2010年05月04日

健康ウォッチ 子宮頸がんワクチンのはなし

nagasima_kaori

子宮頸がん(図1)は妊娠する世代に多く、20〜30代の女性に最も多く発症します。初期症状は無く、ゆっくり進行するので定期的にがん検診を受けることが大切です。不正出血が出現する時期では進行状態のため子宮切除が避けられなくなり、命までが脅かされます。この子宮頸がんを予防できるワクチンが開発され、病院で接種できるようになりました。

HPV-pic1.gif

◆子宮頸がんの99%はヒト・パピローマウイルス (HPV) の感染が原因

以前より子宮頸がんの原因は性交で感染するウイルスであるとわかっていました。性交経験のある女性なら、誰でも頸がんになるリスクがあると言えます。

(図2)のように性的接触により、がんをひきおこす高リスクHPVが子宮の入り口の正常細胞に感染します。

この感染はまれではありません。性交開始から数年以内に感染するとされ、80%の女性が一生の間に一回以上は感染するといわれます。幸いなことに、HPV感染の90%は自然に治ります。しかし、持続感染状態となったときに、前がん病変から子宮頸がんに移行する可能性が出てきます。

HPV-pic2.gif

◆性的接触の始まる前にHPV予防ワクチン接種が望ましい

発がん性HPVは15種類はどありますが、子宮頸がんの原因の60%は16型と18型であることが解明されています。現在、この2タイプに対する予防ワクチンの接種が可能です。

性行動の開始が早くなっていることも考慮すると中学生ぐらいで接種しておくことが望ましいでしょう。

すでに性交経験のある人も、2タイプの感染がないとわかっていれば予防のために接種しておくといいでしょう。

感染有無の検査は婦人科外来で行えるので相談して下さい。

◆ワクチン接種は「こども診療所」「産婦人科外来」で

中学生にとって産婦人科外来は受診しずらいかも知れません。

こども診療所でもがん予防ワクチンは受けられます。どの年代でも、すでに性交経験がある場合は、産婦人科であらかじめ子宮頸がんの検査を受けることをお勧めします。

すでに16型と18型に持続感染している場合、ワクチンに治療効果はありません。

◆ワクチン接種の回数と費用

半年の間に3回のワクチン接種をします。接種は上腕への筋肉注射で、副作用ははとんどが注射部位の発赤・かゆみぐらいです。

費用は、自費医療のため3回分で約4万5千円かかります。本来は公費で接種したいワクチンなので、女性の健康を推進する各種団体から署名活動が始まっています。

◆ワクチン接種後も定期的に子宮頸がん検診を

ワクチンを接種したことで、60%は子宮頸がん予防ができますが完全ではありません。他のタイプによるがん発症もあり得るので、性行動が始まったらがん検診を1年に1回は受診することを勧めます。(図3)

妊娠してから初めてがん検診を受ける方が多いですが、HPV持続感染状態となっている人がいます。特に10代の妊婦さんで多いことが問題になっています。

思春期の子どもたちに、性行動でおこり得ることの中に子宮頸がんもあることを話していただきたいと思います。

HPV-pic3.gif

*子宮頸がん予防ワクチンは、勤医協札幌病院と菊水こども診療所で予約を受け付けています。
(問合せ先)
勤医協札幌病院я纒\(011)811−2246
菊水こども診療所я纒\(011)833−3633

(北海道勤医協友の会新聞2010年5月1日号より)
posted by kin-ikyo at 17:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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