2010年05月20日

「最期まで家にいたい」の願いに応えて

看護現場からの発信
勤医協月寒診療所の看護スタッフ

月寒医院は、07年に在宅支援診療所として認可され、現在約60人の訪問診療を行っています。最初の1年に自宅で最期を迎えられたのは1人でした。08年が3人と少しずつ増えて、09年に亡くなられたのは6人でした。がん末期の患者さんや老衰による自然死の人たちです。

◇ ◇ ◇

Aさん (77歳・女性) は糖尿病、C型肝炎などで定期的に通院されていましたが、08年に肝臓がんを発病しました。6回にわたり入院治療を行いましたが、進行を止めることはできませんでした。がんの進行により、積極的な治療が困難となってからは、当院での看取りをふまえてのかかわりとなりました。Aさんの夫も08年より入院中で、同じ敷地内に住む娘さんが身の回りの世話をしています。週2,3回の点滴治療で肝不全の防止を行っていましたが、腰椎圧迫骨折を発症し、入院での安静治療後、訪問診療開始となりました。

「もう入院したくない」「家にずっといたい」とAさんから意思表示があり、娘さんは本人の希望をかなえてあげたいと話されました。訪問診療だけでなく、訪問看護の導入や介護保険でのベッドのレンタル、歩行器のレンタルなども行いました。肝性脳症の悪化や、排便コントロールがうまくいかず脱水になることもありましたが、臨時の訪問診療も頻回に行いながら在宅療養を支えていました。

病状が悪化するとともに、娘さんにかかる負担がしだいに大きくなり、孤軍奮闘の毎日となりました。

Aさんは緩和ケア病棟への入院も何度か口にしましたが、「やっぱり家に…」 と入院を望まず、娘さんも本人の意思を尊重する結果となりました。亡くなる1週間前には、毎日の往診、訪問看護、外来看護師の訪問を繰り返しながら、娘さんご夫婦に看取られて最期を迎えられました。

後日、ご自宅を訪問すると娘さんは、「入院も考えましたが、母が願っていたように自宅で最期を迎えることができ、私もやってあげられることをやれたので、良かったです。本当にたくさんお世話をかけました」と話してくれました。

在宅で最期を迎える家族の方がたは、「入院したほうが手厚い看護が受けられるのではないか」 「いろいろな症状が出たときに、自分たちではどうしていいのかわからない」 など不安を抱えています。すべての不安をとりはらうことはできませんが、患者さんや家族にとって、どうすることが良いのか、私たちにできることをお知らせしながら、患者さんや家族の願いに応えられるように今後も対応していきたいと思います。(勤医協 月寒医院 看護師 青柳 真弓)

(勤医協新聞2010年5月11日号より)
ラベル:自宅で最期
posted by kin-ikyo at 15:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 看護現場からの発信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。