2010年01月02日

field-note 北の自然 美しく装うオスたち

Field-note 北の自然 新春特番

皆様、新年明けましておめでとうございます。今年も自然が身近に感じられるような、楽しい記事をお届けしていきたいと思いますので、一年間どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回は進化についてお話したいと思います。進化論というと、高校の教科書にも載っているイギリスの産業革命のお話が有名ですね。どんなお話だったか、ちょっとおさらいしてみましょう。イギリスにはオオシモフリエダシャクという、白っぽいまだら模様の蛾がいるのですが、産業革命以後この蛾が黒く変化しました。林立する工場から排出された黒煙によって、木の幹にくっついていた地衣類(コケのような植物)が死んでしまったことと、幹自体が黒く染まったのが原因です。隠れ蓑となっていた地衣類が無くなり、加えて幹が黒くなってしまったのでは、天敵の鳥たちに 「私はここにいますよ」と教えているようなものです。結果、それまでは僅か一割ほどだった突然変異である黒色の蛾が、50年間の間になんと9割を占めるまでにもなったのです。これは蛾が「黒い方が見つかりにくいみたいだぞ。よし、黒色に変身しよう!」と思ったわけではなく、たまたま黒色の蛾がこの時の環境に適していたことから生き残り、その遺伝子が受け継がれたため数が増えたというものです。このように生物は、突然変異を繰り返しながら、その時の環境に最も適したものが生き残っていく仕組みを持っています。

ところで、生物の中には、どう見ても生きていくのに不利なんじゃないかと思うような風貌をしたものも数多くいます。例えばクジャクの雄。地面を引きずるほど長い尾羽はいかにも邪魔くさそうだし、派手な色や目玉模様は敵に見つけてくれと言わんばかりです。それでも生き残ってきたのは、雌がそういった雄を結婚相手として選んできたからで、目玉模様の数や尾羽の長さが相手選びの重要な基準になっているのです。ただ、あまりにも派手すぎたり動きにくいようでは命そのものが脅かされてしまうので、そのあたりは絶妙なバランスの上に成り立っています。

オシドリ

写真のカモたちも雌のお目に叶うよう、美しく進化してきました。カモの雄はどの種類もカラフルで実に個性的。種類によって模様が全く違うのは、水面に集まったときに雌が間違って他の種類の雄を選ばないようにするためです。ただ、目立つということはそれだけ敵にも見つかりやすいということなので、繁殖期以外は雄も雌と同じような茶色い目立たない色をしています。こうして、雌の気を引く美しさと、天敵から身を守るという二つのバランスをうまくとっているのです。

オナガガモ

それにしても雄たちの美しいこと。特にオシドリは十二単(じゅうにひとえ)をまとっているかのように艶やかです。雌の選択によってここまで進化したということが分かってはいても、思わず「面食いなんじゃないの」と突っ込みを入れたくなってしまいます。

マガモ

(北海道民医連新聞 2010年1月1日号より)
ラベル:進化論
posted by kin-ikyo at 18:11| Comment(0) | TrackBack(0) | Field-note 北の自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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