2009年03月14日

エンプロイ オブ ザ イヤー

オーティスあゆみアメリカ通信

ちょっと前の話になりますが、勤務先の老人ホームのスタッフミーティングがあったんですね。

そこで2008年の輝ける職員はだれか!? ジャジャーン、というようなセレモニーがあったんですよ。なんと、その 「2008年の輝ける職員」に、この私が選ばれたんです!

毎月、スタッフ数名と、入居者数名、その家族でミーティングが開かれて、毎月「今月の職員!」とか「今月のボランティアさん!」 とか、いろいろ選ばれるのですが、私は2008年の2月に「今月の職員」だったわけです。

そもそもこれは2008年の1月に始まったばかりの取り組みです。今までは老人ホームのオフィスの人たちで 「今月の職員」を選んでいたのですが、去年の1月から老人ホームに住む人たちやその家族をメンバーにいれて、みんなで選ぶことに変更になったんですよ。で、毎月1人ずつ12人選ばれて、私は2月だったので、すっかり忘れていたんですね。

で、先日のミーティングで 「エンプロイ オブ ザ イヤー」 を発表することになったんです。まずクオーターが選ばれて、それは4ヶ月ごとの毎月の職員から1人ずつ選ばれて4人が選ばれたのですが、まずその中に私が残ってしまったんですよね。

その日はお昼ご飯を食べる時間もないくらい忙しかったので、バナナをかじりながら遅れて参加した私ですが、バナナを食べている途中で呼ばれて、「エンプロイ オブ ザ イヤーはあゆみ!」と発表されたんです。

私は、バナナを握り締めたまま表彰されてしまいました。

周りがキャーって騒いで、ハグ (こつちでは挨拶代わりに抱きしめあいます) の嵐にもまれながら、バナナが…と、1人バナナの心配をしていた私です。

総額2万円相当の商品券をもらい、大喜びの私でした。でも、その商品券はこの老人ホームで契約しているどこかのお店のカタログからしか商品を選べない仕組みになっていて、もう3月になろうとしているのに、まだ商品を選んでいない私なんです。現金なら良かったんですけどね…。ものすごい不況のご時世、そんなこといったら贅沢ですよね。

ちょっとうれしい最近のニュースでした。

(北海道民医連新聞2009年3月12日号より)

2009年03月02日

不況

オーティスあゆみアメリカ通信

 オバマ氏が米大統領に就任した1月20日、あちらこちらの職場では、いろいろなセレモニーが行われたようです。私が働く老人ホームでも大きなスクリーンでテレビ中継が流れ、国民の期待がどれほど大きなものであるかを物語っていました。とはいっても、オバマ氏とその妻のダンスがいかに素敵だったかという話で翌日は盛り上がっていましたがね。

 さて、世界各地で不況がささやかれる中、医療関係は不況とはチョッと離れてる気がしてたんですよね。でも違ったんです。老人ホームの入居者がなぜだか減少して (月に30万円も50万円も払えませんよね)、私たちの老人ホームも金銭的にきつくなっています。

 そこでまずビジネスマネー ジャーが解雇されました。入居者の直接の増減にかかわっているところなので、まず最初の一人になってしまったんです。

 そして次の白羽の矢は私たちケアギバーに。けれども誰一人解雇をしたくないという上の方針で、今、労働時間削減を徹底しています。毎日2人のケアギバーが1時間ずつ勤務時間を少なくされています。それを交代で、全員が1週間に約2時間の労働時間カット。月にすると8時間、約一日分の時間カットです。残業手当は倍額になるので残業削減。よほどの理由がない限り残業すると追及されます。この労働時間カット作戦でしばらくやってみて、これでも経営が大変ならいよいよ解雇でしょうか。

 それから入居者を何とか増やそうと、知り合いを紹介して、2カ月入居したら紹介者に賞金1000ドル(約10万円)。これは最初500ドルだったんですが1000ドルに上がったんです。その金額に、私たちは 「わおー」って喜んだんですが、新聞購読者を増やすのとはわけが違います。老人ホームに入居する老人を連れてくるんですよ。そんな簡単な話ではありません。

 あとは上からのお達し。「スーパーで老人を見かけたら声をかけて」 って。ぶっ飛ばされますよね。

(北海道民医連新聞2009年2月12日号より)

2009年02月08日

続・救急車を呼ばないで

オーティスあゆみアメリカ通信

 前号の 「救急車を呼ばないで」の続きです。最近、老人ホームで転倒したおばーちゃんがいて、ひざの痛みを強く訴えたので、ナースの判断にもとづいて救急車を呼びました。家族(息子)に電話したところ、それはそれはご立腹。「前回の救急車を呼んだときの支払いもまだ終わっていないのに、いったい誰が支払うというんだ!!」と。お気持ちは分かりますが…。救急車がこんなに高いのはあなたの国の責任じゃないんですか? と私は言いたい。途中電話が途切れて妻に変わり「すみません、クリスマスで酒が入っているもので…」。でも妻の後ろで 「馬鹿やろー、誰が払うんだー」 って言う絶叫もしっかり聞こえていたとか。

 家族に電話をするという大役を果たしたのはフロントのおねーさん。ああ、私ってば、なんてラッキーなのかしら。救急隊のおにーさんと会話を弾ませている間に、フロントのおねーさんが、こんな目にあっているとは夢にも思わず…。

 先日サンフランシスコ領事館から、最近発生した主な犯罪の手口と対策が流れてきました。なかなか興味深い中身だったので少し紹介しますね。

@ケチャップ・スリ、アイスクリーム・スリ=旅行者の衣服やかばんにケチャップやアイスクリームを故意につけ、親切を装って衣服を脱がせ、汚れをふき取りながら、内ポケットから財布を抜き取る。

Aコインばら撒き=目の前でコインをばら撒き、親切に拾ってあげている間に荷物を持ち去る。

Bワインボトル当たり屋=わざとぶつかってボトルを割り 「すごく高いワインだったんだ。弁償しろー!」 とお金を請求してくる。

Cスプレー強盗=数人で取り囲んで荷物を強奪。追いかけるとスプレーをかけられる。

D首絞め強盗、羽交い絞め強盗=路上で背後から首を絞められ、意識を失い倒れこんだ隙に貴重品を盗む。体が小さい日本人はターゲットになりやすい。

 その他ホテルでの強盗、窃盗や昏睡強盗・睡眠薬強盗、警察と売人がグルになった麻薬の不法所持、偽空港出迎え、偽警官、クレジットカード詐欺など、結構怖い犯罪パターンもあります。まだまだ載っていたんですが身近に起こりそうなのと「えっ?」 って言うのを取り上げてみました。海外旅行の際はご注意を。

(北海道民医連新聞2009年1月22日号より)

2008年12月31日

救急車を呼ばないで!

オーティスあゆみアメリカ通信


 高齢者施設で仕事をしている限り緊急事態はつきもの。心筋梗塞、脳梗塞、転倒による骨折、肺炎。ほとんどの入居者がDNR (救急蘇生をしない) とあらかじめ登録していても、救急時は別です。この老人ホームはナースが24時間態勢でいるわけではないので、ナースがいないときは私たちが判断をしなければなりません。特に薬係の私はその役割を負わされることが多々あります。ここが結構シビアなところ。何せアメリカは1回の救急搬送に10万円から20万円も請求されるので、家族としては呼んでほしくないものナンバーワンなわけです。でも現場にいる私たちは何とか助かってほしいと思うから、来てほしい車のナンバーワンが救急車なわけですよ。この違いは意外と大きくて、よくトラブルの原因になったりもします。救急車を呼んで何とか一命を取り留めて喜ぶのは私たちサイド。「どうして救急車を呼んだのか?」と、抗議されることもしばしば。最近一過性脳虚血発作(TIA) を繰り返すおばーちゃんにいたっては、2回続けて救急車を呼んだら家族が「金が払えないからほっといてくれ!」と言うことになって、それ以降は虚血発作を起こすとベットに寝かせて夫を待つという体制になりました。確かに一過性なので特別な処置もなく、意識も数時間後には戻るのですが、そのうち本当に脳梗塞になるかもしれないというリスクを抱えながらのどきどきな処置なんですよ。

 時々は入居者自身が救急車を呼ぶということもあります。たとえば身内の不幸を知らされて精神的にダメージを受けて、具合が悪くなって自分で911 (日本の119です) コール。救急隊は、本人があーでもないこーでもないと症状を訴えると連れて行っちゃうんですよね。そこからが大変。家族に連絡するのは私たちの仕事ですから「えーー!!」とか「なんで〜ぇ!」という叫びを覚悟で電話します。救急車が来たことを報告するのに 「大変申し訳ありませんが…」という気持ちが付随するって、どんなものでしょう。ありえないと思いませんか?

 そういうわけで最近老人ホームから出されたスローガン。「911は本当に救急のときだけにしましょう!」。本当じゃない救急って何ですか! 本当と本当じゃないとの境目は何ですか! これがアメリカの医療現場の生の声です。

(北海道民医連新聞2008年12月11日号より)

2008年12月25日

大統領選のあと

オーティスあゆみアメリカ通信


 オバマ氏が当選して私の周囲は相当な賑わいでした。老人ホームでも日ごろから民主党を支援しているおじーちゃん、おばーちゃんたちは選挙の当日テレビ速報を見たいからと、ダイニングルームでの夕食をキャンセルしてテレビにしがみついていました。目が悪くてテレビがよく見えない96歳のぉばーちゃんはラジオを片手にべットの中で速報を聞いていたそうです。私はその日夕方のシフトがあって家に帰ったのは遅かったんですが、子供たちが選挙の結果を教えてくれてテレビでオバマ氏のスピーチを聞いていました。人間はすべて平等であり、白や黒もなく、アメリカ人であろうと何人であろうとすべての人はユナイテッドである。というスピーチは翌日みんなが 「なんて素敵なスピーチ」 といって連呼するほどのインパクトだったようです。翌日仕事に行くとみんなが 「やったね!オバマ!」 という感じで大喜びでした。日本でのにぎわいもニュースで中継されたようで「小浜市」の話題や、日本も同じに喜んでいてすごいね!なんて声をかけられましたよ。これだけ国民の期待をたっぷりとかけられたオバマ氏はさぞかし大変だろうなと思ったりもしましたが。

 でも中にはまだやはり人種差別の時代の名残をひきづっている人たちもいて「黒人の政治家が増えて怖い」なんていってるおばーちゃんもいたんですよね。でもこれもまた現実のアメリカなんですよね。そういう歴史を作ってきたんですから。ホワイトハウスの名前も見直すべきでは…なんて声も上がっていますよ。

 ところで大統領選挙の少し前くらいからガソリンが安くなりだして、一時1ガロン400円台まで行ったのに、今では300円台をきろうとしています。あのガソリン代の高騰はなんだったのかと、みんなが疑問に思っているこのごろです。

 余談ですが次男の陸はこの間学校のレポートにオバマ氏のことを書いてもって行きました。テーマは自分の中のヒーロー。時の人だったので思いついたんでしょうね。でも彼なりにオバマ氏のスピーチを聞いて「人間はみんな平等であるべきだよね」 って言っていました。子供たちさえも興味を持っていたこの大統領選。国民の期待に少しでもこたえてくれる政治がスタートしてくれることを誰もが望んでいます。

(北海道民医連新聞2008年11月27日号より)

2008年12月04日

ホームシェルターの実情

オーティスあゆみアメリカ通信

 金融恐慌で失業者が上昇中のアメリカ。サンタローザのホームレスの実情が最近の新聞に載りました。
 
 ある16歳の女の子の話。ペンキ塗りの仕事をしていた父親が解雇され、家賃を払えなくなってある日突然ホームレスに。教会などが運営するシェルターに移り住むことに。サンタローザにある4カ所のシェルターには55?60人の住民がおり、そのうちの約50%は15歳以下の子どもたちだそうです。ほとんどはティーンエイジャーで、そこから学校に通い、ほかの子と同じように生活しています。しかし普通に生活する子どもたちと大きく違うのは、自分たちの意思とは関係なく、シェルターからシェルター、ベッドからベッドヘと移動することが多いこと。16歳のメーガンは、「屋根のついた建物に住めることは幸せと思える。けれどもいつも何かを置き忘れてきたような、大事なものが欠けているような感覚で生活している」 と話しています。シェルターに住む子どもたちに安全な環境を与えようと市の社会福祉課は努力はしているようですが、現実としてはシェルターに住む子どもはきちんとした教育をうけられないのが実情です。そしてこのような環境で育っていくのですから、精神的に不安定になる子どもが多いのも当然のこと。

 メーガンが収容されているシェルターには28室ありますが、例年、約12家族がこの部屋の空室を待っています。最近では25家族もしくはそれ以上の家族が職を失い、住居を失い、住む所を求めて待ち続けている状況です。アメリカ全体のホームレスの約34%は家族のホームレスといわれています。

 今年の6月から9月の間に73人の子どもたちがこのシェルターに引き取られました。去年は44人だったそうです。16歳のメーガンの夢は、学校を修了したら仕事を見つけ「お金をため、家を買うこと」だそうです。メーガンはダウン症候群の妹に 「自分たちの家」 で一緒に住む夢を話しています。そして一方では 「アメリカンアイドル」 で優勝して、その賞金で家を建てるという野望も抱いているそうです。

 子どもたちが教育を受け、安全な住居に住むという最低限の権利さえ奪われつつある現状です。こういう子どもたちが身近にいるこの現状を 「平和」とはいえないですよね。明日の大統領選が楽しみではありますが…。 (11月4日記)

(北海道民医連新聞2008年11月13日号より)

2008年11月21日

オーティスあゆみアメリカ通信 歯科医でローン

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞 2008年10月23日号より。1.22MB(2:40)


 私が日本で虫歯治療をした頃、私が受けた治療は虫歯を削って、削ったところにシルバーを詰めるのが普通の治療でした。

 現在の日本での歯科医療技術を私は知りませんが、「歯が命」のアメリカではこのシルバーは驚き物。 毎回歯のクリーニングに行くたびにこのシルバーが話題になるほどです。
 
 私の歯科医が言うには「かなり前に治療した日本人もこのシルバーがいっぱいあったから、これは日本特有の治療法なのか…」と、首を傾げていました。

 ところで、歯医者に行くたびに 「そのシルバーを取って白いのに詰め替えようじゃないか」とオファーされるんですが、これは 「審美歯科」 になるので保険が利かないんですよね。薦められたところで、気軽に「お、いいねー」 とはいえないんです。

 ところが最近、そのシルバーが古くなってスペースができたので、その治療をメインにすれば保険が下りるから、ついでに白い詰め物に換えよう!と目を輝かせて言うではありませんか。

 今、シルバーは3ヶ所あって、治療が必要なのは1ヶ所だけ。歯医者の保険医はいろいろと複雑極まりないルールがあって、カバー金額に上限もあれば、1年間にカバーされる金額も決まっています。3ヶ所全部治すと保険の適用金額をはるかに超えるので、次の保険の更新になる来年の6月までは、今のところ3ヶ所のうちの1ヶ所を治すのが精一杯だと。

 しかも、治療部分はカバーされるけれど、白い詰め物にする部分は自己負担。この1ヶ所のシルバーを取って治療をして、白い詰め物にかえるのに、保険会社が出した回答は50%カバーで、私の自己負担は1400ドル。約15万円でしょうか。15万円ですよ、15万円。

 そして 「6回払いまでなら歯医者でローンを組めるけれど、それ以上になるとクレジットカンパニーをお勧めします」 と、12回払いまでいっさい利子のかからないクレジットカンパニーのカードを作ることを薦められました。しばらくは歯のローンの支払いのために食費を切り詰めることになりそうです。

オーティスあゆみアメリカ通信 トランス脂肪酸、使用禁止へ

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2008-10-09号より。1.43MB(3:07)


 先日、カリフォルニア州議会で、心臓疾患のリスクが高まるとされる加工油脂「トランス脂肪酸」 の使用を原則的に禁止する法案が可決しました。肥満や心臓疾患の増加で 「健康志向」 が高まっている米国 (本当かどうかは疑問ですが)。カリフォルニア州では、学校がカロリーの高いお菓子を規制し、レストランではカロリー表示の義務付けが検討されるなど、次々と肥満対策が出されています。ところがこの法案、医師や消費者からは支持が多いものの、ファーストフード店やケーキ店は使用禁止に大反対だそうです。

 不飽和脂肪酸のひとつであるトランス脂肪酸はマーガリンやショートニング、一部の調理油などの加工油脂に含まれ、お菓子やドーナツ、フライドポテトなど多くの食品で使われています。大量に摂取すると悪玉コレステロールが増加し、動脈硬化による心臓疾患のリスクを高めると報告されています。

 ニューヨーク市では7月1日からトランス脂肪酸の含有量が多い調理油や食材を市内のすべてのレストランやファーストフード店で使用することを禁止しました。全米で初めての措置となる条例は2006年に採用され話題を集めていました。カリフォルニア州で同案が成立した場合、2010年1月から実施されます。レストランや病院は調理でのトランス脂肪酸使用を止め、大豆油などの代替油に切り換える必要があります。ただし、パン生地や衣を揚げるための使用は許可されるとのこと。またパン職人は1年間、代替油で作る料理を考えるための試行期間が与えられます。2011年から全面禁止となり、違反すれば上限約10万円の罰金が科される見通し。

 サンフランシスコ市では7月末からトランス脂肪酸を使用していない市内飲食店に認定ステッカーが発行されます。250ドル払い、同市保健局調査員から認定されれば 「トランス脂肪酸なし」 というステッカーがもらえます。

 このように紙面上では話題になっているのですが、身近では何も目にすることはありません。これだけ肥満が問題だと誰もが明確にわかっているのに、いまだに小学校の自動販売機にはソーダ類が多いし、自販機にはチップス、スニッカーズのキャンディーバー、M&Mが多いのはどうしてなんでしょうか、不思議でなりません。

オーティスあゆみアメリカ通信 夏休みが終わって

オーティスあゆみアメリカ通信

 今年の夏も日本に里帰りをしていました。たくさんの友人たちと1年ぶりの再会で盛り上がって、最高のひと時をすごさせていただきました。帰ってきてからはいつものことながらやや放心状態。今までは帰ってきて1日も休めば仕事に戻っていたんですが、なぜか今年は帰ってきてからも4日ほど休みが残っていて、贅沢な夏休みを過ごせました。涼しい北海道から戻ってきて、こつちの暑さにくらくらしている私ですが。

 早速老人ホームの仕事に戻るとナースが代わっていました。去年も夏休みを終えて戻ってくるとナースが新しくなっていたんですよね。今年も戻ってきて、職場の人たちの開口一番は「ナース、代わったよー!前のナース、首になった!」と。

 まあ詳細はよくわかりませんが、ちょいとなまけ癖のあるナースだったんで仕方なかったかな。なんといっても一番の変化は、な、なんと、我が家の長男、海ぼっちゃまが高校生になったことですね。ここは中学が2年しかないんで今年から高校1年生です。先日オリエンテーションに行って来たんですが、校長先生の挨拶、面白かったです。「高校の4年間は待つ教育ではいけません。ちょっとでもわからないと思ったら絶対に待たないこと!すぐに先生に聞いて解決する習慣を身につけてください。そしてとにかく、女の子のおかーさん! 裸同然のセクシー衣装などお願いだから許さないでください。単純な男子の思考回路を狂わせます。男の子のおとーさんー!そのズボン、あと数インチで良いから上に上げろとしつこくいってやってください。全男子の下着が丸見えで見苦しいです!」と。なんだか大爆笑のオリエンテーションでした。

 こちらの学校はホームルームのクラスがないんで担任という固定の先生がいないのですが、中学と違って生徒用のカウンセラーが数人いること、セキュリティーのために校舎の中にボリスがいることなどが、大きな違いでしょうか。16歳から車の運転ができるので高校も車で通ってる生徒もいます。ポリスもいるんでもしかして学校の駐車場でチケットもきられたりするんでしょうかね?不思議でならない。

 次男坊の陸は6年生。今年小学校最後の年です。なんだか子供の成長ってここに来て早いな…としみじみ思います。

(北海道民医連新聞2008年8月28日号より)
ラベル:アメリカ通信

オーティスあゆみアメリカ通信 全米各地で異常気象

オーティスあゆみアメリカ通信

 ワシントン州などアメリカ北西部の広い範囲で季節はずれの雪が降り、ハイキングに出かけていた3人が吹雪で遭難し、1人が死亡しました。6月10日には同州のシアトル郊外でも積雪を観測。気温は4度となり、観測史上最も遅い時期の降雪記録を170年ぶりに塗り替えました。

 一方、カリフォルニア州北東部では10日以上も熱波に襲われ、35度以上を記録しました。カリフォルニア北部では山火事が相次いで発生。これは落雷が原因でしたが、外に出ると煙が立ち込めていて、喘息や、気管支疾患を持つ人たちが、何らかの呼吸障害を生じたと報道されました。私が住むサンタローザでも4日間ほど煙のにおいが立ち込めていました。

 ニューヨーク市では6月9日に約37度まで気温が上昇し、市当局が市民に熱射病などへの注意を呼びかけました。さらに中西部では洪水の被害が発生しています。インディアナ、アイオワなど4州を中心に河川の氾濫が続発し、被害者が増え続けています。

 サンタローザでも異常な気温上昇が起こり、2週間ほど前には夜も暑さのために息苦しくて眠れない日がありました。

 せっかく夏休みの子どもたちも「暑過ぎて何もできないー」と嘆いていました。

 全米各地で異常気象が続き、高齢者や子供たちが犠牲になっています。この夏アメリカに海外旅行を考えている方は、異常気象にご注意を!

(北海道民医連新聞2007年7月24日号より)

2008年08月01日

オーティスあゆみアメリカ通信 トマトからサルモネラ菌

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2008年7月10日号より。1.03MB(02:16)


 カリフォルニア州を含む全米各地で生のトマトを食べてサルモネラ菌に感染した人が160人に上り、FDA(米食品医薬品局)は安全な産地以外のトマトを生で食べないようにと緊急警告しました。

 これを受けて、大手ハンバーガー店マクドナルドなどのファーストフード店は、サンドイッチに挟むトマトを一時的にはずして販売することにしました。原因は「セントポール」という種類のサルモネラ菌で、4月にニューメキシコ州で感染者が報告されました。その後、被害は17州に広がり、同菌に汚染されたトマトを食べた25人以上が入院しました。今のところ死者は出ていません。

 警告されたトマトは丸形や細長いプラム型のトマトです。ミニトマトは含まれず、自宅栽培のトマトやケチャップやソースなども安全だそうです。カリフォルニア州全域で大手スーパーが店頭からトマトを撤去したほか、各レストランもトマトをはずすなどの対応を取っています。

 カリフォルニア産のトマトは安全と発表されましたが、今後消費者がすべてのトマトを避ける可能性を同州の農家が心配しているための発表とも言われています。農産物の中でトマトの収益は8番目に大きいそうです。

 この時期に米国内に出荷されるトマトは主にメキシコ産とフロリダ産。とりあえずメキシコ産のトマトは要注意というところでしょうか。

 先日サンフランシスコの日本領事館からもトマトのサルモネラ菌発生二ュースが送られてきました。なんだか安全な食品がどんどんなくなっていくような気がするのは、皆が思うことですよね。

 この夏アメリカに海外旅行を考えている方は、トマトにご注意を!




2008年07月31日

オーティスあゆみアメリカ通信 日本語人気

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2008年6月12日号より。1.50MB(03:16)


 国際交流基金(ジャパンファウンデーション)が先日、海外の教育機関で日本語を学ぶ人が133の国と地域、約298万人に上ると発表しました。2003年の前回調査と比べ、学習者数は26.4%増加したそうです。国単位での増加は6ヵ国でした。同基金はアニメや漫画、ゲームといったポップカルチャーヘの興味が学習者数の増加に反映したと見ています。

 日本語学習者の1位は韓国。ついで中国、オーストラリアで、この3ヵ国で全体の3分の2を占めます。「初等・中等教育機関」で学ぶ人が全体の約6割に上るそうです。確かにこちらのテレビでは日本のアニメが放送され、近所のブックストアでも英訳された日本の漫画が約2.5倍の値段で売られています。最近はサンフランシスコでのパレードに日本のアニメキャラのコスプレをするアメリカ人が増えています。これはちょっと怖い。漫画やアニメで日本語を覚えるのも一つの学習法ですが、でも質問される日本人は驚きますよ。まず「なるとって何?」ですから。漫画の「なると=NARUTO」なんですけどね。

 話は変わりますが、最近私の働く老人ホームに日本語の話せるシェフが入りました。昨年まで3年間日本に住んでいたそうです。今までメキシコ人がスパニッシュを話しているのを「ちんぷんかんぷん」で聞いていましたが、最近この彼と日本語で話しています。この間は調理室に宇多田ヒカルの歌が流れていたし、最近だと「お母さんといっしょ」か何かではやった子ども向けの音楽を聞かされました。わざわざダウンロードしたと大いばりでした。鼻歌は「ゲッゲッげげげのげー」。極めつけは、「あゆみ、テストするよ!」と、漢字のカード持ってきましたからね。全問正解したら「すごいねーすごいねー」とほめられました。小学校1年生の漢字だよ…って言わなかったですけどね。

 そしてついに3日前、日本語を話すじーちゃんが入所しました。家族からはたいそうありがたがられました。「ぜひおじーちゃんと日本語で話してあげてねー」って、手を握られて頼まれました。「おはよう」と挨拶したら「僕の奥さん、ずーっと前は日本人でした。でも離婚しました」。さっそくヘビーな会話ですか。

 そんなこんなで最近の老人ホーム、日本語環境になりつつあります。

2008年07月30日

オーティスあゆみアメリカ通信 DVは犯罪

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2008年5月22日号より。1.43MB(03:08)


 在サンフランシスコ領事館がこのほど「ドメスティックバイオレンス(DV=家庭内暴力)による逮捕、拘束事例が頻発!」と、注意を呼びかけています。最近サンフランシスコなどで日本人がDVで逮捕される事件が相次いだことが発端となりました。

 サンフランシスコでは交通違反を除き、観光旅行者を含めた日本人が最も多く逮捕される犯罪がDVです。これはDVに関しての日本と米国の捉え方、制度および法律の違いによることに起因していると思われます。

 カリフォルニア州ではDVに関する法律が定められており、夫婦や恋人同士の暴力(口論、喧嘩などを含む)は警察が介入して厳しく処理されます。日本では家庭内の喧嘩の際、口論の末に物を壊したり、思わず手を上げてしまっても、単なる夫婦喧嘩で終わりますが、ここでは犯罪として取り扱われます。

 特に室内での大声での口論、公共の場所でのちょっとした行き違いからの口論に端を発した些細な暴力行為でも、これを見聞きした隣人、通行人らに直ちに軽擦に通報されるケースが多く、警察官が臨場した場合は、以後の犯罪を防止するという観点から双方の言い分を聞かずに関係者の一方を拘束します。

 拘束後は通常接見禁止命令が出されて、夫婦でも会うことはできません。保釈されるためには事例により差はありますが、約25万ドル(約2800万円)から約50万ドルの高額な保釈金が必要となり、精神的、経済的に過大な負担を負うことになります。万が一警察に逮捕された場合には日本大使館や領事館に通報を依頼する権利を持っているので必ずこの権利を利用してくださいとの領事館からの呼びかけでした。

 最近の事例では、日本から夫婦で当地を旅行中、お互い疲労が重なりコインランドリーで口論。思わず夫が妻の襟をつかんでしまったところ、通行人が通報し、夫が逮捕され、妻が弁明しても聞き入れてもらえませんでした。また、空港で荷物を取り出す際に口論となり、思わず妻の腕をつかんだ夫が通行人の通報で警察に逮捕されるなどなど、夫婦間ではありがちな行為で逮捕されています。

 昔から日本では「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」といわれていますが、こちらでは夫婦喧嘩でも通報されるので充分注意しましょう!

2008年07月29日

オーティスあゆみアメリカ通信 Older driver at risk

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2008年4月24日号より。1.51MB(03:17)


 車を運転する高齢者の増加に比例して高齢者の交通事故も増加しています。

 2007年のデータによると交通事故死亡者は10代の約25万人を上回って70代で約27万人となりました。先日もサンタローザに住む93歳の女性が、82歳の弟が運転する車に乗っていて高速道路のカーブを曲がりきれず木に衝突して亡くなりました。

 車を運転していて、前の車に誰も乗っていないんじゃないの? とびっくりすることがありますが、追い越しながらよく見ると小さなおばーちやんが顔の辺りにハンドルを持って真剣に運転してるんですよね。視界は普通の人の半分ぐらいしかないんじゃないかと思います。

 アメリカはお金さえ払っていれは一度取った免許は大きな事故でも起こさない限り永久に使えます。私の老人ホームにいる高齢者の中にもいまだに免許を持っている人がいます。更新していないので使えないのですが、免許書の写真は相当昔の若かりしころの写真だったりして驚かされます。私も10年前にこちらで免許を取りましたが、そのときの写真がいまだについています。若かったんだなぁ。
 
 交通事故死の増加に伴って高齢者の免許更新時に簡単なテストをするようになりました。3年に一回の更新時に約1000円を払って正しい運転の仕方を学ぶというコースも受けられます。もちろんコースも受けずテストも合格しなければそれなりの注意を受けますが、まだ確実な制度にはなっていないので、怪しいドライバーはまだまだたくさんいます。

 高齢者の事故の場合、自分が事故で亡くなるだけてなく、他人を事故死させてしまうことも多くなります。本人だけの問題ではなく、家族みんなの問題になることも多々あります。車の保険料も10代と70代以降はかなりの高額になります。

 肉体的、視力的、精神的に「あ、かなり衰えたなぁ…」と思ったら、もうすでに車を運転する適応ではないと恩うのですが…。

 しかし、問題はアメリカが車社会だということ。車がないととても不便です。公共交通機関が特に便利に用意されているわけではありません。高齢者が車を運転できないとなったとき、一気に行動範囲が狭くなってしまうのは、車以外の交通手段が乏しいせいでもあります。こういう矛盾を解決しない限り、高齢者は車を手放さないでしょう。

2008年04月04日

オーティスあゆみアメリカ通信 事件

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2008年3月27日号より。1.35MB(02:57)


 先日、シャワー介助の途中で在所中のおばーちゃん亡くなりました。おばーちゃんは「乱暴」なことで有名で、手伝ってほしいと要請があり、服を脱がせるときに激しく爪を立てられて、全員傷だらけになりました。何とかシャワー室に入れましたが、シャワー開始約3分後に蒼白になり、体が崩れていきました。何事が起こったのかと呆然としましたが、すぐに救急車を呼びました。

 救急隊を待つ間、日本ならすぐに蘇生を始めて待つところですが、DNRのサインがあったので、何もすることが出来ず、ただ黙って待つだけでした。脈拍も触れず、呼吸も停止していたので助けようはありませんでした。救急隊が来たときはすでに亡くなっていたので、今度は警察がきました。

 施設内で人が亡くなった場合、その死に不審な点がないか確認のために警察がきます。私たちは事情聴取され(数分でしたが)、不審な点はなかったので、家族が葬儀屋に連絡を取り、死亡退所となりました。

 シャワー介助しなければ、なくなることはなかったのに・・・と私たちは気持ちが沈みましたが、家族から「最後にきれいにしてもらって彼女も幸せよ」といわれ、その言葉に救われました。その後、職場のみんなに声をかけられてはげまされ、ディレクターからは自宅に花が送られ、なんだかこういう気持ちの表し方はアメリカ風だなーと感じました。そして老人ホームでは「人の死と向かいあう介護人のために」というテーマでホスピスケアから人を呼んで講習会を開くことになりました。何人か立て続けに人が亡くなったので、私たちのカウンセリングも兼ねての講習会です。

 私は職柄上たくさんの死を見つめてきました が、今回が初めてだったケアギバーは泣き崩れて夜も眠れなかったと話していました。このシャワー介助をしたケアギバーは7ヵ月の妊婦で、ずっと落ち込んでいました。もう一人の新人ケアギバーはパニックに陥って、自分の携帯電話で救急車を呼んでしまいました。

 人の死に慣れなどありえませんが、自分たちの悲しみを誰かに話して気持ちを整理する場は確かに必要だと思います。今回のカウンセリングの講習会は、実際に介護に携わる私たちにはとてもよい計らいだと思いました。

(北海道民医連新聞2008年3月27日号より)



2008年03月31日

オーティスあゆみアメリカ通信 新しいポジション

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2008年3月13日号より。1.37MB(03:00)


 すっかり暖かくなり、夏が近づいてきたのを感じるサンタローザです。北海道はどうでしょうか。まだ寒いのでしょうか。

 私の近況報告です。2週間前に新しいポジションのオファーがありました。薬係の仕事でフルタイム、朝のシフトの勤務です。もともとチームリーダーなどという肩書はあったもののパートタイマーでした。朝は隣町にすむ日本人のおばーちゃんを世話していたので、老人ホームでは夕方のシフトを週に3日ほどしていました。このオファーに伴い時給も今より140円ほど上げるといわれて結構悩んだんです。一番の悩みはこのポジションは朝なのでおばーちゃんの世話が出来なくなること。

 子どもたちとも相談しましたが、「オファーを受けるべき! なぜなら夜仕事をしないのが一番うれしいから」と言われ、引き受けることにしました。

 以前にもトレーニングを受けた仕事なので、「ちょっと楽になるかなー」と思っていたのですが、思ったより忙しかったです。何せ平日の日中なので、医者にかかる人もいれば、検査に行く人もいて、そのたびに薬の変更があったりします。そうなると医者のオフィスにFAXを送って、サイン入りの指示をもらい、それを薬局にオーダーして配達を頼まなければならず、英語が苦手なんて言ってる場合じゃなくなりました。

 ケアギバーが肉体労働なら、今の薬係は頭脳労働。いろんなことを考えさせられ、とてもいい勉強になります。薬の効能なども全部調べて説明したり、医者に送るファックスの文章を考えたりと、新しい経験をしています。

 あとは専属のナースが好き勝手なことを私に言いつけるんですよね。「この人具合が悪いから医者に薬のオーダーもらって」とか、「尿路感染が疑われるので検尿の指示仰いで」とか、「家族に連絡して歯医者の予約とってもらって」とか。それはあなたの仕事でしょうが!と言う気持ちを沸々と蓄積させながら毎日英語を書く仕事をさせられています。

 余談ですがどこの国でも読解不能な文字はあるんですよ。送られた医者のFAXが読めなくて悪戦苦闘しています。人に読ませるものはせめて「読める」ものじゃないといけないですよね。このナースの字も相当ひどいので「だから私に書かせるわけだ・・・」と妙に納得したりもしています。

2008年03月28日

オーティスあゆみアメリカ通信 初めてのラスベガス体験

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2008年2月14日号より。1.49MB(03:15)


 昨年末、札幌から友達が遊びに来るというので、休みを取ってラスベガスに行きました。こっちにきて10年は過ぎていますが初ベガス!1月4日の金曜にサンフランシスコを出発して2泊3日の旅。往復の飛行機チケットと2泊分のホテル代とタックスを入れて一人260ドル。

 ベガスは1931年にカジノが合法化されてから華やかなホテルが次々と建設されました。

 1980年以降はテーマパークホテルが続々建ち、カジノ中心の街から家族が楽しめるエンターテインメントの街へと変化を遂げました。とはいってもカジノのエリアに一歩でも未成年者が近づくと、すぐ警備員がやってきて立ち入り禁止が命じられます。

 ホテルの探索、ホテルの無料アトラクション、カジノ、本格的なショー、ビュッフェ、ショッピングなどが見所でしょうか。カジノがメインなのでホテル代と食事代は結構安いと聞きましたが、食事代はなかなか高かったです。マクドナルドさえ6ドルは軽くとられる感じでした。

 到着翌日の11時頃、せっかく来たんだからと立派なホテルのビュッフェを食べに行きました。バイキング。食べ放題。そういうことです。まず受付で金額を聞いたら一人23ドル。2人で「えっ!」と声を出しましたね。相談すること数秒。「せっかくきたんだから」と中に入りました。ラッキーだったのは時間。入ったときはブレックファーストがメインの時間でしたが、2回目に取りに行くとランチのメニューに変わっていてシーフードがごっそり。カニの山を見たときには「なんだか湯元名水亭をおもいだすなぁー」とつぶやいていました。とどめはケーキの食べ放題。23ドルでこの料理なら大満足でした。

 おなかがいっぱいで、すぐには動けなかった私たち。友達はちょっとでいいから横になりたいと、トイレで見つけたカウチで横になっていました。私はその間一人でスロットマシーンで遊んでいましたが、30分後に戻ると警備員に介護されていた友達。酔っ払って倒れているのだと勘違いされて、通行人に通報されていました。

 もうひとつ面白かったのは、カジノの注意書き。「もしギャンブルをやめたいのにやめられないとき、助けが必要なときには、ここに連絡を!」と電話番号が書かれていました。さすがベガス。

2008年03月20日

オーティスあゆみアメリカ通信 タミフル TAMIFLU

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2008年1月24日号より。1.44MB(03:09)


 副作用が大問題になった「タミフル」はアメリカでも「TAMIFLU」と呼ばれ、インフルエンザの薬として有名です。日本では2000年に厚生労働省が承認し、2001年から保健の適応が認められています。タミフルの全世界使用量のうち75%は日本というもの保険適応が認められているからなのでしょう。

 私が一緒に働いているメキシコ人のローラの話。3週間ほど前に5歳の姪を車の後ろに乗せてハイウェイを走っていました。体調が悪くて風邪薬を飲んでいたらしいのですが、突然激しいめまいと、目が見えないなどの症状が起こり、蛇行運転の末、車を止めました。後ろの車が驚いて車を停止させ「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたので救急車を呼んでもらいました。病院に運ばれて(その間、ローラは朦朧としていたようですが)、少し意識がクリアになったところで病院スタッフに「ところで一緒に乗っていた姪っ子は?」と聞くと、誰も姪を見ていないといいました。なんと誰も気づかず、姪は車中に置き去りにされたのでした。幸い、ローラが置き忘れた携帯電話で他の家族に連絡を取り、無事保護されました。ローラはショックで錯乱状態になり、何度も叫んだり泣いたりの日々をすごしました。保険がなかったので、メキシコの家族に医者が多くいたことなどから、彼女をメキシコに移動させました。そしていろいろな検査の結果、彼女のこの一連の精神症状は事故の前に内服したタミフルの副作用だとメキシコの医師たちは判断したそうです。ローラのお母さんもこの老人ホームでケアギバーとして働いているので、この話を聞かせてくれました。

いろんな問題が積み重なった今回の事故。救急隊が子どもを置き忘れ、保険がなくてお金がないからメキシコに移動し、そしてタミフルの副作用とも言える精神症状に今も泣く、叫ぶの発作を繰り返すローラ。お母さんは先週休みを取ってメキシコに向かいました。

この話を聞いて「すごく身近なこと」と痛感しています。最近ではタミフルの注意事項に精神症状がでることも書かれているし、日本での出来事も詳しくわかるようになっています。とにかくローラが早く元気になることを心より願っている私です。みなさんも、くれぐれもインフルエンザには気を付けてくださいね。

2007年12月29日

オーティスあゆみアメリカ通信 迷路のような、がん治療

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年12月13日号より。1.54MB(03:22)


 シアトルにすむカレンさんの話。2006年6月、最初の子供を出産したときに大腸がんが発見され、すでに肝臓にも転移していました。最も子供と時間を共有すべきときに、ドクターアポイントメント、処置、治療と時間を費やし、更に多くの疑問に時間を費やしてきました。

 最初のドクターは彼女に余命6ヵ月と宣告しました。セカンドオピニオンを要求した2人目と3人目のドクターは、抗がん剤治療は余命を長くすることは出来るが手術は適応ではないといいました。そして最後に4人目のドクターはカレンさんに手術を勧めました。

 彼女は言います。「癌治療はパッチワークと同じ。いろいろな方針を継ぎ合わせて、自分で一つの生地を作り上げなくてはいけない。私にアドバイスをくれるドクターは誰もがとてもよい人たち。けれども大腸専門医は私の腸しか見ないし、外科医は手術のことしか話さない。それぞれが体のパーツを見ているので、自分を一人の人間として総合的に見てくれる人はどこにもいない。信頼できるものはこの医療システムの中にはどこにもいない」。

 統計によると今年がんに罹患した人は米国だけで140万人以上。そのうち55万9650人が死亡しています。米国ではがんになると内科医、外科医、放射線科医、抗がん剤治療専門医など最低でも3、4人の医者とかかわることになりますが、それらの医者の意見が必ずしも一致するとは限りません。そのため、セカンドオピニオンを求めて新しいドクターにかかり、さらに自分の加入している保険会社との格闘も加わることになります。早期発見、早期治療が重要なのに、混乱が多いこの医療システムの中で、どれだけ時間を無駄にしているかを考えると気が気ではありません。これだけ高度な医療技術を持つ米国なのに、その治療を受けられる人は数少なく、殆どの人はこの医療システムと健康保険制度に悩み、苦しみ、時間を無駄にしているのが現状です。

 結局カレンさんは4人目のドクターがすすめた手術を行い、5個の腫瘍を摘出しました。最初のドクターに余命半年と宣告されたことを思えば夢のような展開ですが、約450万円もの医療請求が来ました。ラッキーにも彼女はとてもよい医療保険に加入していたので殆どカバーされたということでしたが。

(北海道民医連新聞2007/12/13号より)

オーティスあゆみアメリカ通信 やっぱり陸はママの子だ

オーティスあゆみアメリカ通信
北海道民医連新聞2007年11月22日号より。1.47MB(03:12)


 今回は我が家の次男坊、陸のこと。どちらかというと長男の海はお惚け君で13歳になった今も、どこかボーっとしたところがあってまだまだ可愛さが残っています。反対に陸は時々兄の海よりもしっかりしていてちょっと計算高いところがあります。4年生まではクラスでも一番の成績で、先生にもいつも褒められ、耳にたこが出来たほど(と母だけが思っている)。

 この辺の小学校にはGATEというプログラムがあって、何か特別に得意な教科があると地域の文部省のようなところからGATEに参加させてくださいと言われます。強制ではありませんが、月に何度かバスに乗って他の学校に集まり、普段の授業よりすこしだけハイレベルな中味の授業を受けます。もちろん無料で、他の生徒と同じ宿題のほかに違うプログラムの宿題をもらってきます。他の子供たちにはわからないようになっているので、特別な目で見られるということはなく、その子の得意分野を、もう少し見極めてあげて伸ばしてあげようという目的のようです。

 説明が長くなりましたが、陸はこのプログラムに2年生の時から参加しています。宿題も手伝うことなく、ほとんど「手のかからない」子供でした。私は、「この子はいったい誰に似て天才になってしまったのか」と嘆いたものでした。過去形になってますね・・・。 

 今年5年生になり、先週―回目の2者面談がありました。また褒めちぎられに行くか・・・なんて思っていたら、先生から「成績が急に下がり、授業もおしゃべりしていて聞いていない。宿題も持ってこない。4回あったレポートは1回しか提出していない」などなど。「え?うちの陸の事いってます?他の子供と間違ってません?」と私。「これは陸です」と先生。「でも友達がちょっかい出してきておしゃべりしてるのでは?」と私。「いえ、一番おしゃべりがうるさいのは陸です。クラスが始まって2ヵ月、あの子だけ何度も席替えをしてるんですよ」「・・・」
 
 家に帰ると神妙な顔をしていた陸。ちょっと悪いこといわれるな・・・と想像していたようでした。「がっつり下がってるよ」とテーブルに置いた成績表を見て、海が「ヘー、それでも僕よりいいねー」あんたってばー!まぁつぎ頑張ればいいよ、陸。一言私がかけた言葉は「やっぱり陸はママの子供だったんだね!」

(北海道民医連新聞2007年11月22日号より)
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。