2010年09月14日

健康ウォッチ「プライマリ・ケア」のはなし

勤医協札幌クリニック院長 加藤達也医師

内科や小児科など診療科の垣根を越えて、幅広く診療に当たる「プライマリ・ケア」と呼ばれる医療に注目が集まっています。言葉をテレビや新聞などで目にすることも多いと思います。今回は、「プライマリ・ケア」を専門としている札幌クリニックの加藤達也院長にお聞きしました。

◆プライマリ・ケアとは

私が専門としている 「プライマリ・ケア」は「かかりつけ医」 「家庭医」 「総合診療医」ともほとんど同じような意味で使われています。

文字通りで言えば、"1次医療"または"基本的医療"となります。広い意味では、皆さんが健康な生活をおくることができるよう、地域住民の方がたとの身近さ・つながりを大切にして、問題が起きているときだけではなく、問題が起きないようにする予防段階から、患者さんとかかわりをもつ考えのことです。

さらには、患者さんや患者さんの家族を取り巻く環境、これまでの生活背景などにも気を配り、特定の臓器や病気にこだわらず患者さんが抱える問題に、多くの医療従事者とも協力しながら幅広く対応する保健・医療・福祉の実践として、最近は考えられています。

◆患者さんに寄り添う医療を行う

現在わが国の医療は少子高齢化の進行、医師不足問題など、複雑な状況の中にあります。

慢性的な医師不足に悩む地域医療の現場では、「自分たちの努力だけではもう持ちこたえられない」と悲鳴とも思われる声が上がっています。そのような地域医療の実情に対して「プライマリ・ケア医」をかなめとした医療システム作りが進んできています。

病院の専門医の疲弊や医療の地域格差など、わが国の医療問題を本質的に解決する「処方せん」 として、患者さんを幅広く、継続的に診察し、保健・医療・福祉への道案内をする 「プライマリ・ケア医」 の視点が必要であることを強調したいと思います。

そして、患者さんに寄り添った医療を行う「プライマリ・ケア医」 を主治医として持つことが、皆さんの「安心・満足」 の願いに応える重要なことのひとつだと考えています。


プライマリ・ケア医として加藤院長が心がけていること

1)自分に何ができるかではなく、「患者さんが何を求めているか」を基準にする。それに真摯に応えようと努力する。つまり「患者さんによって自分を変える」

2)患者さんや病気・問題の種類によって差別をしない。けっして最初から否定せず、まずは受け入れる。

3)病気だけでなく、精神面や社会的な問題も重視する。病気に対応するだけではなく、その患者さんの不安を解消する、その患者さんの社会的な立場を守る、ということも重要。

4)臓器、ヒトにとどまらず、家庭・地域の事情や状況も重視する。

5)診療室に来ない(来られない)方のことも考慮する。本当に深刻な患者さんこそ「プライマリ・ケア」の出番である。

(北海道勤医協友の会新聞2010年9月1日号より)
posted by kin-ikyo at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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