2009年06月14日

新刊紹介 マルクスは生きている

マルクスは生きている 混迷から抜け出す道筋が

 マルクスについての本を読むのは、自慢じゃないけど初めて。そんな初学者をも引き込む力が本書にはあります。

 著者は日本共産党の議長だった不破哲三さん。マルクスの理論の骨格全体を分かりやすく? 説明し、その理論が現代にどう生きているかを解説してくれています。(?)は、正直、分からない所もあったから。

 第1章は 「唯物論の思想家・マルクス」。読んで 「僕も唯物論者だったのか!」と気づかされましたが、「弁証法」ってよく分からなかった。でも、「事物のなかにある矛盾や対立のなかに発展の生きた原動力を見るのが弁証法」 と説明されると「なるほど、医師・看護師不足や高い医療費などの矛盾があるから、その矛盾を解決しようと民医連も頑張っているんだよなぁ」と納得できたりもします。

 最も引き込まれたのは第2章「資本主義の病理学者マルクス」 でした。どうして一生懸命働いても暮らしが楽にならないのか、何で派遣労働者は使い捨てにされるのか、貧困と格差はどうして生まれ、経済危機はなぜ起きるのか、それらの疑問を、ストンと胸に落ちるように解明してくれました。しかもマルクスの言葉で! 第3章では社会主義に対するイメージがコロッと変わりました。マルクスって、すごい人です。(内)(平凡社新書・720円+税)

(北海道民医連新聞2009年6月11日号より)
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ティーンエイジャー海 ぐれる!? 1

オーティスあゆみアメリカ通信

 いや〜本当に子育てって奥深いものですね。去年のことなんですが、うちの海、悪い友達とつるんで(友達が悪いと強調するところが親ばかの証拠ですよね)悪いことしたんですよね。泊まりに行って近くの学校で火遊びしたんです。学校のドアにその燃えカスの炭で悪戯かいたり、木の端や枯葉を集めてキャンプファイヤーもどきをしたり…。

 ある日、学校に呼び出されて、校長室でこの話を聞かされたんです。頭が真っ白になって、最後に「おかーさん、何か聞きたいことは?」 って聞かれて「うちの子供、海って言うんですけど、あなた、海の話、してます?」 なんて聞いちゃったんですよ。馬鹿ですよね私も。そのあと停学処分を食らって、警察が家に来て事情聴取されて、家族全員びびりまくりでした。警察が来た時には 「あんた、まさかうちの息子つれてく気じゃないだろうね?」ぐらいの勢いで私は食ってかかりそうになってました。警察は海は初犯 (言うのも恐ろしい) なので、心を入れ替える約束が出来るなら少年院に行かなくてもいいのでは…とのこと。

 結局、家庭裁判所に出廷し、60時間のボランティア活動をすること、半年ほどは親の監視下で夜遅くまで外出させない、何時でも警察が家宅捜査をしてドラッグ、タバコなど危険物所持はないか確認する義務があると言い渡されました。学校にはダメージの修理代を支払い、裁判所にも支払いをしました。総額5万円くらいでしょうか。一緒につるんで火遊びした友達は他に2人いたんですが、2人とも前科があり (こういうときも前科って言うんでしょうか?)、そのうち一人は裁判所に出廷せず、学校側にも支払いをせず、なんだか 「追われてる」 ようでした。裁判所からは海が18歳になるまで悪いことをせず、18歳になった時にもう一度出廷して1万5千円支払えば、この記録は抹消されるといわれたんですよね。ありがたいような、不思議なような…。

 このことは相当海にはこたえたようで泣きながら謝っていました。この話を老人ホームのおばーちゃんにしたら、「捕まってよかった、捕まってよかった。じゃないともっとエスカレートしていたかも」 と泣きながら励まされました。親に心配かけやがって。なんてお前は馬鹿やろうなんだ! まさにこんな心境でした。

この項つづく

 (北海道民医連新聞2009年6月11日号より)
ラベル:子育て

field-note 北の自然 ウスバカゲロウ

北の自然 ウスバカゲロウ

 縁の下や砂場などに、写真のような円すい状の穴が開いているのをご覧になったことがありますか?アリジゴクと呼ばれるもので、中にはウスバカゲロウの幼虫が潜んでいます。

 「蟻地獄」と呼ばれるのは、その名のごとくアリがよく落ちるからで、絶妙な角度で作られた巣には一度落ちると這い上がることはまずできません。下では大きな牙を開いた幼虫が待っていて、虫が落ちてくると食らいつき、まずは体に消化液を注入します。そしてドロドロになった体液を吸い尽くし、殻は巣の外にポイッと放り投げます。

 巣をほじくって中の幼虫を捕まえて見てみると、ブックリとよく太ったものがいるかと思えば、ほっそりとしたものもいます。これはエサにどれだけありつけているかということに関係していて、太ったものはエサに恵まれていてお腹がいっぱい、痩せたものは長ければ二週間もの間飲まず食わずで耐えています。中にはエサに全くありつけず、死んでしまうものも少なくありません。

 夏には成虫が羽化しますが、与えられた時間はわずか二時間。その間に、相手を見つけて交尾をし、卵を産み付けるという大きな仕事を成し遂げなければなりません。

(北海道民医連新聞2009年6月11日号より)
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健康ウォッチ 「じん肺」と合併症予防について

健康ウォッチ じん肺のはなし

 元炭鉱の街、上砂川町を含めた中空知はその歴史から、職業病である「炭坑夫じん肺」の患者さんが多い地域です。今回はじん肺とその合併症予防について紹介します。


◆じん肺とは?

 じん肺とは、小さな土ぽこりや金属の粒など「粉じん」を、長年にわたり多量に吸入した結果起きる肺の病気です。粉じんが肺の細胞に蓄積されると、繊維性の組織が増える「線維増殖性変化」が起きて、肺胞や気管支、血管などの組織が壊され肺の機能が奪われていきます。

 症状は咳や痰、息切れ、呼吸困難、動悸などがあります。じん肺に対する有効な治療法はなく、対策は合併症に対する治療と予防ということになります。

◆じん肺の歴史

 じん肺の歴史は古く、佐渡金山をはじめ多くの鉱山で「よろけ」という病気で恐れられていました。長年坑内で働いていると、いつしか喀血したり呼吸困難に襲われ死んでしまうと言う不治の病でした。

 じん肺が最も多く発生したのは戦中から戦後、高度成長期です。その中でも炭 鉱でのじん肺の発生は相当の数に上ります。その対策として国は「じん肺法」「粉じん障害防止規則」を制定し、じん肺の発生予防と、じん肺患者さんの援助を行ってきました。その後の研究で、じん肺は「線維増殖性変化」のほかに、肺胞がふくらんだまま弾力を失う「気腫性変化」や「気道の慢性炎症性変化」を伴うことが明らかになりました。そこで、改正されたじん肺法では、「粉じんを吸うことによって肺に生じた線維性増殖性変化を主体とする疾病」と定義されました。

◆合併症予防のために

 以下のじん肺と密接な関係のある合併症にかかった方は、じん肺法の定めにより労災認定されます。

 ●肺結核
 ●結核性胸膜炎
 ●続発性気胸
 ●続発性気管支拡張症
 ●続発性気管支炎
 ●原発性肺がん

 これら合併症の予防には健康診断を受けることが大切です。じん肺になった場合、年1回の健康診断を行うことができます。胸部レントゲン、肺のCT検査、呼吸機能検査、咳や痰が出るようになれば、その症状がじん肺の合併症によるものかを調べる痰の検査などが行われます。

 現在では、炭鉱や鉱山での労働だけではなく、溶接や研削作業などで生じる金属粉じん、レンズの研磨や陶磁器製造の過程でもじん肺が起こることが知られています。粉じん作業を行う事業所には、労働者に対して定期的なじん肺健診が義務づけられていますが、今でも中小零細企業では健診すら行われていないところもあります。

 粉じん作業で働いていた経験がある方で、定期的な健診を受けていなかった方はご注意ください。また、そういう方でじん肺かどうか調べてほしいという方、最近咳や痰が出る、少しの動作で息切れが強くなったという方は、お近くの勤医協の病院・診療所にご相談ください。

(北海道勤医協友の会新聞 2009年6月1日号より)
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2009年06月10日

ウォーキング

「ウォーキング」について大川匡(勤医協中央病院整形外科科長)が4回に分けてお話します。

81.3MHzFMさっぽろ村ラジオ「健康と医療の広場」2009年6月10日放送。4.91MB(10:43)

81.3MHzFMさっぽろ村ラジオ「健康と医療の広場」2009年6月17日放送。4.68MB(10:13)

81.3MHzFMさっぽろ村ラジオ「健康と医療の広場」2009年6月24日放送。4.18MB(9:08)

81.3MHzFMさっぽろ村ラジオ「健康と医療の広場」2009年7月1日放送。3.54MB(7:44)






2009年06月08日

field-note 北の自然 オオルリ

北の自然 オオルリ

 新緑の山道を歩くと、道が沢筋にさしかかった辺りで、はっとするほどの美声に出会うことがあります。コマドリ、ウグイスと並んで日本の三鳴鳥と呼ばれているオオルリです。天は二物を与えずと言いますが、どうやらオオルリに限ってはこの言葉は当てはまらないようです。「ピーリィリィリィ、ジュジュツ」とい涼やかな声に加えて、光沢のある深い青色をまとった姿が実に艶やか。一度目にすれば誰もが「もう一度会いたい」と思うでしょう。

 この美しい鳴き声はさえずりと呼ばれるもので、繁殖期に雄がなわばりを示したり、雌にプロポーズをするときに使うものなのですが、珍しいことにオオルリは雌もさえずることがあります。雄雌仲よく並んでさえずっているときは、気持ちも穏やかで互いの仲を深めているとき。雌が単独でさえずっているときは、「ここに私達のヒナがいるから、これ以上近づかないで!」と警戒しているときです。そんなときは子育ての邪魔をしないよう、そっとその場を離れてあげてくださいね。

(北海道民医連新聞2009年5月28日号より)
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新刊紹介 ペシャワール会編
  アフガニスタンの大地とともに 伊藤和也 遺稿・追悼文集

アフガニスタンの大地とともに 一青年の遺した深い心

 今年2月23日報道されたNHKスペシャル 「菜の花畑の笑顔と銃弾」。そこに見たひとりの日本人青年の生き方に深く感動し、心を熱くした。

 伊藤和也さんは、2003年12月、内戦と大干ばつによって300万人の難民がさまようアフガニスタンで、当時ぺシャワール会が始めた「緑の大地計画」に参加した。約5年にわたり用水路建設や試験農場を担当する。しかし、昨年8月26日、銃弾に倒れ、31歳の短い人生を終えた。アフガンの村に溶けこみ、荒れ果てた大地で餓死と隣り合わせに生きる農民たちに胸を痛め、アフガンの人々と苦楽を共にし、黙々と誠実に働く姿に、多くの農民が信頼を寄せ、彼を愛した。

 草も生えない土地に少しずつ緑が広がり、サツマイモなど農作物も収穫できるようになった。「平和とは戦争以上の力であります。戦争以上の忍耐と努力が要ります。和也くんは、それを愚直なまでに守りました」。中村哲さん (医師、ペシャワール会代表) は語る。

 本書には、用水路建設、農作業の様子、そして緑が戻った大地で一面の菜の花畑を駆けめぐる子ども達の笑顔など、印象的な写真が数多く収められている。伊藤和也さんの遺稿と追悼文には、アフガニスタンの平和を願う人たちの思いが込められている。 (米)
(石風社・1500円+税)

(北海道民医連新聞 2009年5月28日号より)
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サンタローザのエコノミー

オーティスあゆみアメリカ通信

 オバマ大統領の就任で米国民の期待は最高潮に達しています。ところがその同じ時に、私が住んでいるサンタローザの2大企業が大幅人員削減をして嘆かれています。

 1つはアジレントテクノロジーといって、かっては日本から何人もの派遣労働を受け入れていた電気機器メーカーです。2週間ほど前に300人の職員を解雇しました。300人ですよ、300人! 私の友人の夫もそこに勤めていて、友人夫婦は発表があるその週、緊張で眠れなかったと言っていました。

 今回の解雇は、マネージャークラスの人たちがほとんど。いわゆる高給取りクラスの人たちが大幅に解雇されたのです。

 「解雇された人たちはこれからどうやって仕事を見つけていくんだろう…」なんて話していたら、もう1つの大企業メドトロニックという医療機器メーカーが240人の従業員を解雇しました。1998年には1500人の従業員が働いていたのですが、経済状況の悪化から徐々に解雇者が出て、現在910人の従業員数となっています。


 このような経済状況の中で新しい仕事を見つけるのはとても大変です。アジレントテクノロジーで解雇された人たちは、エンジニアという職場が限定される職種についていたので、同じような仕事を探すとなるとサンタローザではほぼ不可能です。アメリカ全土、どこにでも行く覚悟で再就職先を見つけなければならないと嘆いています。

 市の職員の公募があると、わずか2つのポストに150人ほどの応募者が殺到するそうです。

 こんなご時世なので、私が働く老人ホームも例外ではありません。勤務時間を削減されて賃金が下がろうと 「仕事があるだけいいよね〜」 というのが、最近の私たちの口癖になってきました。なんだか文句が言えない状況にされつつあって、怖い気もしますよね。

(北海道民医連新聞2009年5月28日号より)

field-note 北の自然 ユキザサ

北の自然 ユキザサ

 北海道では、小豆の匂いに似ていることからアズキナの愛称で呼ばれている山菜、ユキザサ。山菜は往々にして灰汁が強いものですが、ユキザサはほとんど灰汁がなく、生のまま調理できます。味はくせがないうえにほんのりと甘いので、天ぶら、和え物、炒め物、汁の実など、どんな料理にでもよく合います。

 生えている場所は林床で、一本ずつではなく、写真のように何本もかたまって生えます。初夏には雪の結晶に似た可憐な花を咲かせますが、薄暗い林の中では一本ではあまり目立たず、虫を呼び寄せるにはインパクトが足りません。そこで地下茎を延ばして花茎の数を増やし、花をたくさんつけることで虫を呼び寄せます。これらの花は全てクローンで、ニリンソウやフクジュソウ、エゾエンゴサクなど多くの林床植物がこのタイプです。林床植物が、まるでお花畑のように生え広がるのはこういった理由からです。

(北海道民医連新聞2009年5月14日号より)
ラベル:ユキザサ
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Swine Fluー新型インフルエンザ

オーティスあゆみアメリカ通信

 たぶん、今の日本で一番の話題はこれではないでしょうか。アメリカでもテレビ、新聞は毎日この話題です。メキシコで死者が出たこのインフルエンザ、英語で 「Swine Flu」と呼ばれて恐れられています。swineは、豚って事なんですけどね。

 まだ私の住むソノマカウンティでは発症者は出ていませんが、メキシコに隣接するカリフォルニアのこと。どこからどう感染しているのか解明できるはずはありません。

 子どもたちの学校、私の働いている老人ホームでは注意書きが出され、「普通のインフルエンザとの違いは症状的には判定しにくいので、症状がある人は登校、出勤しないこと」「すぐに医療機関にかかり、診断を受けること」などと指示されています。

 老人ホームの表ドアには「何らかの症状がある方は入所をお断りします」 という張り紙も出されました。怖いのは、報道でどんどん恐怖があおられていることです。なかには 「豚肉は食べない」 なんて言う人もいます。食べても感染しないはずなのに、間違った知識が植えつけられているのも事実です。

 老人ホームの職員にはメキシコ人がたくさんいるので、みな残してきた家族を心配しています。バケーションでメキシコへの里帰りを予定していた人は、泣く泣く飛行機チケットをキャンセルしていました。確かに今メキシコに行く勇気はないですよね。

 私は夏、ハワイに行く予定を立てているんですが、だいじょうぶかな。でも絶対に行きたいので、その時には治まっているはず! と、ひたすら信じております。とりあえず皆さん、手洗いは厳重に。

(北海道民医連新聞2009年5月14日号より)
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