2009年12月01日

Field-note 北の自然 ヌスビトハギ

Field-note 北の自然 ヌスビトハギ

 秋は、植物の種子が旅立つ季節です。風に乗って飛ばされるもの、水に流されるもの、実がはじけ飛ぶもの、甘い実が鳥や動物たちに食べられて運ばれるもの。自らは動くことのできない植物たちが、より遠くに自分の子孫を分散させるためにうまく工夫を凝らした結果がそれぞれの種子の姿なのです。

 種子の中には「ひっつき虫」とか「どろばう」と呼ばれ親しまれているものがあります。その名の通り、動物の毛や人間の衣類にくっついて運ばれるためで、秋の野山に行くと必ずと言っていいほど、くっつけて帰ってきてしまいます。

 ひっつき虫にはいろいろな種類があって形も様々ですが、そのひとつにヌスビトハギがあります。まるでサングラスのような形ですね。名の由来には二つの説があって、ひとつは足袋を 履いた盗人が、忍び足で歩いた足跡に見立てたという説、もうひとつは、知らぬ間にそっと後をつけてくるからという説があります。どちらにせよ、一度聞くと忘れられない名前です。

(北海道民医連新聞 2009年10月22日号より)
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2009年10月11日

field-note 北の自然 カラハナソウ

Field-note 北の自然 「カラハナソウ」

林のふちなど日当たりの良いところで見かけるカラハナソウ。北海道から本州北部にかけて自生する雌雄別株のつる性植物で、雌の果穂は松ぼっくりを逆さまにしたような形をしています。名の由来は、他の植物にからみつくように生えるため、唐の字を当てて唐花草と呼ばれるようになったとか、いやいや果穂が唐草模様に似ているからだ、など諸説あるようです。それよりも、ホップという名前の方がピンとくるかもしれませんね。ホップはご存じビールの原料ですが、こちらはセイヨウカラハナソウと呼ばれるもので、日本のカラハナソウとは近縁種になります。

おもしろいのが日本のビール発祥の話です。明治4年、北海道開拓使として派遣された米国人アンチセルは、小樽付近でホップを見つけ、喜び勇んでビールを造ってみたが苦みが無くてさっばりおいしくない。これはビールの原料にしているホップとは別種だということに後で気づいたのですが、日本産のものが自生するくらいだから西洋種も育つだろうと、5年後にはホップの苗を輸入し、本格的にビール醸造を始めたそうです。

北海道民医連新聞2009年10月8日号より
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Field-note 北の自然 磯の生き物

Field-note 北の自然 「磯の生き物」

北海道は、日本海、太平洋、オホーツク海の三つの海に囲まれていますが、その中でも磯遊びに最も適しているのは日本海です。水の透明度が高く、たくさんの生き物たちの暮らす、ほどよい深さの磯が広がっているからです。

磯遊びというと夏のイメージですが、お勧めなのは実は9月です。真夏は、照りつける太陽でこっちが干物になってしまいそうなくらい暑いですが、9月は太陽の光も穏やかで、陸に比べて季節が3カ月遅れの海の水は、まだまだ十分に温かいのです。

遊びに行くときには、ぜひ魚捕り網や捕った生き物を入れるプラスチックケース、カニ釣り竿なども持って行ってみて下さい。岩にはタマキビという小さな貝やムラサキ貝(ムール貝)がびっちりくっついているし、水の中にはカジカやイワシの稚魚がたくさん泳いでいるでしょう。ムラサキウニやバフンウニ、アメフラシ、ウミウシ、クラゲ、ナマコも見つかるかもしれません。

カニ釣り竿は特別なものを買う必要はありません。木の棒に針と糸をつけ、針の先に裂きイカなどの珍味をくっつければできあがり。水に垂らせば、おもしろいほどカニが釣れますよ!

北海道民医連新聞2009年9月17日号より
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Field-note 北の自然 花と昆虫の関係

Field-note 北の自然 「花と昆虫の関係」

花が蜜を持つのは、昆虫たちに花粉を運んでもらうため。しかもできるだけたくさん運んで欲しいので、花は形を上手に進化させてきました。

例えば、ユリの仲間にはアゲハチョウしか吸蜜に来ません。なぜでしょう。ユリの雄しべは、大きく前に突き出しています。小さな昆虫では、この雄しぺに触れることなく蜜だけを頂戴していってしまうことになり、ユリはただ損をすることになってしまいます。そこでユリは蜜のある場所を花の奥深くにして、花粉をたっぷり体にまとってくれるアゲハチョウしか吸蜜できないようにしたのです。

写真のアメリカオニアザミには、セセリチョウとミツバチがとまっています。この花にとって好ましいお客はどちらでしょう?答えはミツバチです。長い口を持つセセリチョウは足先しか花に触れませんが、口の短いミツバチは体ごと花にもぐって花粉まみれになってくれるからです。アメリカオニアザミは、ユリとは逆でちょっとくらいの損は気にしない、太っ腹な花なのですね。

北海道民医連新聞2009年9月3日号より
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2009年09月21日

field-note 北の自然 「スジグロシロチョウ」

Field-note北の自然 「スジグロシロチョウ」

 里山はもちろん、街中のちょっとした草地や庭などでも普通に見ることのできるシロチョウの仲間たち。どれも姿がよく似ているため、全部ひとくくりにしてモンシロチョウと呼ばれることが多いのですが、シロチョウはモンシロチョウの他にもスジグロシロチョウ、エゾスジグロシロチョウなど数種類がいます。

 ごく平凡なチョウではありますが、じっくり観察していると、いろいろとおもしろい行動をしていることに気づきます。例えば、2匹のチョウがいて、1匹は花の上にとまってお尻を垂直に立て、その周りをもう1匹が飛んでいる。これは周りを飛び回っているのが何とか交尾をしたい雄で、花にとまってお尻を上げているのが、それを拒否している雌です。雌は交尾に時間を取られるくらいなら1個でも多くの卵を産みたいのです。

 写真のように湿った地面にとまって吸水していることもあります。こういった行動をするのは羽化直後の雄が多く、性的に成熟するために必要なナトリウムイオンを摂っていると考えられています。

 北海道民医連新聞2008年8月20日号より
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2009年08月11日

field-note 北の自然 ネジバナ

Field-note237ネジバナ

ランの花というと皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。高尚、華麗、高嶺の花、などでしょうか。そんなイメージとは全くもって無縁なのが、写真のネジバナです。ピンク色の小さな花をらせん状につけたネジバナは、公園や道ばた、草っばらなどに生えている、気取らない庶民派のランの仲間です。

一見ランの仲間には見えないかもしれませんが、小さな花に近づいてよく見ると、実はカトレアにそっくり。その花の奥には花粉が詰まっていて、運び屋はこれまた小さな小さなハチの仲間。うまく受粉すると長さ6mmほどの実がなるのですが、その中に詰まっている種子は、なんと数十万個というから驚きです。

風に乗って飛び散った種子は、栄養分を持っていないため地面に落ちても発芽することができません。そこでラン菌の助けを借り、栄養をもらって大きくなるのですが、光合成ができるようになるともう用済みとばかりに分解、吸収してしまうのです。ラン菌は、尽くした彼女に捨てられる可哀想な彼氏といったところでしょうか。誰ですか、まるで自分のようだと言っている人は。

北海道民医連新聞2009年8月6日号より
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Field-note 北の自然 ヤナギラン

field-note236ヤナギラン

夏を代表する花のひとつ、ヤナギラン。ヤナギにそっくりな葉と、ランに似た花を咲かせることから名がつけられたアカバナ科の植物です。英名では「「火の雑草」(Fireweed) と呼ばれていますが、これは山火事や山を切り開いた跡などに真っ先に根を下ろすためです。ここ北海道でも、開けた草地やスキー場の斜面などでよく見かけます。背丈が1.5メートルと高く、下から順に咲く濃いピンク色の花はとても華やか。1本でも十分に見応えがありますが、この花は横に根を張る性質のため、しばしば大群落になり草原一面をピンク色に染め上げます。私が一番好きなのは、ここに薄霧が立ちこめたときです。シルクのような白い霧の中で、さわさわと揺れるヤナギランの姿はとても幻想的です。そして、もし、大群落を見つけたときは再び秋に訪れてみてください。花後につくサヤの中からはじけ出る銀白色の綿毛が、雲海のような光景を作り上げているはずです。

北海道民医連新聞2008年7月23日号より

タグ:ヤナギラン
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Field-note 北の自然 ハエトリグモ

field-note 北の自然 ハエトリグモ

クモがクモの巣を張るのは、もちろんエサを捕るため。でも実は、全体の約半数は網を張らない徘徊性のタイプで、獲物を待たずに積極的に狩りに出かけます。巣を張るタイプのクモはあまり目が良くないため、外界の様子はもっばら振動に頼っていますが、徘徊性のクモたちは良い目を持っています。その中でも特に視力の良いのが写真のハエトリグモです。

色や形も識別できる大きな2つの目の他に、頭をぐるっと囲むように6つの小さな目がついています。この合わせて8つにもなる目のお陰でハエトリグモは360度視界が開けていて、素早く周りの情報をキャッチできるのです。私も横に立ったり真後ろに立ったりいろいろ試してみたのですが、どの位置に立ってもくるりと正面を向き、大きな目でじっとこちらを見ていました。

ハエトリグモはその名のごとく、ハエのような動きの速い虫をも捕まえることができるほど機敏なクモです。よく葉の上をジャンプしながら移動しているのを見かけますが、その様子はまるで忍者のようです。

北海道民医連新聞2009年7月9日号より
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2009年07月09日

Field-note北の自然 禁断の果実

Field-note北の自然 「禁断の果実」

イチゴの季節がやってきましたね。郊外の果樹園ロードを走ると 「イチゴ狩り始めました」 の看板があちこちに掲げられています。みんなが大好きなこの大きくて甘いイチゴは「オランダイチゴ」と呼ばれるもので、原種から品種改良を繰り返してきた栽培種です。原種に近いものでは、ガーデニングに使われるワイルドストロベリーがあり、最近では苗もの屋さんでも置いているのでご存じの方も多いと思います。

このワイルドストロベリー、実は北海道にも自生しています。自生種は全部で3種あるのですが、そのうちのひとつが写真のノウゴウイチゴで、山地の林道沿いや、高山帯の草原に生えています。栽培種に比べると株も実も小振りですが、味はもしかすると栽培種を超えるかもしれません。甘み、旨味が小粒の実にぎゆっと凝縮されていて、とにかくおいしいのです。

北海道にはエキノコックスがいるので、本当は生食しない方が良いのでしょうが、思わず誘惑に負けて食べてしまうほどのおいしさで、私は密かに「禁断の果実」と呼んでいます。

(北海道民医連新聞2009年6月25日号より)
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2009年06月14日

field-note 北の自然 ウスバカゲロウ

北の自然 ウスバカゲロウ

 縁の下や砂場などに、写真のような円すい状の穴が開いているのをご覧になったことがありますか?アリジゴクと呼ばれるもので、中にはウスバカゲロウの幼虫が潜んでいます。

 「蟻地獄」と呼ばれるのは、その名のごとくアリがよく落ちるからで、絶妙な角度で作られた巣には一度落ちると這い上がることはまずできません。下では大きな牙を開いた幼虫が待っていて、虫が落ちてくると食らいつき、まずは体に消化液を注入します。そしてドロドロになった体液を吸い尽くし、殻は巣の外にポイッと放り投げます。

 巣をほじくって中の幼虫を捕まえて見てみると、ブックリとよく太ったものがいるかと思えば、ほっそりとしたものもいます。これはエサにどれだけありつけているかということに関係していて、太ったものはエサに恵まれていてお腹がいっぱい、痩せたものは長ければ二週間もの間飲まず食わずで耐えています。中にはエサに全くありつけず、死んでしまうものも少なくありません。

 夏には成虫が羽化しますが、与えられた時間はわずか二時間。その間に、相手を見つけて交尾をし、卵を産み付けるという大きな仕事を成し遂げなければなりません。

(北海道民医連新聞2009年6月11日号より)
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2009年06月08日

field-note 北の自然 オオルリ

北の自然 オオルリ

 新緑の山道を歩くと、道が沢筋にさしかかった辺りで、はっとするほどの美声に出会うことがあります。コマドリ、ウグイスと並んで日本の三鳴鳥と呼ばれているオオルリです。天は二物を与えずと言いますが、どうやらオオルリに限ってはこの言葉は当てはまらないようです。「ピーリィリィリィ、ジュジュツ」とい涼やかな声に加えて、光沢のある深い青色をまとった姿が実に艶やか。一度目にすれば誰もが「もう一度会いたい」と思うでしょう。

 この美しい鳴き声はさえずりと呼ばれるもので、繁殖期に雄がなわばりを示したり、雌にプロポーズをするときに使うものなのですが、珍しいことにオオルリは雌もさえずることがあります。雄雌仲よく並んでさえずっているときは、気持ちも穏やかで互いの仲を深めているとき。雌が単独でさえずっているときは、「ここに私達のヒナがいるから、これ以上近づかないで!」と警戒しているときです。そんなときは子育ての邪魔をしないよう、そっとその場を離れてあげてくださいね。

(北海道民医連新聞2009年5月28日号より)
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field-note 北の自然 ユキザサ

北の自然 ユキザサ

 北海道では、小豆の匂いに似ていることからアズキナの愛称で呼ばれている山菜、ユキザサ。山菜は往々にして灰汁が強いものですが、ユキザサはほとんど灰汁がなく、生のまま調理できます。味はくせがないうえにほんのりと甘いので、天ぶら、和え物、炒め物、汁の実など、どんな料理にでもよく合います。

 生えている場所は林床で、一本ずつではなく、写真のように何本もかたまって生えます。初夏には雪の結晶に似た可憐な花を咲かせますが、薄暗い林の中では一本ではあまり目立たず、虫を呼び寄せるにはインパクトが足りません。そこで地下茎を延ばして花茎の数を増やし、花をたくさんつけることで虫を呼び寄せます。これらの花は全てクローンで、ニリンソウやフクジュソウ、エゾエンゴサクなど多くの林床植物がこのタイプです。林床植物が、まるでお花畑のように生え広がるのはこういった理由からです。

(北海道民医連新聞2009年5月14日号より)
タグ:ユキザサ
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2009年04月26日

field-note 北の自然 野ネズミの食痕

Field-note 北の自然 野ネズミの食痕

雪解けあとの楽しみのひとつに、動物たちの残したサイン探しがあります。今年は野ネズミの食痕がすごいという噂を聞きつけて、野幌森林公園に行ってきました。

遊歩道を歩き始めて一分ほど。あったあった、野ネズミに食べられた可哀想な木が! 野ネズミは種類にもよりますが、草やササ、木の実などを好んで食べます。冬の間、それらの食料が底をつくと、やむなく硬い樹皮に手を出します。運悪くターゲットにされた木は、樹皮が剥がされて赤茶色になるため、遠目でもかなり目立ちます。今年は食料が足りなかったのか野ネズミが大量発生したのかは分かりませんが、樹皮食いがかなりあって、あちこちまだら模様の木だらけです。根本には、肥料となる米粒大の糞をたくさん残しているので、樹皮食いが少しであれば、木にとってもメリットがあるのですが、ぐるりとひと回り食べられてしまっては、その木は死んでしまいます。ざっと見た感じでは、間もなく、枯れてしまうであろう木が多く、お気の毒にと思って帰ってきました。

そして、ふと家の庭のプルーンの木に目をやると、なんと上から下までまる裸ではありませんか!あまりの見事さに、怒るのも忘れて思わず爆笑してしまいました。

(北海道民医連新聞 2009年4月23日号より)
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Field-note 北の自然 ヤナギ

Field-note北の自然229

春一番に顔を現わす、冬用の厚いコートの下に隠れている動物はなーんだ?正解は 「ネコ」 ヤナギです。早いものでは3月初旬から顔を覗かせていたネコヤナギも、ちょうどこれからがピークです。川べりでは、銀毛の子猫たちがふんわりと風に揺れています。耳をすましたら 「暖かくて気持ちいいにゃー」 なんて声が聞こえてきそうです。銀毛が自慢の子猫たちですが、しばらくすると黄色の毛へと変身します。

銀毛の間から、雄しべが伸びてきて、その先に黄色い花粉が付くからです。ネコヤナギは雌雄別株で、雌株の雌しべに雄株の花粉がくっついて受粉します。間を取り持つのはハエやアブなどの昆虫たち。あまり目立ちませんが、そろそろ昆虫たちも活動を始める時期です。ネコヤナギは高い位置にあることが多いのですが、運良く目の届く位置に見つけたら観察してみて下さい。花粉を運ぶ昆虫たちの様子が見られると思いますよ。

北海道民医連新聞 2009年4月9日号より
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2009年03月29日

Field-note 北の自然 マガモ

北の自然 マガモ

 暖かな日差しに誘われて、川べりに行ってきました。雪解けでかさを増した川の流れの上には、たくさんのマガモたちの姿が。少し近寄ってみると、ふわっと飛び立ったので 「しまった!びっくりさせちゃったかな?」 と思ったのですが、バラバラバラっと私の近くに降り立ちました。どうやらエサをくれると思ったようです。もちろん私はエサを持っていません。「ごめんね」と思いながら写真を撮っていると、ものの一分ほどで飛び立ってしまいました。「なんだよ。エサくれないのか」という声が聞こえてきそうな光景に、ちょっと苦笑してしまいましたが、もともとの彼らの習性を考えると無理もありません。

 マガモは北半球に広く生息するカモで、おそらく世界で一番数の多いカモです。人になつきやすいため昔から飼い慣らされ、庭先でガーガーと愛想を振りまいてきました。ですから、今でも沼や公園など、人の生活圏でよく見かけるのです。

 そんなマガモたちも、あと一ヶ月もすれば春風に乗り、繁殖地である北の地へと旅立ちます。

(北海道民医連新聞2009年3月26日号より)
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2009年03月20日

Field-note北の自然 鳥の巣

北の自然 鳥の巣

鳥の巣というと、鳥が一生くらし続ける家だと思っている方がいらっしゃるかもしれませんね。でも実は巣を使うのは、子育てをする春から夏の終わりにかけてのほんの数ヶ月間だけなのです。それ以外の季節は家を持たず、日中はエサ探しに飛び回り、夜は木の枝や軒先に止って眠ります。人間は約10ヶ月間お腹の中で子どもを育てます。それが一番安全な方法だからなのですが、いくら安全とは言っても、鳥がそんなことをすれば重くて空を飛ぶことができなくなってしまいます。そこで、お腹の中で育てる代わりに、天敵に襲われにくい高い木の上や軒下などに巣を作るようになったのです。

巣の形は、鳥の種類によってさまざま。お椀型のものもあれば、ボールのような形のものもあります。材料も木の枝ばかりではなく、草、クモの巣、コケなどもあり、それぞれに作り方も違います。でも、ひとつだけ、どの鳥にも当てはまる共通点があります。それは、生まれてくるヒナのために、産座には綿毛など、必ず柔らかなものを敷き詰めていることです。我が子にかける愛情は、鳥も人間も一緒なのですね。

(北海道民医連新聞2009年2月26日号より)
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2009年03月14日

field-note 北の自然 冬芽

北の自然 冬芽

3月に入り、少しずつ日差しが春っぼくなってきたとはいえ、朝晩はまだまだ冷え込みますね。もうしばらくの間、分厚いコートは手放せそうにありません。

寒さをしのぐコートを身にまとっているのは、私たち人間だけではなく樹木も同じです。樹木は春になると葉っぱや花を咲かせますが、これは春になって枝から出てきたものではなく、前の年の秋までの間にすでに用意されたものです。枝先にちょこんとついている冬芽の中には、小さな小さな葉っぱや花がコンパクトに収納されているのです。

冬芽は葉っぱが変化した鱗状のもので覆われていて、大きさや形は種類によって様々です。葉っぱの大きいホオノキは冬芽も大きく、まるでタカの爪のよう。

写真のハクモクレンはフワフワとした毛が生えていて、ロシア人の帽子にそっくり! 他にも、ベタベタする 「ろう物質」で身を固めているもの、ツルツルのもの、ザラザラのもの、実に個性豊かです。

一見、地味に見える冬芽も、よく見ればなかなかおもしろいものです。

(北海道民医連新聞2009年3月12日号より)
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2009年03月02日

Field-note 北の自然 ヤドリギ

Field-note 北の自然 ヤドリギ

 葉っぱを落とした梢に、ウニを大きくしたような丸いものがくっついている光景を見たことがありますか? まるで鳥の巣団地のようにも見えますが、これはヤドリギと言って、ミズナラやサクラなど、他の木から栄養をもらって生活する寄生植物です。自分で働かずに他人様から栄養をもらうなんて、ずいぶんとお気楽な生活ね、と思われるかもしれませんが、彼らなりに努力をしています。

 秋に熱す実は鳥たちに気に入ってもらえるよう、人間が食べてもおいしいと感じるほど甘〜く仕上げています。フンと一緒に出てくる種は、鳥の体内では消化できない粘液質にくるまれていて、納豆のようにネバネバと梢にくっつきます。見事くっついた種も、そのままでは硬い樹皮に根を下ろすことはできません。そこで、根の先端から酵素を出して樹皮を溶かして穴を開け、じわりじわりと根を差し込み、宿主にしっかりと取り付きます。

 一見楽そうに見える寄生生活も、手に入れるために様々な工夫をしているのですね。「寄生生活もそんなに甘くはないのさ」。そんなヤドリギの声が聞こえてきそうです。

(北海道民医連新聞2009年2月12日号より)
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2009年02月08日

Field-note 北の自然 モミジバスズカケノキ

北の自然 モミジバスズカケノキ

 樹木は葉っぱが落ちてしまうと、どれも似たような出で立ちになるため、何の木だったのか分からなくなってしまうこともしばしばあります。そんな中、絶対の存在感を放っているのが写真のモミジバスズカケノキです。この樹木は古い樹皮がまだらになって剥がれ落ちてくるタイプで、白と緑、茶のコントラストは大変インパクトがあります。

 カエデに似た大きくて艶のある葉、幹や枝ぶりの美しさに加えて、貧栄養や大気汚染に強く、乾燥地から湿潤地まで土地を選ばないなどの理由から、アジアやヨーロッパなどで古くから街路樹として植えられてきました。ここ日本でも、二位のイチョウを僅差で抑え、最も多く植栽されています。

 植栽の歴史は古く、古代ギリシャまで遡ります。かのピポクラテスも、木陰で弟子たちに医学を説いたのだとか。今も日本全国の医療大学や病院などにこの木が植えられているのは、医学の原点を忘れないようにと、ヒポクラテス故郷コス島から若木や種子が贈られたためです。

(北海道民医連新聞2009年1月22日号より)

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2009年01月06日

Field note 北の自然 ホンドテン

北の自然 ホンドテン
(北海道民医連新聞2009年1月1日号より)

 北海道には、イイズナ、オコジョ、クロテン、ホンドテン、イタチ、ミンクの6種類のイタチの仲間が住んでいます。前者3種は北海道在来種で、残りの3種は道外から持ち込まれたもの。写真のホンドテンも、毛皮をとるために飼われていたものが逃げ出し野生化しました。

 ホンドテンは、夏毛冬毛の両方が茶色いものをスステン、冬に鮮やかな黄色に変わるものをキテンと呼んでいます。キテンの毛は毛皮の中でも最高級とされていて、もめごとを避けるため 「テン狩りには2人で行くな」 という戒めが猟師の間では伝えられているほどです。

 森林に住む彼らの食事はなかなかのグルメ。前菜に昆虫やカエル、メインにネズミや小鳥などの小動物、デザートにはヤマグワやコクワなどの果実、と言ったところでしょうか。餌の乏しい冬は餌探しもなかなか大変ですが、そこは抜群の嗅覚を使って、30センチも積った雪の下にあるヤマブドウの実を捜しあてたりしています。

 体の長い彼らはシャクトリムシのようにピョンピョンと跳ねながら歩くので、足跡は左右に二つ並んだものが等間隔でずっと続きます。餌探しをしているときはクネクネと曲り、ねぐらへ戻るときは一直線に跡がつきます。「この足跡をつけた時は何をしていたのかな」と想像しながら雪原を歩くのも楽しいものです。
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