2009年03月02日

かなえられた!帰りたい希望 苫小牧病院・3病棟

看護現場からの発信
看護現場からの発信 苫小牧病院3病棟スタッフのみなさん

 苫小牧病院3病棟は38床の回復期リハビリ病棟です。最近は認知症や胃癌の造設などにより、自宅での介護が困難となるケースが多く、在宅復帰率も60%〜70%と決して高い状況ではありません。今回、介護力不足により自宅への退院が困難と思われましたが、本人と家族が希望する自宅への退院が実現した事例を紹介します。

◇ ◇

 Aさん(80代・女性)は、脳梗塞で左片麻痺。座位バランスが不安定で、起立・歩行も困難なため、スタッフ2人での介助が必要な状態でした。十数年前から尿閉により自己導尿をしていましたが、急性腎不全で他院入院中にバルンカテーテルを挿入。知的障害、右片麻痺のある次男と2人暮らしで、近所に住む長男が主介助者でした。当初は、施設入所の方針でしたが、Aさんは 「障害のある次男をおいたまま自分だけ施設に入ることは出来ない」 と自宅での生活を強く望んでいました。長男は 「母が自宅に帰りたいのなら自分が世話をする」と自宅退院に方針を変更しました。

 その後、私たちは話し合いの場を作り、自宅退院に向けてプランを立てていきました。長男に都合が付く限り来院してもらい、移乗介助、きざみとろみ食の調理指導を行いました。排便処理を心配するAさんの気持ちを聞き、トイレで排便習慣がつくよう毎日同じ時間にトイレに誘導するようにチームでとりくみ、ほぼ毎日自然排便できるようになりました。毎朝病棟で行っている立ち上がり体操にも積極的に参加し、10回の目標から始めて、少しずつ筋力も向上しました。

 最終的に在宅生活ができるかどうかを判断するために、試験外泊をすることにしました。経済的なことを考慮し当院通所リハビリから電動ベットを借り、病棟からポータブルトイレと車椅子を貸し出し、当院委託の運転手さんに自宅まで搬送してもらいました。なんとか退院後の生活がイメージでき、サービスを最終調整し退院となりました。

 自宅に帰りたい希望を持ちながら、家庭内の諸事情や、経済的な理由、介護力の不足などにより、在宅での生活を断念せざるを得ない方も少なくありません。在宅での生活に向け1つひとつの問題点を患者さんと家族と共に解決して、安心して在宅を目指していけるよう援助していく大切さを知るケースとなりました。今後も患者さんや家族の気持ちに応えられるよう、一人ひとりが笑顔で退院の日を迎えられるようにチームでとりくんでいきたいと思います。(看護師・斉藤小百合)

(勤医協新聞2009年2月11日号より)
posted by kin-ikyo at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 看護現場からの発信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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