2007年04月20日

Field-note北の自然 セッケイカワゲラ

Field-note北の自然184セッケイカワゲラ

北海道民医連新聞2007年4月12日号より。936KB(01:59)


 昆虫の多くは暖かな季節に活動しますが、どこの世界にも変わり者はいるもので、わざわざ寒い冬を選んで出てくる昆虫もいます。ユスリカやガガンボ、トビムシ、カワゲラの仲間などで、それぞれ住む環境に違いがあるのですが、川辺でよく見かけるものといえばセッケイカワゲラです。

 彼らには羽が無く、1センチ程の体は頭からしっぽの先まで真っ黒で、ちょっとハサミムシに似ています。こんな寒い季節によく動けるものだと感心しますが、彼らの活動温度帯は摂氏マイナス10度〜プラス10度と低く、20度もあるようなところでは生きていけず、知らずに素手で触ったりすれば火傷をして死んでしまいます。

 彼らの生活史は普通の昆虫から見るとかなり変わっていて、親はちょうど今頃の時期に川の中に産卵します。やがて孵化した幼虫は水温10度前後の川底の砂の中でしばらく眠り続け、涼しい秋になると起き出して来て、川が雪や氷で覆われる前に親になって上陸します。そして数カ月間、雪上でトビムシなどを食べつつ、産卵のため自分の生まれた川の上流を目指して歩きます。他の多くの昆虫が春の訪れと共に目覚めるのとは逆に、春から眠りにつくという、言わば冬仕様の生活史で生きているのがセッケイカワゲラです。彼らの生活史自体もおもしろいのですが、何も無いように見える雪の中でも、ちゃんと生態系ができていることに、新鮮な驚きを覚えます。


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2007年03月24日

Field-note北の自然 動物園の生き物たち(4) これからの動物園

Field-note北の自然 動物園の生き物たち(4)これからの動物園

北海道民医連新聞2007年3月15日号より。986KB(02:05)


 動物園に行ったときに、檻の中を全く同じルートで歩き回っている動物を見たことはないでしょうか。檻の前を右から左に行ったり来たり、折り返す時の身のひるがえし方や揚げる手も必ず決まった側など、繰り返す行動は何から何までぴったり一緒。足を置く位置も毎回同じなので、コンクリートのペンキも足跡通りに剥げています。これは常同行動と言ってストレスから来る異常行動で、動物達からの「僕たちつらいんだよ。何とかしてよ!」というメッセージなのです。

 動物園には種の保存や調査研究、環境教育などが大きな役割としてありますが、それも動物達が快適に生活していける環境がベースにあってのこと。最近では旭山動物園が行動展示で脚光を浴び注目されていますが、これは展示の技術に加え、動物達がのびのびと生活していける環境を整えることによって本来の姿を取り戻したのが大きな要因になっていると思います。このような取り組みが刺激となって全国的に動物園のあり方が見直され始めています。

 札幌の円山動物園も先月基本構想が発表されました。これからの動物園に期待したいと思います。
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Field-note北の自然 動物園の生き物たち(3) ニホンザル

Field-note北の自然 動物園の生き物たち(3) ニホンザル

北海道民医連新聞2007年3月1日号から。905KB(01:56)


 動物園の人気者ニホンザル。動物園に行くと「取りあえず最初にサルを見に行こう」という方も多いと思います。人気の秘密は「さる地蔵」「さるかに合戦」など数々の民話に登場していて馴染み深いことや、メディアに写る姿がユーモラスだからかもしれません。

 円山動物園では昨年「サル山展望レストハウス」が新設されました。ここはサルの様子を見るための工夫がしてあり、1階ではガラス一枚隔てた向こう側でー生懸命地面に隠れている餌を探す様子を見ることができたり、2階に上がれば持参したお弁当を食べながらのんびりとサル山を眺めることもできます。もうすぐ春になるとベビーラッシュになり、可愛い赤ちゃんが次々に生まれてくるはずです。生まれてからしばらくは小さな体でお母さんにしがみつき、どこへ行くのもお母さんと一緒。まるで一心同体のようにくっついて離れませんが、これは母子間の絆を強めるために大切なことです。しばらくするとお母さんの横で遊び始め、1年を越す頃にはすっかり自立して動き回るようになります。この時期お母さんは子どもに干渉はしませんが、何かあればすぐに飛んでいって手助けします。必要以上に干渉せず子どもの自立を促し、何かあれば手助けする・・サルの子育てには学ぶことがいっぱいです。
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Field-note北の自然 動物園の生き物たち(2) ナナフシ

Field-note北の自然 動物園の生き物たち(2)ナナフシ

北海道民医連新聞2007年2月15日号より。743KB(01:34)


 札幌の円山動物園には昆虫館があって、半年間雪に埋もれてしまう北海道でも、一年中昆虫を見ることができます。建物の中に入ると暖かく、植えてある草や木の間を時期によっては蝶が優雅に飛んでいます。

 「あー綺麗な蝶が見れて良かったね」と、そのまま外に出るのはちょっと待った!草や木をよーく見てみて下さい。じっくり気をつけて見ていると、何もいないと思っていた所にもたくさんの虫がいることに気づきます。

 写真のナナフシもそのひとつ。ナナフシは北海道にはいませんが、テレビでよく紹介されているのでご存知の方も多いと思います。ナナフシは体も足も木の枝にそっくりで、まるで忍者が隠れ蓑を使って隠れるように上手に隠れています。でも1匹見つけると次々に見つかるもので、2匹がおんぶしていたり、3〜4匹が団子になっているものが見られることもあります。大きさも10センチくらいのものから1センチ足らずのものまでいろいろです。一度見つける楽しさを知ったら繰り返し昆虫館に足を運びたくなること間違いなし!是非行ってみて下さいね。
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Field-note北の自然 動物園の生き物たち(1)トド

Field-note北の自然 動物園の生き物たち(1)トド

北海道民医連新聞2007年2月1日号より。850KB(01:48)

 子どもが小さいので動物園に良く行くのですが、最近の動物園は大人も子どもも楽しめるイベントがいっぱい!動物を抱っこしたり、触ったりできるふれ合いタイムや鷹匠体験など、体験型のイベントが盛りだくさんです。

 先日行った時は、ちょうどトドの餌やり体験が始まるところだったので参加してきました。飼育員さんからもらった大きなホッケを子どもが手に持ってかざすと、待ってましたとばかりに水面から体を伸ばしてパクッと食べます。

 トドは大きいものでは1トン近くなるものもいて、その貫禄から「海の王者」と呼ばれています。今回行った円山動物園のものは、さほど大きくないメスでしたが、それでもやっぱり大食漢なようで、数十人の人から魚をもらってもまだまだ食べ足りないという顔をしていました。

 自然界では漁師の網を破ってしまうなど、人間との共存が難しく、駆除を重ねるうちにとうとう絶滅危惧種に指定されるまでになってしまいました。この餌やり体験が、トドにとっても人間にとっても住みやすい世の中ってどんなものだろう?と考えるきっかけになってくれるといいなと思いながら動物園を後にしました。
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2007年03月21日

Field-note 北の自然179 イガラのまゆ

イガラのまゆ

(北海道民医連新聞207年1月18日号より。1分43秒)

皆さん、寒さのあまり家の中にこもってしまってはいませんか?雪の野山には冬ならではの楽しみがいっぱい!運動不足解消にフィールドヘ出かけてみましょう。

 公園や観察路脇の枯れ枝に写真のようなものがくっついていることがあります。大きさは1.5センチくらいのこの丸い物体。一見鳥か虫の卵に見えますが、イガラというガのまゆです。幼虫はリンゴやクルミ、ウメ、サクラ、ヤナギなどにつき、鮮やかな黄緑色をベースとした体にサボテンのようなトゲトゲがたくさんある、一度見ると忘れられない風貌の幼虫です。秋になると冬越しのため、自分で吐き出した糸を体に巻きつけまゆになります。このまゆはとても丈夫で「スズメの鉄砲」「スズメのしょうべんたご」とも呼ばれていますが、糸を巻きつけるだけでなぜこれだけ硬く変化するのか謎です。春になるとこのまま蛹になり、やがてガの姿に変身しますが、外から何かを取り込むわけでもなく、自分自身の持っている分子だけで全く違う形に変化してしまうのですから不思議です。小さな体ですごいことをやってのける昆虫は、普段、あまり気に留められませんが、実は優秀なマジシャンです。
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