2009年12月01日

健康ウォッチ 一歩進んだウオーキングのはなし

勤医協中央病整形外科院大川匡科長

■メタボとロコモ

日本の人口は減少に転じ、団塊世代がリタイアする年齢となりました。高齢者の数も比率も、ますます増えて行きます。自立していきいきと暮らすには健康が欠かせません。

実際、介護を受ける人は増えています。その原因はさまざまですが、脳卒中23.3%、心疾患4.3%、糖尿病2.7%=30.3%はメタボ(※1)が原因で、衰弱13.6%、関節疾患12.2%、骨折転倒9.3%=35.1%はロコモ(※2)が原因です。認知症14.0%とメタボ、ロコモは要介護の3大要困です。(数値はH19年国民生活基礎調査による)

ウオーキングを始める前にロコモチェックしてみましょう。「5つのロコモチェック」心当たりはありませんか?

(1)片脚立ちで靴下がはけない
(2)家の中でつまずいたり滑ったりする
(3)階段を上るのに手すりが必要である
(4)横断歩道を青信号で渡りきれない
(5)15分くらい続けて歩けない

ひとつでも心当たりがあればロコモの疑いあり。健康づくりのウオーキングで転倒骨折したり、膝を痛めてしまうかも知れません。お近くの日整会認定運動器リハビリテーション医、または中央病院整形外科(堺、大川、中田ほか) に、ご相談ください。安全に足腰を強化するロコトレ (ロコモーショントレーニング)をお勧めします。

■ウオーキングは一番身近な運動

ロコモチェックは大丈夫でしたか? それではメタボ予防・対策にレッツ・ウオーキング!

メタボは内臓脂肪過剰が始まり。脂肪を燃やす、体を動かす習慣をつけましょう。運動そのものでエネルギーを消費するだけでなく、身体機能が活性化したりすることにより、血糖や脂質がたくさん消費されるようになり、内臓脂肪が減少しやすくなります。その結果、血糖値や脂質異常、高血圧が改善されて生活習慣病の予防につながります。ウオーキングはいちばん身近な運動。何も買わなくてもどこへ行かなくとも始められます。

まずはプラス1000歩を目標に、今よりすこしだけ、たくさん歩いてみましょう。1000歩はおよそ10分です。こまめに動いて家事をすれば、それだけでも1日1000歩ぐらいは増やせます。拭き掃除でも物干しでも、買い物や友達の家を訪ねても良いではありませんか。歩数計があれば、こまめに歩いた成果が数値で見えます。数値目標を立てるのも励みになります。だんだんと増やして1日1万歩を目指しましょう。

■さらにしっかり歩きたい方は

さらにしっかり歩きたいならば、運動靴(スニーカー) を履きましょう。とはいえメタボ対策運動はきつくないようするのがコツ。きつい運動は短時間しかできないのでカロリーを消費しない、血圧が上がる、関節の故障を招くなど、中高年のメタボ対策には逆効果です。鼻歌を歌いながらできるぐらいが良い加減。やや楽〜ややきついくらいで、会話や景色を見るなどの余裕があり、30分以上続けられること。ふつうの歩きは 毎分65mぐらい。糖尿病の方は食後20〜30分頃にふつう歩きがよいです。高血圧の方は力まない。階段登りなどきつい運動は血圧が上がります。冬は寒さを避けて大きなショッピングセンターの中を歩くのがよいでしょう。

高脂血症には速歩が向いています。速歩は毎分100m。(図1)のように肘を曲げ歩幅を大きく、足を伸ばして歩きます。両手にストックを持って歩くノルディック・ウオーキングもいいですね。腕の運動も加わるので、カロリーの消費が多く肩こりが軽くなることもあります。さらに両手に杖のおかげで転倒する危険が少なくなります。(専用のストックは、お値段がはります)

骨粗しょう症の方には「どすんどすんウオーキング」。少し衝撃的な力を加えることで骨が丈夫になります。太腿から足を上げ、足裏全体でどんと降ろします。まずは椅子に座ってやってみましょう。左右それぞれ15回。なれたら腿上げ・膝上げでどすんと足裏全体を降ろして歩いてみましょう。

どうか健康づくりで体をこわさないでください。胸が締め付けられる感じや異常な汗がでたときは、メディカル・チェックを受けましょう。狭心症・心筋梗塞の可能性があります。膝や足関節が痛いときはレントゲンを撮りましょう。すでに関節症なのかもしれません。少しずつ距離と強度をアップして、レッツ・ウオーキング!

速歩の理想的なフォーム

(※1)メタボ:メタボリック症候群
糖尿病などの生活習慣病は、それぞれの病気が別々に進行するのではなく、ぉなかのまわの内臓に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満が大き<かかわるものであることがわかってきました。

内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態を、メタポリック症候群(内臓脂肪症候群)といいます。

内臓脂肪が過剰にたまっていると、糖尿病や高血圧症、高脂血症といった生活習慣病を併発しやすくなってしまうのです。

しかも、「血糖値や血圧がちょっと高め」といった、まだ病気とは診断されない予備群でも、併発することで、動脈硬化が急速に進行します。メタボを防ぐには一に運動、二に食事、しつかり禁煙、最後に薬です。

(※2)ロコモティブ症候群
運動器の障害すなわち骨折や関節症などで寝たきりになる危険性が高いことをロコモティブ症候群といいます。

蒸気機関車SLは…Steam(蒸気)Locomotive(機関車)。
手足など動くための器管「運動器‥Locomotive organ」。

(北海道勤医協友の会新聞2009年11月01日号より)
posted by kin-ikyo at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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