2009年03月16日

患者さんの思いに寄り添い、ともに考え、歩む看護の実践

看護現場からの発信
勤医協神威診療所スタッフ

Tさん(55歳女性)は、高血圧症と20年来の糖尿病の患者さんです。夫は炭鉱夫でしたが閉山後まもなくから病気療養となり、Tさんは家計を助けるため介護施設で変則勤務のパートとして働いています。糖尿病のコントロールが徐々に悪化し、内服治療が限界と思われた昨年7月、医師よりインシュリンによる治療方針が説明され、一旦は了承されました。しかし、次の受診時に「勤務時間が1週間ごとに変わるため、インシュリンを打つのは難しい。何とかインシュリンを使わないでよくなりたい」 と思いを話されました。私たちはTさんの思いを実現しようと、一緒に目標を持ち患者参加型看護計画を実践していくことを確認しあいました。

病気の現状と仕事、食生活、運動などを把握しながら、間食はせずに1日の摂取カロリーを守ること、運動の習慣をつけて体重を減らすことなどTさんと今できる目標を一緒に定めました。目標の達成状況は一進一退を繰り返しました。不規則な労働からくる食生活のみだれで、間食がなかなかやめられないことについては看護集団も頭を悩ませました。

体重コントロールについても、趣味で行っていたバレーボールを主体に散歩を位置づけましたが、冬場に入って外出の機会も少なくなり、思うようにはすすみませんでした。

糖尿病との付き合いが長いTさんは、病気や療養生活に対する理解もあります。療養指導にあたる外来看護師全員が、患者さんの努力と苦悩、思いに心寄せながら、「患者さんのできることをもっと引き出していこう」 「本人がまた頑張ってみようと思える工夫をしていこう」 と心がけてきました。

年末にかけて食生活が大きく崩れたときに、「もうダメ」 というTさんに何とか食生活を立て直そうと励まし一緒に考えあいました。目標を『体重を減らす』から 『これ以上体重が増えないように』 と修正し、Tさんからは 「家に昔使っていた運動器具があるので、それで腹筋運動を少しずつ行いたい」との積極的な提案がなされました。

試行錯誤しながらもTさんの事例を通して私たちは、患者さんの思いにしっかりと寄り添い、頑張る力を引き出していく看護実践に確信をもち、患者さんとともに歩む看護をこれからも続けていきたいと思います。

現在、Tさんは、糖尿病の内服治療を継続し、ヘモグロビンA1Cは昨年7月の8.0から今年1月時点では6.2まで改善されています。

勤医協神威診療所 看護師・諏訪 京子

(勤医協新聞2009年3月11日号より)
posted by kin-ikyo at 09:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 看護現場からの発信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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