2010年09月12日

Field-note 北の自然 ツユクサ

field-note262ツユクサ

朝露きらめく野に、涼やかな青を添えるツユクサ。名の由来は、朝露の消える頃には花を閉じるからとも、露をまとって咲くからとも言われています。万葉集では花の命の短さから、はかなさの象徴として詠まれたものも多く、情緒豊かな日本人に昔から愛されて来たことがうかがえます。

青い花の真ん中には黄色い雄しべがありアクセントになっていますが、実はこの部分には花粉はありません。しかも花が開いたときにはすでに9割以上の花で自家受粉が終わっているという研究結果もあります。これは、開花している時間が短く、しかも受粉してくれる昆虫が活発に動き回る前の時間帯ということが関係しています。他人に期待せず自分で完結しているのですね。

黄色い雄しべに花粉はありませんが、先のくるりとカールした長い雄しべには花粉がついています。これで残りの1割をフォローするというわけですが、黄色い雄しべにたっぷりと花粉があると見せかけて昆虫を呼び寄せ受粉してもらう算段です。花粉を作り出すエネルギーを最小限に抑え、かつ確実に結実させるという見事な戦略なのです。

(北海道民医連新聞 2010年9月9日号より)
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Field-note 北の自然 ヨトウムシ

field-note261ヨトウムシ

冷夏の予想とは裏腹に、例年になく暑い夏でしたね。昨年は寒さでさっぱりだった畑の野菜達も今年は生育が良かったようです。我が家にも畑があり、無農薬で野菜作りをしているといろんな虫たちがやってきます。アブラムシやナメクジなどはさして気にもしていないのですが、葉ものにつく毛虫類だけはちょっと困りもので、中でもヨトウガの幼虫は強烈です。写真はキャベツですが、見事に穴だらけですよね。これは1匹のヨトウガの幼虫がたったの一晩で食べたものなんです。この幼虫はとにかく食欲が旺盛で、日中は葉陰や土の中に隠れていて、夜になると出てきてキャベツや白菜などの葉ものを勢いよく食べます。「夜盗蛾」という名前はここからつけられました。

対策としては、窒素分の多い畑によく出るため、あまり肥料を入れすぎないこと、食べ跡を見かけたら見つけ出して捕殺する、ワナを作るなどの方法があります。ワナは、フタ付きの浅いプラスチックケースの横に入り口用の穴を開け、中に米ぬかを入れて野菜のそばに置いておきます。幼虫は米ぬかが大好物なので、近くにいれば入る可能性大です。お困りの方は試してみてください。

(北海道民医連新聞 2010年8月26日号より)
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Field-note 北の自然 エゾイチゴ

field-note260エゾイチゴ

クワの実のシーズンが終わり、今がちょうど盛りの果物といえば野いちごです。 野いちごにはたくさん の種類がありますがポピュラーなものは写真のエゾイチゴでしょう。

東南アジアの亜寒帯から温帯に広く分布していて、日本では本州中部以北で見られますが、北海道に多いことからこの名前がつけられました。明るく開けた場所が好きで、河川敷やスキー場などの草原、原野、道ばたなどに生え、ツルを伸ばしてその場所にびっちり生え広がります。

親指の先ほどの実は真っ赤で艶々、まるで宝石のよう。触るとぷるっとしていて、もいで食べるとロの中いっぱいに酸味と甘みが広がります。生のままで食べも、もちろんおいしいのすが、ちょっと加工すると更においしさアップ!お勧めはジャムです。鍋に入れて砂糖を振りかけて汁が出るまで置き、グッグッ煮たらできあがり。酸味が強いので、レモン汁は特に必要ありません。

他に凍らせてアイスクリームに添えたり、果実酒やジュースもいいですね!あちこちに穴場があるので、探してみてはいかがでしょう。

(北海道民医連新聞 2010年8月12日号より)
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2010年09月07日

Field-note 北の自然 ドクダミ

field-note259ドクダミ

庭のグランドカバーとして植えられるドクダミ。日陰や半日陰が好きで、薄暗い中に咲く白い花は清楚で可愛らしい印象です。でも愛らしいからとそのままにしておくと、どんどん増えて茂りすぎになってしまいます。これは地下茎を伸ばして増えるタイプの植物だからで、ほどほどの茂り具合にしておきたいのであれば間引きする必要があります。

そういう我が家もかなりの勢いで茂っているためたまに抜くのですが、臭いんですよね、この植物。傷つけると何とも言えない強い臭気が立ち込めるんです。この臭いの正体は、デカノイルアセトアルデヒドいう揮発性物質です。二日酔いの臭いの原因となるはアセトアルデヒドですが、それに近い構造を持っているというと何となく分っていただけるでしょうか。

この嫌な臭いに大切な役割があるということが研究で分かってきました。細菌やカビの増殖を抑える働きがあるらしいのです。ということは、手折ったドクタミを冷蔵庫の中に入れておけば、天然の消臭剤になるというわけです。ただし、代わりにドクダミ臭は我慢しなければなりませんけどね。

(北海道民医連新聞2010年7月22日)
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Field-note 北の自然 気の毒なテントウムシ

field-note258テントウムシ

死というのは誰もが避けては通れないものですが、それは人間以外の生き物でも同じこと。生まれてきたからには、いつかは死を迎えます。野生の生き物たちは、食う食われるの厳しい世界に生きているので、高齢になって衰弱死することは少なく、途中で何らかの原因で死を迎えることが多いと考えられています。

例えば私たちがよく目にするのは、交通事故死。私が今まで見たものでは、エゾタヌキ、アオダイショウ、コノハズク、キタキツネ、エゾリス、チョウ、カエルなどさまざまです。山道を歩けば、必ずと言っていいほどトガリネズミが転がっているし、私は一度電線に止まっていたカラスが突如目の前に落ちてくるという珍しい体験をしたこともあります。病気だったのか寿命だつたのかは謎ですが、実に印象的な死でした。

他にもびっくりしたのが写真のテントウムシです。アメリカオニアザミのとげに刺さったテントウムシ。おそらく、葉に止まろうと高度を下げた先に不幸にもとげがあったのでしょう。何ともお気の毒なテントウムシです。

(北海道民医連新聞2010年7月8日)
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Field-note 北の自然 ハシブトガラスの子育て

field-note257ハシブトガラス

初夏は、多くの生き物たちが繁殖シーズンを迎えています。写真のハシブトガラスもただ今子育て真っ最中。大食漢のヒナに餌を運ぶので大忙しと言ったところでしょうか。

ハシブトガラスはもともと森林性のカラスで、樹木の種子や果実、昆虫類を食べ、夕方になるとねぐらである山に帰っていきます。でも都心部にもたくさん暮らしていて、人間の出すゴミをあさったり、公園の樹木に営巣することも多く、たびたび問題になっています。「公園で遊んでいたらカラスが頭上すれすれを飛んでいってびっくりした」というような経験をお持ちの方もきっといらっしゃると思います。

繁殖期の親鳥は子どもを守るために必死なので、うっかり気づかずに巣に近づいてしまったときにこのようなことが起こります。時期的にはヒナも大きくなり、そろそろ巣を離れる頃ですので、巣に近づいてしまって威嚇されるということは少なくなると思います。

ただ、あまり数が増えすぎるとお互いにとって良いことではないので、餌となるゴミはカラスに突つかれないようにしっかりと管理することが大切です。

(北海道民医連新聞2010年6月24日)
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2010年08月01日

Field-note 北の自然 エゾヤマアカアリ

 field-note256エゾヤマアカアリ

 私たちが一番良く目にするアリは黒い色をしたものですが、少し山間部に行くと頭や体が赤い色をしたアリを見かけます。エゾヤマアカアリというアリで、草むらなどに枯れ葉や松葉を使って巣を作ります。松葉が小さな丘のようにこんもりと積もっていたら、それが彼らの巣なので、間違って踏みつけないようにどうぞお気をつけください。

 というのも、このアリはものすごく気性が荒く、うっかり踏んづけようものなら、わらわらと上ってきて皮膚に噛み付いてくるのです。その痛いこと! おまけにお尻からは蟻酸という酸っぱい液を飛ばして攻撃までしてきます。

 彼らの巣はいくつもの部屋が地下で繋がっていて、通常の大きさはおよそ1メートルくらいです。それが石狩湾沿いにある巨大コロニーは、なんと約2.7平方キロメートルもの大きさがあります。巣の数は約4万5千個、働きアリの数は推定3億600万匹、女王アリは100万匹にもなるというのですからびっくりです。このコロニーに気づかず間違って踏み込んでしまったら…考えただけで恐ろしいですね。

(北海道民医連新聞 2010年6月10日号より)
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Field-note 北の自然 ヤチダモ

 field-note255ヤチダモ

 昔から日本人に愛されてきた花、サクラ。茶色い野山に真っ先に彩りを添えるから、薄紅色が綺麗など理由はいろいろあるでしょうが、葉よりも先に花が咲くというのもあるように思います。花と一緒に緑の葉が茂っていたら、ちょっと違っていたかもしれません。

 同じように春、葉が開く前に花を咲かせる樹木があります。ヤチダモという樹木で、写真はこれから開こうとしている雄花のつぼみです。「これ本当に花なの?」と疑いたくなってしまうような変わった風貌ですよね。まるで枝にくっついたトリュフのよう。これがほどけるように開いてくると、今度はまるで珊瑚のようないでたちになります。
 
 お世辞にも綺麗とは言えない地味な花なのであまり注目はされませんが、この樹木の枝には、初冬に産み付けられた卵から生まれた子どものユキムシたちが暮らしているはずです。今はまだ白い綿を身につけてはいませんが、脱皮を繰り返して大きくなり、6月下旬ごろから見慣れた姿のユキムシがちらほら姿を現し始めます。群れにならないので目立ちませんが、ユキムシは夏ごろから飛んでいるんですよ。

(北海道民医連新聞 2010年5月27日号より)
タグ:ヤチダモ
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2010年05月20日

Field-note 北の自然 バイケイソウ

field-note 254 バイケイソウ

遅かった春がようやく訪れ、林床にはカタクリ、エゾエンゴサク、アズマイチゲなどの花々が咲き乱れています。そんな中、幾何学的な葉の形で存在感を誇っているのが写真のバイケイソウです。

湿り気のある土地に群生するこのユリ科の植物は、早春は写真のような形をしていますが、初夏に向けてぐんぐん背を伸ばし、大きなものでは高さ1.5メートルにもなります。とても大柄な植物ですが、ここまで大きくなるのには、順調に育ったとしても少なくとも90年はかかるそうです。葉が一枚の期間だけでも約40年にもなるというのですから気の遠くなりそうな話です。

バイケイソウは見た目とは裏腹に、花、葉、茎、根など全草にアルカロイド系の強い毒を持っています。特に根の毒は強く、殺虫剤として農薬に使われていたほどです。

芽出しの頃は山菜として食べられるギボウシに似ているので注意が必要です。

(北海道民医連新聞 2010年5月13日号より)
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2010年05月04日

Field note 北の自然 ヨモギ

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待ちに待った山菜のシーズンがやってきました。みなさんは、どの山菜がお好きですか? 私はダントツにヨモギです。これを食べないと春が来ないと思うくらいに大好き! 家の近くにはヨモギのたくさん摘める場所をしっかりと押さえてあります。そこはヨモギ畑とも呼べるほど一面に生え広がっていて、10分もあればカゴいっぱいに摘むことができます。これは、他の植物が発芽できないように、ヨモギが地下茎から化学物質を出しているためです。人間はその恩恵を受けているのですね。

ところで、以前沖縄旅行に行ったとき、スーパーの野菜コーナーに茎のすっかり伸びきったヨモギが並べてあるのを発見してびっくりしたことがあります。北海道では新芽しか食べないので、一体どうやって食べるのか不思議で仕方なかったのですが、葉を炊き込みご飯にきざんで入れたり、沖縄そばのトッピングにしたり、ヤギ肉を煮るときの臭み消しに使うことを後で知りました。ヨモギはとても栄養価が高く、特に鉄分はなんとホウレンソウの3倍もあります。沖縄の人に見習って、たくさん食べたいものですね。

(北海道民医連新聞 2010年4月22日号より)
タグ:ヨモギ
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Field-note 北の自然 テントウムシとアブラムシ

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春が近づくと、花屋さんの店先には、たくさんの鉢植えが並ぶようになりますね。先日かわいい四つ葉のクローバーの鉢植えがあったので、ひとつ買ってきて窓辺に飾りました。春らしいのが嬉しくて毎日眺めていたのですが、ある日、ヒメカメノコテントウという小さなテントウムシがついているのを見つけました。こんなところにいても餌は捕れないだろうし、このままお腹が空いて死んでしまうのかな、可哀想だな、と思っていました。すると数日後、今度は1本の茎にアブラムシが何匹もついているのを見つけたのです。テントウムシの好物はアブラムシです。アブラムシがいたからテントウムシはこの鉢植えに住み着いていたのだと納得。こんな小さな鉢植えの中で、ひとつの生態系ができあがっていることにちょっぴり感動しました。

でも困ったことに、一昨日からテントウムシがお出かけしたきり戻ってこないのです。このままでは鉢植えはアブラムシに占拠されてしまうので、道草を食ってないで早く戻ってきて欲しいものです。

(北海道民医連新聞2010年4月8日号より)
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2010年05月03日

Field-note 北の自然 ジンヨウイチヤクソウ

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植物の中には、葉をすっかり落として春を待つものと、葉を残したまま待つものの2つのタイプに分けられます。ジンヨウイチヤクソウは後者のタイプ。一年を通して緑の葉をつけています。

名前は、「葉が腎臓の形に似ているイチヤクソウ」という意味で、イチヤクソウ(一薬草)というのは利尿剤や強心剤、切り傷のぬり薬など、ひとつの薬草でいくつもの効用があることから名づけられたようです。

針葉樹林の林床によく生えている植物なのですが、葉だけのときは地面から数センチ、初夏に花が咲いても15センチ程度と小さいことと、この時期は他に目立つ花がたくさん咲くので注目されることは少ないかもしれません。

ですが、雪解けの林では真っ先に顔を覗かせてくれる植物で、丸い艶やかな葉には葉脈が浮き出るように白い斑 (ふ)が入っていてなかなか可愛らしいのです。山へお出かけの際は、ぜひ注目してみて欲しいなと思います。

(北海道民医連新聞2010年3月25日号より)
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2010年05月01日

Field-note 北の自然 飛びフンの理由

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久しぶりに洗車をして、ピカピカになった愛車を前に二ンマリ。でも、いざ出かけようとしたら、ボンネットには無残にも鳥のフンが…なんていう経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。私なんぞは車どころか自分の体にも引っ掛けられたことがあります。

全くもって迷惑な話ですが、鳥が飛びながらフンをするのにはこんな理由があります。空中を飛ぶためにはできるだけ体を軽くしなければなりませんね。そこでフンが少しでも溜まると、自動的に外に押し出す仕組みが鳥の体には備わっているのです。

軽量化の仕組みは他にもいろいろあって、普通、脊椎動物であれば骨の中は網目状になっているものですが、鳥は空洞になっています。翼が2メートルもある大型のグンカンドリでさえも、骨の重さはたったの100gしかありません。更に、雌の右側の卵巣と卵管は退化してしまって無いし、残った左側も繁殖期以外は大変小さくなっています。鳥たちは大空を滑空するのと引き換えに、無駄なものを一切脱ぎ捨てたのですね。

(北海道民医連新聞2010年3月11日号より)
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2010年04月07日

Field-note 北の自然 ニワウルシ

Field-note 北の自然 ニワウルシ

雪原を歩いていたら、頭上から「シャララララ」と透明感のある繊細な音が聞こえてきました。見ると枝先にぶら下がった二ワウルシの実が風に揺られて音を立てているのでした。ほとんどの樹木がとうの昔に種を落としている中、まだこんなにもたくさんの実をつけているとは、なんてのんびり屋さんなの!…と思わず言いたくもなりますが、どうやらそれにはちゃんと訳があるようですよ。

二ワウルシの実は、薄い翼の真ん中に丸い種がちょこんとくっついていて、サーフボードに乗ったサーファーのような姿をしています。これが風に乗ってふわりと飛んで行くのですが、枝先に長く残しておけばおくほど乾燥して軽くなり、風に乗りやすくなります。また、この実はしっかりとくっついていて、ちょっとやそっとの風では落ちません。弱い風と強い風、どちらが遠くまで種を運んでくれるのかを考えると、なぜだか理由が分かりますね。そう、より遠くに運んでくれる強風でしか落ちないよう、わざと落ちにくい仕組みになっているのです。遅くまで種を残しているのには、こんな理由があるのですね。

(北海道民医連新聞 2010年2月25日号より)
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2010年03月30日

Field-note 北の自然 マヒワ

Field-note 北の自然 マヒワ

マヒワは、冬越しのためにユーラシア大陸から、はるばる海を飛び越え北海道にやって来ます。大きさも見た目もスズメにそっくりですが、違いは色です。とっても鮮やかな黄色い衣を身にまとっています。

夏場ならよく似たカワラヒワという鳥がいますが、冬場はいないので、黄色い小鳥を見かけたらマヒワと思っていいでしょう。彼らは数十羽の群れになることが多く「チユイーン、ジュイーン」 と賑やかに鳴きながら、大好きなシラカバやハンノキの実をついばむ姿が、毎年これからの時期見られます。ただ、今年はどうも冬鳥の数がとても少ないようなのです。その少なさは冬鳥の極端に少なかった2004年に次ぐほどで、定番のツグミやアトリさえもあまり見かけないほどです。渡りの途中で餌が豊富にある年は日本まではやって来ないので、今年もそうなのかもしれません。人間にはちょっぴり寂しいですが、鳥たちにとってはいいことですね。

(北海道民医連新聞2010年2月11日号より)
タグ:マヒワ 冬鳥
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2010年03月07日

Field-note 北の自然 ノリウツギ

Field−note 北の自然 ノリウツギ

冬の野山で、枝先にぶら下がっている可愛らしい花を見つけました。とは言っても生花ではなく、自然の風にさらされてできた天然のドライフラワーです。この花はノリウツギと言って、北はサハリンから南は九州まで分布する、高さ2〜3メートルになる落葉低木です。ノリウツギ(糊空木) という名は、むかし内皮から採れる粘液を和紙作りに利用したことと、枝が空洞になっているところから名づけられました。北海道ではサビタとも呼ばれますが、これはアイヌ語ではなく東北のなまりが北海道に伝わったものです。

大きな花のように見える部分は飾り花と呼ばれる虫を呼び寄せるためのイミテーションで、本物の花は黒く小さく結実しています。冬になっても花を落とさない姿は人々の関心を呼ぶのでしょう。和歌山県南部では娘を嫁に出すときに 「ノリウヅギの花が無くなるまで帰るな」と言って送り出す地域があるのだとか。他に、ある美しい女性が村の男性に恋心を打ち明けられたがどうしても気乗りせず「ノリウツギの花の散る頃には…」と返事をし、一向に散らない花に男性の恋は実らなかったという物悲しい話もあります。

(北海道民医連新聞 2010年1月28日号より)
タグ:ノリウツギ
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2010年01月02日

field-note 北の自然 美しく装うオスたち

Field-note 北の自然 新春特番

皆様、新年明けましておめでとうございます。今年も自然が身近に感じられるような、楽しい記事をお届けしていきたいと思いますので、一年間どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回は進化についてお話したいと思います。進化論というと、高校の教科書にも載っているイギリスの産業革命のお話が有名ですね。どんなお話だったか、ちょっとおさらいしてみましょう。イギリスにはオオシモフリエダシャクという、白っぽいまだら模様の蛾がいるのですが、産業革命以後この蛾が黒く変化しました。林立する工場から排出された黒煙によって、木の幹にくっついていた地衣類(コケのような植物)が死んでしまったことと、幹自体が黒く染まったのが原因です。隠れ蓑となっていた地衣類が無くなり、加えて幹が黒くなってしまったのでは、天敵の鳥たちに 「私はここにいますよ」と教えているようなものです。結果、それまでは僅か一割ほどだった突然変異である黒色の蛾が、50年間の間になんと9割を占めるまでにもなったのです。これは蛾が「黒い方が見つかりにくいみたいだぞ。よし、黒色に変身しよう!」と思ったわけではなく、たまたま黒色の蛾がこの時の環境に適していたことから生き残り、その遺伝子が受け継がれたため数が増えたというものです。このように生物は、突然変異を繰り返しながら、その時の環境に最も適したものが生き残っていく仕組みを持っています。

ところで、生物の中には、どう見ても生きていくのに不利なんじゃないかと思うような風貌をしたものも数多くいます。例えばクジャクの雄。地面を引きずるほど長い尾羽はいかにも邪魔くさそうだし、派手な色や目玉模様は敵に見つけてくれと言わんばかりです。それでも生き残ってきたのは、雌がそういった雄を結婚相手として選んできたからで、目玉模様の数や尾羽の長さが相手選びの重要な基準になっているのです。ただ、あまりにも派手すぎたり動きにくいようでは命そのものが脅かされてしまうので、そのあたりは絶妙なバランスの上に成り立っています。

オシドリ

写真のカモたちも雌のお目に叶うよう、美しく進化してきました。カモの雄はどの種類もカラフルで実に個性的。種類によって模様が全く違うのは、水面に集まったときに雌が間違って他の種類の雄を選ばないようにするためです。ただ、目立つということはそれだけ敵にも見つかりやすいということなので、繁殖期以外は雄も雌と同じような茶色い目立たない色をしています。こうして、雌の気を引く美しさと、天敵から身を守るという二つのバランスをうまくとっているのです。

オナガガモ

それにしても雄たちの美しいこと。特にオシドリは十二単(じゅうにひとえ)をまとっているかのように艶やかです。雌の選択によってここまで進化したということが分かってはいても、思わず「面食いなんじゃないの」と突っ込みを入れたくなってしまいます。

マガモ

(北海道民医連新聞 2010年1月1日号より)
タグ:進化論
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2009年12月25日

ツリバナ

Field-note 北の自然 ツリバナ

葉をすっかり落として休眠に入った樹木が、次世代をつなぐために枝先に残しているのが実です。中でもよく目立つのが写真のツリバナ(吊花)です。真っ赤な鞘がパカッと割れて、中から朱色の種がぶらんとぶら下がっている姿はユーモラスです。この実を食べるのは鳥たちで、バクリと食べた後、種はフンとなって地面に落とされ春に芽を出します。

ただひとつ気になるのが、実は種の上に薄い皮を一枚まとっているだけで、果肉というものがほとんど無いのです。ということは鳥にとって栄養になる部分がほとんど無いと言うことになります。それでも冬の終わりにはすっかり無くなるところをみると、鳥にとって何か特別な効用のある成分が含まれているのか、それともただ単においしそうな見た目に騙されているのか…。

いずれにせよ果肉を作らなくて良いというのはローコストで済むわけで、ツリバナに限らず、植物は効率よく子孫を残すために知恵を絞っているのです。

(北海道民医連新聞2009年12月10日号より)
タグ:ツリバナ
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2009年12月21日

field-note 北の自然 ペリット

Field-note 北の自然 ペリット

タカやフクロウなどの猛禽類と呼ばれる鳥たちは、ネズミや小鳥、昆虫が大好き。堅い骨や羽、殻があってもへっちゃらで、丸ごとバリバリ食べてしまいます。でもそのままフンと一緒に出すにはちょっと具合が悪い。そこでどうするのかと言うと、丸めて口からペッと吐き出してしまうのです。それがペリット(写真)と呼ばれるもので、一見動物のフンに似ていますが、粘土状のものが含まれるフンに対して、ペリットは全てが未消化物でできているため見分けがつきます。写真のペリットは森め中で見つけたもので、ほぐしてみるとネズミの毛や骨、少量の小鳥の羽が入っていました。環境や内容から言って、おそらくフクロウのものでしょう。

他にもペリットを吐くものに、カラスやカモメ、カワセミなどがいます。大きさや内容、落ちていた環境から、どの鳥のものなのかが推測できるし、その鳥の意外な一面が見つかることもあります。ペリットは鳥たちの生活を知る、有力な手がかりなのです。

(北海道民医連新聞2009年11月26日号より)
タグ:ペリット
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2009年12月20日

field-note 北の自然 オカダンゴムシ

Field-note北の自然243

明治時代に、ユーラシア大陸から渡来物に紛れてやってきたオカダンゴムシ。今では日本全国に広く生息しています。手のひらに乗せると、まん丸のチョコボールのようになって可愛いですよね。彼らはエビやカニと同じ甲殻類の仲間で、堅い甲羅に覆われているところがよく似ています。

丸まる習性には、二つのわけがあります。ひとつはアルマジロのようにお腹の部分を隠して敵から身を守るため。もうひとつは、乾燥を防ぐためです。というのも彼らは乾燥に弱く、夏の暑さが大の苦手。暑くなると 「こりゃたまらん!」とばかりに、石や落ち葉の下に潜って丸くなってしのぎます。おそらく彼らの祖先はもともと海の中に暮らしていて、段々と陸上生活ができるように進化してきたのでしょう。乾燥に弱いのは、海で生活していた名残なのかもしれません。

冬は、地上から数センチの土の中に潜って冬眠します。今頃はもう眠りについているかもしれませんね。来年の春までゆっくりお休みなさい。

(北海道民医連新聞 2009年11月12日号より)
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