2008年10月31日

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

今石医師睡眠時無呼吸症候群

 睡眠時無呼吸症候群(以下SAS) は、2003年の新幹線運転士の居眠り事件以降、社会的にも注目されるようになってきました。該当者は人口の4〜6%程度ともいわれており決して珍しい病気ではありません。

 睡眠時の呼吸停止や大きないびきの他に、昼間の耐え難い眠気、夜中に何度も目が覚める、夜間頻尿、集中力の低下、性欲減退、起床時の頭痛などの症状がありますが、本人が気づかず家族などの指摘で初めて気づくことも多いようです。

 日中の眠気のために交通事故や労働災害、学業や作業能率の低下などを引き起こすため社会的な影響が大きいだけでなく、近年では高血圧や虚血性心疾患、不整脈、心不全などを合併し、時に突然死に至ることもあることがわかってきました。

■SASとは?

 日中の強い眠気や熟睡感の欠如などの症状があり、かつ後述する検査で1時間当たりの無呼吸・低呼吸の回数(無呼吸低呼吸指数)が5以上ある場合をいいます。

 SASは大きく中枢性と閉塞性の2つに分けられます。頻度は圧倒的に閉塞性が多く、これは鼻やのどがさまざまな原因で狭くなることにより生じます。肥満者に多いといわれていますが、日本人は白人に比べ独特の骨格のため気道狭窄を起こしやすく、肥満の程度が軽くてもSASになりやすいといわれています。

■どんな検査?

 一次検査として携帯型装置を用いて血液中の酸素濃度を測定したり、鼻の入り口にセンサーを貼って呼吸状態を記録する検査法があります。簡便で自宅でもできる検査ですが、正確な診断のためには終夜睡眠ポリグラフ検査が必要になります。これはさらに脳波や心電図、胸部や腹部の動きなどを連続で計測し、睡眠状態と呼吸状態を同時にはかる検査です。この検査は1泊入院が必要になります。

■治療法は?

 仰向けに寝ると舌の筋肉が緩み、のどが狭くなるため、単純ないびきや軽症SASの場合では横向きに寝ることで症状が軽減することがあります。肥満がある場合は減量を行います。その他、器具などを用いる方法に以下のようなものがあります。

 ●口腔装置−口の中にマウスピースのようなものを入れてのどを広げる装置です。歯科口腔外科で作成してもらいます。軽症から中等度の人が適応になります。

 ●経鼻的持続陽圧呼吸療法ー睡眠時に特殊なマスクを鼻につけ、呼吸が止まると機械から空気を送り陽圧にすることでのどを広げます。中等症から重症の人が対象になり、きちんと装着すれば確実に呼吸状態を改善させることができます。

 ●外科的治療−鼻やのどが構造的に狭い場合、広げる手術を行うこともあります。手術は主に耳鼻咽喉科で行います。

 勤医協でも中央病院や西区病院で耳鼻咽喉科と内科で連携しながら、睡眠時無呼吸の診断と治療を行っています。大きないびきや日中の眠気がつらいなどの心当たりのある方は一度受診をおすすめします。

(北海道勤医協友の会新聞2008年11月1日号より)
posted by kin-ikyo at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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