのかかりもなんだかいまいち調子が悪くなって、車を修理屋にもっていくはめに。思いがけず不備を指摘され、ブレーキパッドや、バッテリーなど交換され、被害総額6万円でした。これは寒波に関係がある! と私はにらんでいます。

2007年03月24日

オーティスあゆみアメリカ通信 ワシントンで反戦集会

オーティス・あゆみ アメリカ通信
北海道民医連新聞2007年3月1日より。1.4MB(03:03)

 次のような記事が新聞に載っていました。
 イラク戦争に反対し、米軍の増派阻止を目指す大規模な反戦集会が1月27日、米国の首都ワシントンの連邦議会議事堂周辺で開かれ、参加見込まれた数十万人には及ばなかったものの、「イラク戦争開戦後、米国内で行われた反戦集会のうち最も規模の大きいものの一つ」になった。
 集会には、ベトナム反戦運動の「闘士」として知られた女優のジェーン・フォンダさんも参加。「反戦集会に出るのは34年ぶりで、いまだに戦争反対の声を上げなければいけないのはとても悲しい」と述べ、ベトナム戦争の教訓を何も学んでいないとブッシュ政権を批判。「米国にもまだ希望があることを世界の人たちにわからせる」活動をともに続けようと呼びかけると、大きな拍手がわいた。
 イラクヘの派遣命令を「戦争犯罪に加担することになる」と拒否した日系3世、アーレン・ワタダ中尉の父、ボブ・ワタダさんは大歓声を受けて登壇。「息子は愛国心の強い兵だが、政治犯にされてしまった。もう充分だ」と語った。 
 集会にはイラクで戦死した米兵の家族や、退役した元米兵も参加。「戦争だけで問題を解決することはできない」と、対話推進を求めた。
 デモ終了後、ホワイトハウスは「米国民がイラク戦争終結を望んでいることを大統領は理解している。イラク新政策はそれを実現させるために練られた」との声明を発表。デモ参加者の願いとは逆に、イラクヘの米軍増派を進める方針に変わりがないことを示した。

 なんだかむなしい話しですよね。これだけ無駄な戦争だとわかっていても引っ込みがつかないブッシュ政権。前回の選挙で民主党が圧勝したことからも、国民がその政権を望んでいないことは明らかなのに、どうして理解できないのか。女優のジエーン・フォンダの「いまだに戦争反対の声を上げなければいけないのはとても悲しい」という一言。まさにこれだと思います。

 これだけ時代を経ても、いまだに戦争に反対する声を挙げなければいけないという事実、そしてその声がいまだ届いていないという虚しさ。この国民の気持ちは今、次回の大統領選への期待に変わっていこうとしています。

オーティスあゆみアメリカ通信 老年期迎える日系人

オーティス・あゆみ アメリカ通信
北海道民医連新聞2007年2月15日号より。1.53MB(03:21)

 世界に在住する日本人の数は、2005年10月の外務省調査で、戦後初めて100万人を突破したそうです。150年という長い日系移民の歴史を持つ米国では、移民の高齢化もより差し迫った問題となっています。

 ニューヨーク日系人会が去年まとめた『在米邦人・日系人の高齢者問題に対する意識調査』によると、米東部に住む50歳以上の日本国籍所有者1435人のうち、将来帰国するかどうかわからないと答えた人は54%。多くの在米者が、米国と日本のどちらで最後を過ごすか迷いながら老年期を迎えています。住居、保険、資金、死後のことなど、悩みながらも米国で老後を生きていく人々が新聞で紹介されていました。

 サンフランシスコに住むYさん(78)は2006年5月、高齢者の移住者を積極的に受け入れている北海道の伊達市を訪れました。「シニアむけの綺麗な施設がどんどん出来ていて、スタッフも若く生き生きしている。将来ここに入るのも良いなと思いました」と、中高年渡米者の談話会「日本町放談会」で報告しました。

 東京出身のYさんは1964年に米国へわたり、70歳まで貿易関連の分野で働き続けて引退しました。12年前に離婚し、現在は離婚後に知り合ったパートナーとの暮らしを楽しんでいます。いつかは施設に人ろうと決めていますが、カリフォルニア州で見た老人ホームの印象は必ずしもよくなかったそうです。それでも経済状況を考えると米国に残る生活が楽だとYさんは考えています。毎月1550ドル(約18万6千円)程度、米国政府から社会保障制度の年金給付を受けています。日本企業でも10年以上働いたので月額600ドル(約7万2千円)程度の年金を日本政府から受け取っています。「アメリカの年金額は安いけれど物価も比較的安いから、ここで暮らす上で心配はしていない。でも日本で暮らすとなると心配」と話しています。

 米統計局の2000年の国勢調査によると、日本生まれの在米者は約34万7千人です。私はこちらでたくさんの日本人と出会いましたが、老後を日米どちらで過ごすか、皆さん悩んでいます。現実問題としては、この経済力で、どごでなら生きていけるのか、という選択になることのほうが多いのではないでしょうか。

オーティスあゆみアメリカ通信 老人ホームその後

オーティス・あゆみ アメリカ通信
北海道民医連新聞2007年2月1日号より。1.51MB(03:19)

 昨年末は老人ホームで賃金闘争(?)を個人的に行って返事待ちでしたが、最近ディレクターより「辞められたら困るから賃金上げるからねー」と、軽い乗りで回答が出ました。でもまだ具体的にいつからと、いくらが表示されていないんですがね。そして驚くことなかれ。先週出勤したときに「あゆみー、今日からネームプレートこっちに変えて!」って新しいネームプレートを渡されたんですよ。そうか、もう4年も使っているから汚いもんなーなんて思ってよく見たら私の名前の下に『チームリーダー』って書かれているんですよね。「え?私っていつからチームリーダー?」って聞いたら「あ、いうの忘れてた、今日からこれね!」と。イヤー、こんな軽い乗りでいいのでしょうか。しかも私、パートタイマー。ありえないですよね。本人に一言も相談もなくチームリーダー。しかも、パートタイマー。さすがアメリカ。なんでもありなんですわ。笑ってしまいました。

 今退職者、病欠者が出て人手不足なんですよ。なんか、どこかで耳にした言葉ですけど。で、私は時々3人のところ人員不足の2人で働く羽目になるんですが、これがまた疲れるんで、ちょっと愚痴をこぼすようにしたんです。だって黙って黙々と働くのは割に合わないですよ。アメリカじゃ他にたくさんサボり癖のある人が、一杯いますからね。それを見ていて気の毒に思ったディレクター、何を思ったか最近じゃ私が「大変すぎるー」って愚痴をこぼすたびにスーパーのお買い物カードをくれるんです。「ありがと」「ごめんね」の、意を込めて。帰るころにはポケットにはいろんなカードが人っていて、今週はそのカードで買い物したんで助かりました。なんか手柄を立てた犬が褒美をもらっている感じがしないでもないんですが・・・。

 というように、どんどん老人ホームの網に足が絡まり始めている私なんです。賃金の具体的な回答は今月中には出るはずなんですけど、アメリカの言う今月は来月末かなーなんて、最近じゃ私かなりアメリカナイズされています。(泣)

 ところで私、先月の“マンスオブエンブロイィー”に選ばれたんですよ。毎月「今月の職員」って言うのが選ばれてキャッシュがもらえるんです。で、先月は私。皆に表彰されて、老人ホームにある楯に名前が刻まれます。怖いですねー。

2007年03月21日

オーティスあゆみアメリカ通信 言ったもん勝ち

オーティス・あゆみ アメリカ通信
(北海道民医連新聞2007年1月18日号より。3分14秒)

 以前、私が働いている老人ホームで大勢のメキシコ不法移民が辞めさせられたことを書きました。結局10人が去り、しばらくは残業、人手不足でお疲れモードでした。アメリカ人の労働者が殆どになり、そして私はかなりの古株に。いまや休みの日にも電話が来て「○○さんのこれって、どうするんだったっけ?」なんて聞かれるようになりました。そうなってくると楽しい仕事ではありますが、転職したいという気持ちも湧いてきました。病院で働いてみたくなり、履歴書を提出。数日侍っても音沙汰がなく、友達に話すと、やる気があるとこを見せるのに何日も通って「私の履歴書どうなってる?」と確認したぼうがいいとのこと。けれど医療機関は今、政府の援助金がカットされ、しばらく採用はないと思われました。

 ところで、履歴書には今働いてる職場に連絡をしてもよいかと聞かれる項目があります。職場に連絡をして「働きぶり」、あるいは何か問題はなかったのかを確認するためだそうです。

 私は履歴書を出したことを隠し、電話が来てびっくりされるほうが気になったので、老人ホームのディレクターにそのことを話しました。すると思いがけず私にやめられると困るということになり、気がつくと賃金交渉が展開されていました。「アメリカは言ったもん勝ち」なので今の時給より700円アップで提案。すると「この老人ホームにそれはどの高給取りのケアギバーはいないよ」と困った様子。では最低500円アップ。それ以下なら残る意味は無いと強気に出ると、その金額で会社側と検討ということで話は終了し、ただいま回答待ちです。そして今まで週3日のパートだったのですが、1日増やすと健康保険がつくので週4日に増日。ぱらぱらだった勤務と土曜勤務をやめて、火曜から金曜までの4日勤務で、土、日、月の3日休みを提供されました。なんだか、いろいろと私にとって有利な提案だったので、もうちょっと働こうかなーという気持ちになっていて「あ、向こうの作戦にまんまと引っかかってるかも・・・」という感じです。とにかく私が思ったのは、労働組合はありませんが「言ったもん勝ち」の不思議なシステムがあり、働きぶりによってはよい結果も生まれるのだということでした。
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