2009年03月29日

Field-note 北の自然 マガモ

北の自然 マガモ

 暖かな日差しに誘われて、川べりに行ってきました。雪解けでかさを増した川の流れの上には、たくさんのマガモたちの姿が。少し近寄ってみると、ふわっと飛び立ったので 「しまった!びっくりさせちゃったかな?」 と思ったのですが、バラバラバラっと私の近くに降り立ちました。どうやらエサをくれると思ったようです。もちろん私はエサを持っていません。「ごめんね」と思いながら写真を撮っていると、ものの一分ほどで飛び立ってしまいました。「なんだよ。エサくれないのか」という声が聞こえてきそうな光景に、ちょっと苦笑してしまいましたが、もともとの彼らの習性を考えると無理もありません。

 マガモは北半球に広く生息するカモで、おそらく世界で一番数の多いカモです。人になつきやすいため昔から飼い慣らされ、庭先でガーガーと愛想を振りまいてきました。ですから、今でも沼や公園など、人の生活圏でよく見かけるのです。

 そんなマガモたちも、あと一ヶ月もすれば春風に乗り、繁殖地である北の地へと旅立ちます。

(北海道民医連新聞2009年3月26日号より)
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2009年03月20日

新刊紹介 多喜二の視点から見た 身体 地域 教育

多喜二の視点から見た 身体 地域 教育
2008年オックスフォード小林多喜二記念シンポジウム論文集

時空を貫き多様な領域へ

昨年9月16日から18日まで、オックスフォード小林多喜二記念シンポジウムが開催されました。オーストラリア、ノルウェー、イギリス、日本、アメリカ、カナダ、中国、韓国の33人が発表し、本書には、そのうち 「現在の多喜二研究の水準を示し、さらに今後の研究方向を予測させる」 23編を収載しています。

一読、多喜二の受容と研究の広がりに目を見張ります。「蟹工船」 をはじめ、「安子」 「不在地主」 「健」「救援ニュースNo.18附録」「暴風警戒報」 などの研究を通して、貧困、暴力、買売春、ジェンダー、グローバリズム、連帯、決起への呼びかけなど、多喜二が提起した諸問題の現代性を浮き彫りにしています。

小樽多喜二祭にも参加した同シンポジウムコーディネーターのヘザー・ボーウエン=ストライクさんは、多喜二への関心は 「単なる学問的関心という以上に、私たち自身が生きる世界のより公正な在り方への切望を惹起するもの」 と評しています。荻野富士夫、小森陽一、北村隆志氏らの発表は説得力があり、多喜二と村上春樹、松本清張、宮崎駿を関連づけた興味深い研究もあります。多喜二ファンならずとも、挑戦してみたい一冊です。 (丁)
(発行=小樽商科大学出版会、発売=紀伊国屋書店、2000円+税)


(北海道民医連新聞2009年3月12日号より)
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新刊紹介 若者のための政治マニュアル 山口二郎著

若者のための政治マニュアル
無責任でいいじゃないか

「努力したら報われる」と言うけれど、みんな頑張っているのに、生活は楽になりません。「自己責任」の行き着く果てが今の悲惨な状況です。もっとわがままになって 「分け前よこせ」 って言えばいい。過剰な権利の主張などなく、行使も請求もしない権利は黙殺されてしまうと著者は若者たちを叱咤します。

「無責任でいいじゃないか」 「本当の敵を見つけよう、仲間内のいがみ合いをすれば喜ぶ奴が必ずいる」「当たり前のことを疑え」など、自分のためになる心構えを10のルールで説いています。

失業や病気など、誰にでも起こりうるリスクを一人で抱え込まずに、全体で分散する方が住みやすい社会という指摘はなるほど。リスクを個人の責任に置き換えてきたこれまでの政治の仕組みを厳しく批判し、一時の雰囲気やステレオタイプに依存しない物の見方、考え方を提示します。

解雇されて将来の展望を見失い、自分を責めている人に 「あなたが悪いんじゃない。社会の仕組みの欠陥を直すよう、ちょっと力を合わせましょう」 とメッセージを伝え、より良く生きるイメージを膨らませる内容です。「若者に向けて」ということですが、どの世代にも読んでほしい。「若者は甘えている」「失業や貧困は自己責任」 と言っている人の枕もとにも、そっと置きたい1冊です。 (渋)

(講談社現代新書・720円+税)


(北海道民医連新聞2009年2月26日号より)
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Field-note北の自然 鳥の巣

北の自然 鳥の巣

鳥の巣というと、鳥が一生くらし続ける家だと思っている方がいらっしゃるかもしれませんね。でも実は巣を使うのは、子育てをする春から夏の終わりにかけてのほんの数ヶ月間だけなのです。それ以外の季節は家を持たず、日中はエサ探しに飛び回り、夜は木の枝や軒先に止って眠ります。人間は約10ヶ月間お腹の中で子どもを育てます。それが一番安全な方法だからなのですが、いくら安全とは言っても、鳥がそんなことをすれば重くて空を飛ぶことができなくなってしまいます。そこで、お腹の中で育てる代わりに、天敵に襲われにくい高い木の上や軒下などに巣を作るようになったのです。

巣の形は、鳥の種類によってさまざま。お椀型のものもあれば、ボールのような形のものもあります。材料も木の枝ばかりではなく、草、クモの巣、コケなどもあり、それぞれに作り方も違います。でも、ひとつだけ、どの鳥にも当てはまる共通点があります。それは、生まれてくるヒナのために、産座には綿毛など、必ず柔らかなものを敷き詰めていることです。我が子にかける愛情は、鳥も人間も一緒なのですね。

(北海道民医連新聞2009年2月26日号より)
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2009年03月16日

患者さんの思いに寄り添い、ともに考え、歩む看護の実践

看護現場からの発信
勤医協神威診療所スタッフ

Tさん(55歳女性)は、高血圧症と20年来の糖尿病の患者さんです。夫は炭鉱夫でしたが閉山後まもなくから病気療養となり、Tさんは家計を助けるため介護施設で変則勤務のパートとして働いています。糖尿病のコントロールが徐々に悪化し、内服治療が限界と思われた昨年7月、医師よりインシュリンによる治療方針が説明され、一旦は了承されました。しかし、次の受診時に「勤務時間が1週間ごとに変わるため、インシュリンを打つのは難しい。何とかインシュリンを使わないでよくなりたい」 と思いを話されました。私たちはTさんの思いを実現しようと、一緒に目標を持ち患者参加型看護計画を実践していくことを確認しあいました。

病気の現状と仕事、食生活、運動などを把握しながら、間食はせずに1日の摂取カロリーを守ること、運動の習慣をつけて体重を減らすことなどTさんと今できる目標を一緒に定めました。目標の達成状況は一進一退を繰り返しました。不規則な労働からくる食生活のみだれで、間食がなかなかやめられないことについては看護集団も頭を悩ませました。

体重コントロールについても、趣味で行っていたバレーボールを主体に散歩を位置づけましたが、冬場に入って外出の機会も少なくなり、思うようにはすすみませんでした。

糖尿病との付き合いが長いTさんは、病気や療養生活に対する理解もあります。療養指導にあたる外来看護師全員が、患者さんの努力と苦悩、思いに心寄せながら、「患者さんのできることをもっと引き出していこう」 「本人がまた頑張ってみようと思える工夫をしていこう」 と心がけてきました。

年末にかけて食生活が大きく崩れたときに、「もうダメ」 というTさんに何とか食生活を立て直そうと励まし一緒に考えあいました。目標を『体重を減らす』から 『これ以上体重が増えないように』 と修正し、Tさんからは 「家に昔使っていた運動器具があるので、それで腹筋運動を少しずつ行いたい」との積極的な提案がなされました。

試行錯誤しながらもTさんの事例を通して私たちは、患者さんの思いにしっかりと寄り添い、頑張る力を引き出していく看護実践に確信をもち、患者さんとともに歩む看護をこれからも続けていきたいと思います。

現在、Tさんは、糖尿病の内服治療を継続し、ヘモグロビンA1Cは昨年7月の8.0から今年1月時点では6.2まで改善されています。

勤医協神威診療所 看護師・諏訪 京子

(勤医協新聞2009年3月11日号より)
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2009年03月14日

field-note 北の自然 冬芽

北の自然 冬芽

3月に入り、少しずつ日差しが春っぼくなってきたとはいえ、朝晩はまだまだ冷え込みますね。もうしばらくの間、分厚いコートは手放せそうにありません。

寒さをしのぐコートを身にまとっているのは、私たち人間だけではなく樹木も同じです。樹木は春になると葉っぱや花を咲かせますが、これは春になって枝から出てきたものではなく、前の年の秋までの間にすでに用意されたものです。枝先にちょこんとついている冬芽の中には、小さな小さな葉っぱや花がコンパクトに収納されているのです。

冬芽は葉っぱが変化した鱗状のもので覆われていて、大きさや形は種類によって様々です。葉っぱの大きいホオノキは冬芽も大きく、まるでタカの爪のよう。

写真のハクモクレンはフワフワとした毛が生えていて、ロシア人の帽子にそっくり! 他にも、ベタベタする 「ろう物質」で身を固めているもの、ツルツルのもの、ザラザラのもの、実に個性豊かです。

一見、地味に見える冬芽も、よく見ればなかなかおもしろいものです。

(北海道民医連新聞2009年3月12日号より)
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エンプロイ オブ ザ イヤー

オーティスあゆみアメリカ通信

ちょっと前の話になりますが、勤務先の老人ホームのスタッフミーティングがあったんですね。

そこで2008年の輝ける職員はだれか!? ジャジャーン、というようなセレモニーがあったんですよ。なんと、その 「2008年の輝ける職員」に、この私が選ばれたんです!

毎月、スタッフ数名と、入居者数名、その家族でミーティングが開かれて、毎月「今月の職員!」とか「今月のボランティアさん!」 とか、いろいろ選ばれるのですが、私は2008年の2月に「今月の職員」だったわけです。

そもそもこれは2008年の1月に始まったばかりの取り組みです。今までは老人ホームのオフィスの人たちで 「今月の職員」を選んでいたのですが、去年の1月から老人ホームに住む人たちやその家族をメンバーにいれて、みんなで選ぶことに変更になったんですよ。で、毎月1人ずつ12人選ばれて、私は2月だったので、すっかり忘れていたんですね。

で、先日のミーティングで 「エンプロイ オブ ザ イヤー」 を発表することになったんです。まずクオーターが選ばれて、それは4ヶ月ごとの毎月の職員から1人ずつ選ばれて4人が選ばれたのですが、まずその中に私が残ってしまったんですよね。

その日はお昼ご飯を食べる時間もないくらい忙しかったので、バナナをかじりながら遅れて参加した私ですが、バナナを食べている途中で呼ばれて、「エンプロイ オブ ザ イヤーはあゆみ!」と発表されたんです。

私は、バナナを握り締めたまま表彰されてしまいました。

周りがキャーって騒いで、ハグ (こつちでは挨拶代わりに抱きしめあいます) の嵐にもまれながら、バナナが…と、1人バナナの心配をしていた私です。

総額2万円相当の商品券をもらい、大喜びの私でした。でも、その商品券はこの老人ホームで契約しているどこかのお店のカタログからしか商品を選べない仕組みになっていて、もう3月になろうとしているのに、まだ商品を選んでいない私なんです。現金なら良かったんですけどね…。ものすごい不況のご時世、そんなこといったら贅沢ですよね。

ちょっとうれしい最近のニュースでした。

(北海道民医連新聞2009年3月12日号より)

2009年03月11日

医療と倫理

「医療と倫理」について鹿野哲(勤医協中央病院病理科科長)が3回にわけてお話します。

81.3MHzFMさっぽろ村ラジオ「健康と医療の広場」2009年3月11日放送。4.32MB(9:26)

81.3MHzFMさっぽろ村ラジオ「健康と医療の広場」2009年3月18日放送。4.59MB(10:01)

81.3MHzFMさっぽろ村ラジオ「健康と医療の広場」2009年3月25日放送。4.08MB(8:55)

タグ:医療倫理

2009年03月05日

健康ウォッチ 胃・十二指腸潰瘍とピロリ菌

胃・十二指腸潰瘍とピロリ菌

●「ピロリ菌」と病気の関係

 最近、新聞やテレビなどで胃・十二指腸潰瘍の原因として、ヘリコバクター・ピロリ菌(下写真)が取り上げられています。

 100年以上前から人を含め、胃に細菌が存在することがいわれてきましたが詳細は不明でした。1983年にオーストラリアのウォレンとマーシャル (後にノーベル賞受賞) が慢性胃炎の胃粘膜から分離培養に成功し、この発見でピロリ菌の研究が進みました。

 今ではピロリ菌は、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、ある種の胃リンパ腫、慢性胃炎、急性胃炎など様々な消化管の病気の原因となることが証明されています。

ヘリコバクター・ピロリ

●感染率と原因

 胃・十二指腸潰瘍のうち、50〜90%がピロリ菌感染と言われ、感染した胃からの胃がん発生率も0.5%と言われています。日本でのピロリ菌感染率は50歳代以上で約80%ぐらい、30歳代以下は約30%です。

 ピロリ菌は人から人へ経口感染するため、戦後の不衛生状態で感染が拡がり、上下水道の完備によって感染率が低下してきたと推定されています。また初感染が乳児期の場合、症状が何もないまま推移すると言われています。免疫が形成されてから感染すると急性胃炎を発症します。

●診断と除菌方法

 ピロリ菌の診断方法は、血液検査、糞便・尿検査、尿素呼気試験(空腹時に検査薬を内服して呼気を検査する方法)などがあります。ピロリ菌の除菌治療は、2剤の抗生物質とPPI (潰瘍の薬) を1週間内服することで約90%が除菌できます(2回する場合もあります)。 したがって現在では胃・十二指腸潰瘍は長期に通院が必要な疾患ではなくなり、内服不要な治癒する疾患となりました。
 
 再発率(再感染率)は5%と言われています。(※消化性潰瘍にはピロリ菌の他消炎鎮痛剤・ステロイドホルモンなど薬剤が関係するものがあり、これを除いての率です)

 治療の副作用は、味覚異常・下痢・口内炎などがあります。抗生物質による出血性大腸炎もありますが、整腸剤の内服でかなり予防できます。

●胃がん予防にも

 現在ピロリ菌がこれほど話題になるのは、日本において最も多い胃がんにピロリ菌が深くかかわっているからです。日本のピロリ菌は世界の中で最悪と言われています。

 今年開催された日本ヘリコバクター学会から新指針が発表されました。それによるとピロリ菌がいる人は全員薬で除菌することを勧めるというものです。北海道大学浅香正博教授らは除菌すれば胃がんの発生率は3分の1に減少すると英医学誌に発表しています。

 しかし、除菌の保険適応は胃・十二指腸潰瘍しか認められていないため、胃がん予防のための治療は今のところ自費診療となります。学会では保険適応の拡大を厚生労働省に要望しています。

 ピロリ菌感染について心配な方は、診断・治療について内科(消化器専門医)を受診しご相談ください。

(北海道勤医協友の会新聞2009年3月1日号より)

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2009年03月02日

不況

オーティスあゆみアメリカ通信

 オバマ氏が米大統領に就任した1月20日、あちらこちらの職場では、いろいろなセレモニーが行われたようです。私が働く老人ホームでも大きなスクリーンでテレビ中継が流れ、国民の期待がどれほど大きなものであるかを物語っていました。とはいっても、オバマ氏とその妻のダンスがいかに素敵だったかという話で翌日は盛り上がっていましたがね。

 さて、世界各地で不況がささやかれる中、医療関係は不況とはチョッと離れてる気がしてたんですよね。でも違ったんです。老人ホームの入居者がなぜだか減少して (月に30万円も50万円も払えませんよね)、私たちの老人ホームも金銭的にきつくなっています。

 そこでまずビジネスマネー ジャーが解雇されました。入居者の直接の増減にかかわっているところなので、まず最初の一人になってしまったんです。

 そして次の白羽の矢は私たちケアギバーに。けれども誰一人解雇をしたくないという上の方針で、今、労働時間削減を徹底しています。毎日2人のケアギバーが1時間ずつ勤務時間を少なくされています。それを交代で、全員が1週間に約2時間の労働時間カット。月にすると8時間、約一日分の時間カットです。残業手当は倍額になるので残業削減。よほどの理由がない限り残業すると追及されます。この労働時間カット作戦でしばらくやってみて、これでも経営が大変ならいよいよ解雇でしょうか。

 それから入居者を何とか増やそうと、知り合いを紹介して、2カ月入居したら紹介者に賞金1000ドル(約10万円)。これは最初500ドルだったんですが1000ドルに上がったんです。その金額に、私たちは 「わおー」って喜んだんですが、新聞購読者を増やすのとはわけが違います。老人ホームに入居する老人を連れてくるんですよ。そんな簡単な話ではありません。

 あとは上からのお達し。「スーパーで老人を見かけたら声をかけて」 って。ぶっ飛ばされますよね。

(北海道民医連新聞2009年2月12日号より)

Field-note 北の自然 ヤドリギ

Field-note 北の自然 ヤドリギ

 葉っぱを落とした梢に、ウニを大きくしたような丸いものがくっついている光景を見たことがありますか? まるで鳥の巣団地のようにも見えますが、これはヤドリギと言って、ミズナラやサクラなど、他の木から栄養をもらって生活する寄生植物です。自分で働かずに他人様から栄養をもらうなんて、ずいぶんとお気楽な生活ね、と思われるかもしれませんが、彼らなりに努力をしています。

 秋に熱す実は鳥たちに気に入ってもらえるよう、人間が食べてもおいしいと感じるほど甘〜く仕上げています。フンと一緒に出てくる種は、鳥の体内では消化できない粘液質にくるまれていて、納豆のようにネバネバと梢にくっつきます。見事くっついた種も、そのままでは硬い樹皮に根を下ろすことはできません。そこで、根の先端から酵素を出して樹皮を溶かして穴を開け、じわりじわりと根を差し込み、宿主にしっかりと取り付きます。

 一見楽そうに見える寄生生活も、手に入れるために様々な工夫をしているのですね。「寄生生活もそんなに甘くはないのさ」。そんなヤドリギの声が聞こえてきそうです。

(北海道民医連新聞2009年2月12日号より)
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かなえられた!帰りたい希望 苫小牧病院・3病棟

看護現場からの発信
看護現場からの発信 苫小牧病院3病棟スタッフのみなさん

 苫小牧病院3病棟は38床の回復期リハビリ病棟です。最近は認知症や胃癌の造設などにより、自宅での介護が困難となるケースが多く、在宅復帰率も60%〜70%と決して高い状況ではありません。今回、介護力不足により自宅への退院が困難と思われましたが、本人と家族が希望する自宅への退院が実現した事例を紹介します。

◇ ◇

 Aさん(80代・女性)は、脳梗塞で左片麻痺。座位バランスが不安定で、起立・歩行も困難なため、スタッフ2人での介助が必要な状態でした。十数年前から尿閉により自己導尿をしていましたが、急性腎不全で他院入院中にバルンカテーテルを挿入。知的障害、右片麻痺のある次男と2人暮らしで、近所に住む長男が主介助者でした。当初は、施設入所の方針でしたが、Aさんは 「障害のある次男をおいたまま自分だけ施設に入ることは出来ない」 と自宅での生活を強く望んでいました。長男は 「母が自宅に帰りたいのなら自分が世話をする」と自宅退院に方針を変更しました。

 その後、私たちは話し合いの場を作り、自宅退院に向けてプランを立てていきました。長男に都合が付く限り来院してもらい、移乗介助、きざみとろみ食の調理指導を行いました。排便処理を心配するAさんの気持ちを聞き、トイレで排便習慣がつくよう毎日同じ時間にトイレに誘導するようにチームでとりくみ、ほぼ毎日自然排便できるようになりました。毎朝病棟で行っている立ち上がり体操にも積極的に参加し、10回の目標から始めて、少しずつ筋力も向上しました。

 最終的に在宅生活ができるかどうかを判断するために、試験外泊をすることにしました。経済的なことを考慮し当院通所リハビリから電動ベットを借り、病棟からポータブルトイレと車椅子を貸し出し、当院委託の運転手さんに自宅まで搬送してもらいました。なんとか退院後の生活がイメージでき、サービスを最終調整し退院となりました。

 自宅に帰りたい希望を持ちながら、家庭内の諸事情や、経済的な理由、介護力の不足などにより、在宅での生活を断念せざるを得ない方も少なくありません。在宅での生活に向け1つひとつの問題点を患者さんと家族と共に解決して、安心して在宅を目指していけるよう援助していく大切さを知るケースとなりました。今後も患者さんや家族の気持ちに応えられるよう、一人ひとりが笑顔で退院の日を迎えられるようにチームでとりくんでいきたいと思います。(看護師・斉藤小百合)

(勤医協新聞2009年2月11日号より)
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