2007年05月12日

映画評 日本の青空

日本の青空
北海道民医連新聞2007年4月26日号より。1.39MB(03:01)

共感と確信の拍手 胸打つ日本国憲法誕生の真相

いよいよ憲法をめぐって曖昧な態度が許されない事態に直面している。
 「国民投票法案」に最低投票率を定めないのは「国民の関心が薄い憲法改正においては最低基準に達しない可能性がある」と自民党憲法調査会の保岡興治会長が言い放った。「何が何でも九条改悪を」と国民を欺きつづける傲慢な姿勢にむらむらと闘志がわきあがる。
 憲法施行60年記念映画「日本の青空」を試写会で観た。すべてを忘れ、スクリーンに吸い込まれた2時間ちょっと。気がつけば会場いっぱいの人たちの共感と確信の拍手が波打った。あの戦争で肉親を何人も失った私の祖父や両親はどんな思いで憲法の施行を受け止めたのか---。映画をみながら、終戦時の祖父や両親の心の空洞が、平和憲法という「青空」につながって行くイメージが私の中でふくらんでいった。
 映画は若い雑誌記者を狂言回しに、憲法がアメリカの押しつけではなく、学生時代に治安維持法違反で逮捕された経歴を持つ鈴木安蔵らが、戦後、自主的な「憲法研究会」をつくって世界の憲法、日本の自由民権運動で検討された憲法草案などの研究を続け、GHQ案に多大な影響を与えた過程を史実に基づいて明らかにしている。日本国憲法は占領軍の押し付けなどではなく、日本の民主主義の伝統を受け継ぎ、戦争と抑圧の時代をへて平和と基本的人権を求める人々の願いを表したものであることが鮮やかに示される。靖国問題、従軍慰安婦問題など、日本がいまだに侵略戦争に無反省な理由、安倍首相が浅はかな「押しつけ憲法論」に陥っている事も、戦後の日本の機軸を定める動きの中で理解させてくれる。
 「平和憲法、守れ」の思いを映画化するために努力した「映画人九条の会」の人たちのがんばりに心から拍手を送りたい。そしてその思いに応えて、この映画をすべての「九条の会」が取り上げ、上映運動を広げるべきとの思いを強くした。
 民医連の全職員が、2時間チョットの時間、「日本の青空」に身と心をゆだねてみよう。きっと、これからの社会に向き合う姿勢に、太い軸足が築かれることと思う。(佐藤誠一)
posted by kin-ikyo at 11:57| Comment(0) | TrackBack(2) | 新刊・映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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