2010年03月30日

Field-note 北の自然 マヒワ

Field-note 北の自然 マヒワ

マヒワは、冬越しのためにユーラシア大陸から、はるばる海を飛び越え北海道にやって来ます。大きさも見た目もスズメにそっくりですが、違いは色です。とっても鮮やかな黄色い衣を身にまとっています。

夏場ならよく似たカワラヒワという鳥がいますが、冬場はいないので、黄色い小鳥を見かけたらマヒワと思っていいでしょう。彼らは数十羽の群れになることが多く「チユイーン、ジュイーン」 と賑やかに鳴きながら、大好きなシラカバやハンノキの実をついばむ姿が、毎年これからの時期見られます。ただ、今年はどうも冬鳥の数がとても少ないようなのです。その少なさは冬鳥の極端に少なかった2004年に次ぐほどで、定番のツグミやアトリさえもあまり見かけないほどです。渡りの途中で餌が豊富にある年は日本まではやって来ないので、今年もそうなのかもしれません。人間にはちょっぴり寂しいですが、鳥たちにとってはいいことですね。

(北海道民医連新聞2010年2月11日号より)
ラベル:マヒワ 冬鳥
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2010年03月09日

「普段どおり自然に」終末期のAさんと

看護現場からの発信
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Aさん(80代・女性)は、町営住宅でご主人と2人暮らしでした。09年3月、除雪をしたら左腕が痛くなったと来院し、左上腕骨骨折と診断されました。

Aさんは、B病院で07年に大腸がんと診断され、肺転移・癌性疼痛もあり麻薬内服中で、告知もされていました。当院受診後、B病院整形を受診し、骨折は装具固定で経過をみることとなりました。当診療所では、看護師が介護サービスの紹介をして、4月より訪問看護ステーションの利用開始となりました。

Aさんは、夫と家で暮らしたいとの思いがありました。B病院へは通院困難なこともあり、当診で往診管理とし、今後は最大限、家族と協力しながら在宅で療養しようと職員とご家族で意思統一しました。

5月26日疼痛が増強、意識混濁・低酸素状態となり、在宅酸素を導入し連日点滴管理となりました。疼痛によりご家族でのおむつ交換が困難なため留置カテーテルとし、連日のステーションによる訪問者護で午前中点滴と保清など、午後は診療所看護師が点滴終了時におむつ点検などを行いつつ、適宜往診としました。

当初ご家族は、がんの終末期は病院でとの意向でした。しかし何度も診療所、訪問看護ステーション、ご家族で今後について相談するうちに、在宅での看取りを決断しました。

麻薬の調整が行われ疼痛コントロールがされ、意識清明となり酸素吸入も中止となりました。夫と近所の息子さん夫婦が交代で昼夜介護しました。お嫁さんは疾患を持ちながらも献身的に介護され、元気なころはあまり行き来していなかった息子さんもそばで見守ってくれるなど、いい家族関係ができてきました。Aさんも家でずっと暮らせる安心感のためか状態も安定し、好きなものを少しずつ口にし、会いたい方とお話しもできました。

7月中旬、ご家族と面談をもち、医師から 「たとえみなが寝ている夜間に旅立たれても、ご家族と一緒にいられAさんは幸せだと思います。普段どおり自然にかかわりましょう」と話されました。お嫁さんは「介護しながら最後の時の準備を少しずつできました。亡くなった後のお義父さんのことも考えられるようになりました」と落ち着いて話されました。

7月20日深夜、ご家族に見守られながらの旅立ちでした。ご家族は、痛みがなく幸せな最期だったと満足されていました。

私たちは終末期に出会い、短いかかわりでしたが、最後まで気丈なAさんらしい生き方に感銘を受けました。また、ご家族と寄り添う中で、自然な形で、まさに「畳の上で…」最期を迎えることの意味を実感しました。これからも、「最後は長年住み慣れた家でこの地域で」との願いに応えていきたいと思います。

(黒松内診療所 看護師 三本木美智恵)

(北海道民医連新聞 2010年2月25日号より)
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2010年03月07日

新刊紹介 民主党の医療政策は私たちのいのちを守れるか? 日野秀逸著

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私たちの対応の方向示す

副題は「事業仕分けに見る民主党の医療政策!」 です。昨年の総選挙で、民主党が国民要求実現を公約に掲げ、大勝しました。しかし、鳴り物入りで行われた「事業仕分け」では「軍事費+アメリカへの思いやり+大企業優先」 の3点セットは対象から外され、後期高齢者医療制度の即時廃止など、公約の多くが先送りされています。

著者は、民主党が「構造改革推進」 の胎盤から誕生し、政権奪取のために小沢一郎氏によって 「福祉バラマキ政策」 へ転換した同党の足取りを検証するとともに、構造改革推進派と保守派、国民生活密着議員派の3つの勢力で構成され、支持層も平和主義・構造改革反対・福祉政策支持層と、日米安保維持・構造改革推進・小さな政府支持層が混在している民主党の体質と矛盾を指摘しています。その上で、批判もすれば後押しも、共同もする 「いのちと健康を守る大運動」 の戦略を説きます。

また、「自己責任」の否定からできた社会保障や経済学の原点に触れ、みんな幸福に生きる権利(憲法13条)があり、その必要条件が平和(同9条)と健康(同25条)だ〔9+25⊂13〕として 「経済合理人モデル」 ではなく 「憲法人モデル」を求めていくことを呼びかけています。 (天)(自治体研究社・1600円+税)

(北海道民医連新聞 2010年1月28日号より)
ラベル:民主党 医療政策
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Field-note 北の自然 ノリウツギ

Field−note 北の自然 ノリウツギ

冬の野山で、枝先にぶら下がっている可愛らしい花を見つけました。とは言っても生花ではなく、自然の風にさらされてできた天然のドライフラワーです。この花はノリウツギと言って、北はサハリンから南は九州まで分布する、高さ2〜3メートルになる落葉低木です。ノリウツギ(糊空木) という名は、むかし内皮から採れる粘液を和紙作りに利用したことと、枝が空洞になっているところから名づけられました。北海道ではサビタとも呼ばれますが、これはアイヌ語ではなく東北のなまりが北海道に伝わったものです。

大きな花のように見える部分は飾り花と呼ばれる虫を呼び寄せるためのイミテーションで、本物の花は黒く小さく結実しています。冬になっても花を落とさない姿は人々の関心を呼ぶのでしょう。和歌山県南部では娘を嫁に出すときに 「ノリウヅギの花が無くなるまで帰るな」と言って送り出す地域があるのだとか。他に、ある美しい女性が村の男性に恋心を打ち明けられたがどうしても気乗りせず「ノリウツギの花の散る頃には…」と返事をし、一向に散らない花に男性の恋は実らなかったという物悲しい話もあります。

(北海道民医連新聞 2010年1月28日号より)
ラベル:ノリウツギ
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キャピタリズム マネーは踊る

銃社会の危険性を描いた「ボーリング・フォー・コロンパイン」、ブッシュ政権のイラク戦争を痛烈に批判した「華氏911」、企業本位の医療保険制度に切り込んだ「シッコ」などの作品で知られるマイケル・ムーア監督が、アメリカの資本主義にズバリ切り込んだドキュメンタリー映画です。

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2008年9月、リーマン・ブラザーズが破錠。多くの米国市民が住宅ローンを払えなくなり、銀行に家を差し押さえられます。映画は、何台ものパトカーを連ねてやって来た保安官が家のドアを破って立ち退きの強制執行をする衝撃的な場面から始まります。

差し押さえられた家の前で泣きながら家具を燃やす夫婦。突然解雇されて路頭に迷う労働者たち。受取人を会社にした生命保険を社員にかけ、社員が死ぬと保険金を全部会社が手に入れた事を知って妻や家族が怒る一幕など、まるで今日本で起きていることを見せつけられているようです。

資本主義が暴走し始めたのは、レーガンが大統領になり、弱肉強食の新自由主義がウォール街を支配するようになってからだと、ムーア監督はスピーディーな映像で畳みかけるように訴えます。1%の富裕層のために減税と規制緩和を進め、多くの人たちは懸命に働いても貧しい暮らしを余儀なくされています。

現在アメリカの失業率は10%に達します。資本主義は合法化された強欲なシステムだというメッセージが全編を貫き、この不公平なシステムをただしたいという熱い思いと怒りが伝わってきます。

突然工場を解雇された労働者たちが団結して、全国的な支援を受けて銀行から解決金を勝ち取る闘いも描かれます。立ち退かされた住宅の封鎖を地域住民が解除した闘いもあります。泣き寝入りする市民ばかりではありません。

弱い人たちへの共感と慈愛にあふれ、民主主義ってこういうことなんだと胸にストンと落ちました。

深刻なテーマですが怒りをユーモアにかえて描かれています。経済の仕組みがさまぎまな事例を通して理解できます。政治に無関心であってはならないと思いました。若い世代の人達にこそ観てもらいたい映画です。

樋口みな子

(北海道民医連新聞 2010年1月28日号より)
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いのちの山河 日本の青空U

老人医療費の無料化を実現した沢内村を描いた映画「いのちの山河」を観て、憲法25条(生存権)の大切さを痛感しました。

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憲法25条では「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と謳われており、生活に大きな格差があってはならないはずですが、最近の社会状況をみると、格差が生じ、そして深刻になってきているように思います。

映画では ”医療を受ける権利=高齢者の生存権” ということを柱にすえ、老人医療費無料化を実現した先駆的取り組みが描かれており、理想を追求することの重要さとともに、実現のために努力する人が必要だと思いました。

豪雪・貧困などにより沢内村では、死亡診断書を書いてもらう際に初めて医者に診てもらうという人が多く、少年時代にそのような光景を目にした深沢晟雄氏は、村を救わなければならないと使命感を覚えたのです。そして村長となり、医者を呼び、診療所を作り、村人達が天国のようだと喜ぶ村づくりを追求し続けました。

私は現在の格差社会にどこか諦めを抱いていましたが、諦めてしまうのではなく、投げやりになるのでもなく、まず現実を見つめ、国や政治のあり方を考えていかなければならないと感じました。命を守る医療や福祉に携わる者として…。

ソーシャルワーカーである私は、日々格差社会の現実を目の当たりにしています。住む家すらないホームレスの方や病院にかかるお金もないわずかな年金暮らしの高齢者の方々の暮らしぶりは、「沢内村」に通じるものがあるように思います。民医連が掲げる「無差別平等の医療・福祉」「無料低額診療制度」などが、このような人々を助け、健康といのちに格差のない社会を創造する第一歩となっているように感じています。

私はこの映画を観てあらためて私たちの役割の大切さを感じ、困難ではあるけれどもみんなで力を合わせて頑張っていこうと思いました。

田村史織(勤医協札幌西区病院・ソーシャルワーカー)
   ◇
道内では、4月3日に札幌市中央区・共済ホールで上映予定。

(北海道民医連新聞 2010年1月28日号より)
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