2008年10月10日

若い女性にふえている子宮がん

渡邊喜久雄(勤医協札幌病院産婦人科)子宮がんの種類
北海道勤医協友の会新聞2008年10月1日号より。2.19MB(04:41)


■2つの子宮がん

 そもそも「がん」とはどんな病気なのでしょうか。簡単に説明すると、細胞に何らかの刺激が加わり、突然変異の細胞ができるのががんの前段階で、前がん病変と言います。その突然変異の細胞が増えて進行した状態を「がん」と呼びます。

 子宮がんには、子宮の入り口付近、頚部に発生する「頚がん」と、子宮の奥(体部)に発生する「体がん」があります。頚がんは40代に発生のピークがありますが、体がんは50代と発生年齢に差があります。

■原因と症状

 子宮頚がんは発生の90%以上が、イボをつくるウイルスの一種であるパピローマウイルスの感染と関係があるとされています。つまり性行為により、このウイルスが子宮頚部に感染し、それが持続することで前がん病変から進行すると考えられています。


 一方、子宮体がんは、女性ホルモンのエストロゲン過剰状態で発生するタイプが主で、エストロゲンは脂肪細胞でつくられるため肥満の方に多く発生します。子宮体がんの比率は上昇傾向で、70年代は3%であったものが、現在は30%前後となっています。

 子宮頚がんは、初期にははとんど症状がありません。そのため検査して初めてわかり、症状がある場合には進行がんのことが多いのです。一方、体がんは早期でも90%が出血するので月経以外の出血で見つかることが多いのが特徴です。

■最近の傾向として

 子宮がんの死亡者数は50年代には8000人台でしたが、最近は4000人台と減少しています。その一方、最近は10〜20代の子宮頚がんの発生や要精査件数の上昇が指摘されています。一般の2〜3倍の頻度で要精査者が見つかります。初交年齢の低年齢化やパートナーの増加が影響していると考えられています。

 頸がんと関連するパピローマウイルスにさらされても90%は問題ありません。感染しないか、感染しても自然に治癒します。しかし、初潮から間もない時期の感染は子宮頚部の抵抗力が十分でなく、持続感染となり、前がん病変へ進むと考えられています。
 ただし進行がんで見つかるのは、検診をしたことがない高齢者が多いという点も注意しなければいけません。

■20代から検診を

 子宮頚がんはゆっくり進行するので、前がん病変の段階からフォローすることで死亡数を減らすことが期待できます。しかし、検査対象の70%が集団検診をしている欧米に比べ、日本は20〜30%未満、20代の検診は数%でしかありません。

 3年前から子宮がん検診の対象者が20歳以上と拡大し、隔年となりました。対象年齢の拡大は評価されていますが、隔年となった点には不安や疑問の声があがっています。

■子宮がんを予防するにはどうしたらよいのですか?

 海外では、パピローマウイルスに対するワクチンが実用化されつつあり、将来的には日本にも導入され、子宮頚がんで亡くなる方を減らすことが期待されます。しかし、既に感染している場合や、前がん病変には効果が認められていません。コンドームの使用によりリスクが下がるとの報告もあります。子宮がんで命を落とさないためには、子宮頚がん検診を定期的に受けること。また子宮体がんについては閉経前後の不正出血を軽く考えず、婦人科を受診することをおすすめします。

■北海道勤医協の婦人科は、札幌病院と中央病院にあります。
「子宮がん検診」については各健診課へ。

札幌病院(直通)011−820−1254
中央病院(直通)011−782−9124
posted by kin-ikyo at 13:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 健康ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。