2010年05月04日

認知症の独居高齢者をともに支えて

看護現場からの発信
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Aさん(79歳・男性)は、2008年10月、上砂川町外の医院より地域包括支援センター(以下包括)を通して当診療所に紹介された患者さんです。病名は糖尿病、高血圧症、認知症です。

前医では、処方されたインスリンを5日間で使いきるなど、低血糖による昏睡で救急搬送をくり返し、内服治療に変更となりました。認知症もあり車の運転が危険なことから、町内の当診療所へ通院することになりました。

09年8月頃から、しだいに内服薬の管理もできなくなり1日に朝の薬を4〜5回服用してしまうことをくり返すようになるなど、認知症の進行が懸念されました。生活状況を確認するため何度か訪問をするうちに、わかってきたことがありました。Aさんは持家にひとり暮らしです。子どもたちとは疎遠で、友人や近所の方に相談ごとを聞いてもらったり、食事の差し入れを受けていました。多額の借金があり、介護保険料も滞納していたためペナルティを課せられ、介護サービスは3割負担でないと利用できない状況であることもわかりました。

冬を迎える季節となり、早急にAさんの生活を立て直す必要がありました。経済的な問題もあることから、包括と合同のカンファレンスを行うなど、共に支援していくことになりました。介護申請を行い、11月には町内のショートステイに入所することができました。

私たちが考えたAさんにとっての最良の選択は、ショートステイに春まで入所してもらい、その後は、当診療所の2階部分に5月から稼動する有料老人ホームヘの入所をめざすというものでした。しかし、Aさんは無断外出をしてしまい、継続入所を断られ、今後の生活の場を再度探すことになりました。

Aさんは自宅へ戻ることは希望せず、入居施設が見つからない場合は、精神科に入院する意向でした。包括を中心に、可能な限りグループホームやその他の介護施設を探しましたが受け入れ先がなく、12月に町外の精神科へ長期入院となりました。

Aさんの事例は、行政との連携で困難な局面を乗り切ることができましたが、私たちが当初考えた「有料老人ホームヘの入所」 とはなりませんでした。しかし、様ざまな経過のなかで、Aさんの思いに寄り添って援助していけたのではないかと思っています。民医連の看護を実践していくには、患者さんに寄り添い、ともに闘病や療養、生活を援助するために、足を使い訪問することが基本にあると思います。これからも地域の方の健康と生活を守れるよう、努めていきたいと思います。(上砂川診療所 看護師 吉成 ルミ)

(勤医協新聞2010年4月11日号より)
posted by kin-ikyo at 15:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 看護現場からの発信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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